新編・伊勢物語 第九十段 はらからの夢 星原二郎第九十段 はらからの夢 むかし、男ありけり。今も男あり。 その男、平成二十八年の冬 続けて不思議なる夢を見て 歌を もんぺいを 穿きたる母 の十代か おさげの髪の 愛らしき乙女 わが知らぬ 若き二人の 夢を見き ちちははならむと 覚めてより思(も)ふ この頃は 夢に顕はれ もの申す ちちははなれば われを呼ぶにや と詠み、「うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと」 といひし推理小説家の江戸川乱歩氏の言葉 思ひ出しけり。