新編・伊勢物語 第五十二段 恋塚 星原二郎第五十二段 恋塚 むかし、男ありけり。今も男ありけり。 その男、ある日、安城市赤松町を通りけり。 そこにある交差点の信号表示に「恋塚」とあるに 目 止まりけり。 如何なる由縁ありて付く地名なりや と思ひて、歌を 安城に 恋塚といふ 地名あり 如何なる恋の 名残りなるらむ と詠み、その土地の古老を訪ね その地名の由来となりし物語聞かむと思ひけり。