新編・伊勢物語 第六十九段 神占 星原二郎第六十九段 神占 昔、男ありけり。今も男ありけり。 その男、平成二十八年一月二日の朝 恒例の知立神社へ初詣に行きけり。 してさらに恒例の御籤を引き 歌を 年始め もののはじめの ためしとて 引きたる神籤(みくじ)の 吉をよろこぶ と 詠み 童謡唱歌 「年の始めの♪ 例とて♪ 終なき世の♪ めでたさを~♪」 鼻歌に唄ひつつ 御神籤の吉札を今年の御守りと 持ち帰りけり。