写真は「本多静六、一日一話」です。
本多静六が残した370冊の本から珠玉の言葉を選んで半ページにまとめ
、一日一話で366話で完結です。
今年元旦から毎朝、一話づつ読み、今日で完結しました。
随分と励みになったり感心したりでした。
明治人の骨っぽさと真摯で実直な生き方がにじみ出ています。
来年も日課にしようかなと考えています。
本多静六は昭和27年、85歳で亡くなりましたが、日本林学の生みの親で
あり、国立公園生みの親でもあります。日比谷公園など多くの公園の
設計をしています。
名を知られたのは蓄財・処世術で、東大教授として努めつつ貯蓄と利財
で渋谷区一番の納税者になりました。
驚くのは60歳の退官時に、それまで蓄えた財をすべて寄付し、子孫に美田
を残さずを実践したことです。以降はそれまでの経験を著述し、また生活
相談・経営相談に応じて亡くなるまで活発な活動を続けました。
モットーは「人生即努力、努力即幸福」というもので、その通りの人生でした。
巨万の財を成してもその清貧ぶりは変わらず、ホリエモンとは対極的な
生き方がなんとも清々しさを感じさせます。
私にとって今年は、自身の怪我・病気、家族兄弟の病気、たつきの困難
など気の滅入ることが多かったですが、ともかく一年が過ぎ行こうとしています。
来年は運気が上昇するようと祈ります。
その前にジャンボ宝くじが当たるよう祈るとしましょう。


尖閣列島を巡る中国の動向・主張にはデジャヴを覚えました。
どこかで読んだような気がして、すぐにそれは「悪の論理・ゲオポリティック(地政学)とは何か」という1977年発行の倉前盛通教授の本だと思い至りました。当時、大変なベストセラーで私の持っているのは38版です。
地政学は、地理概念上に展開される国際政治戦略の学問で、ドイツで生まれ普仏戦争勝利に貢献したことでイギリスなどヨーロッパで発展しました。
ドイツでナチスに利用されてその有効性に注目したアメリカ、イギリスが中心になって戦後から現在に至るまで研究されています。
大東亜戦争当時、ドイツと同盟国だった日本でも地政学は盛んで地政学学会もありましたが、GHQにより解散させられ学者は公職追放されました。
さわらぬ神にたたりなしとばかり大学では学問として抹殺されてしまいました。それ以降、日本では少数によって細々と研究されているようです。
「悪の論理」が発表された当時はソ連の軍事膨張政策が盛んで、今回の中国のような事件が多発していました。ソ連の脅威に対して有効な手が打てない日本政府のうろたえぶりにウンザリしていた時に、この書の主張は正鵠を得たものでした。
その中で、ソ連の軍事予算化による国家崩壊を予測していたことは驚愕でした。その後、アフガンでの失敗、国内経済の低迷と混乱、ソ連崩壊は「悪の論理」の先見性を示していました。
ロシアは19世紀の初めから北方海域で侵犯を繰り返し、今と同じく軍備がお粗末な幕府に対して「解体新書」を著わし蘭学の生みの親の杉田玄白は、「14~15年かけて軍備を完璧にすべし。」と「野叟独語」に書きました。
今の民主党と同じく有効な手を打たなかった幕府は、その後半世紀後にペルーが黒船でやっていた時、なすすべがなく諾々と不利な条件で開国をせざるを得ませんでした。
「悪の論理」では中国についてもインドは中国が統一されて国力を持った時は必ず大帝国を志向して軍事拡大するという歴史上の常識を忘れた中印紛争時のネール首相の失政を指摘しています。他山の石とすべきだと感じました。
倉前盛通教授は「新・悪の論理」も著わしましたが、こちらは当時の日本の地政学の浅さでいかにも情報分析が偏っていました。ピントはずれな予測が目立ちたのは残念でした。
自国の領土を守る、国益を守る、現在と将来にわたる自分の平穏な暮らし、子々孫々の平穏な暮らしとたつきを守る。そのための軍備の重要さを日本人は分かっています。だから尖閣、竹島、北方四島では神経質、反応が過敏だと考えます。
これから日本が繁栄していく為には、やはり外交や安全保障能力を高めていく事が必要です。
まだ尖閣事件が発生する前の今年2月に「悪の論理で世界は動く」という本が出ました。著者は奥山真司さんで珍しく若手の地政学者です。ドイツから学問の中心がアメリカに渡ったのですが、本格的に地政学を研究されています。
この本での主張は、世界は「悪の論理」で動いている。アメリカは国力の衰えから日本を捨てたがっている、中国は日本を属国化を狙っている。日本の選択肢は3つあって、一つはアメリカとの同盟関係の継続、二つ目には中国の属国となる、最後は日本の軍事的独立である。というところでしょうか。
どの選択肢になるのか、その対応のために残された時間は多くないでしょう。
同じ著者の「地政学・アメリカの世界戦略地図」もなかなか読みごたえがありました。アメリカは単純ですが何としたたかな世界戦略を持っているかと唖然としました。
中国は21世紀に入ってからオリンピック、万博と国家イベントが続いて元気なようですが、過去30年でGNPは1978年3645億元から2009年33兆5400億元と92倍になりましたが、M2は859億元から60兆6000億元と705倍です。
これはもう完全なバブルです。インフレも怖いが金融引き締めの反動で不動産バブルの崩壊による経済破綻も怖いという状態です。日本企業はこのあたりのリスクも勘定に入れたほうがいいと思います。
年齢とともにガンガンの主流派ジャズよりも静音ジャズ、ヨーロッパジャズ、ノスタルジックな歌姫の声で癒されています。
時間的には、今年一番聞いてるのは環境音楽、次にクラシック、その次がジャズと言うところでしょうか。
というわけで、まずはハロルド・バッド「ザ・ルーム」です。
ゆったりした浮遊感覚のある環境音楽をよく聞いています。
バッドとイーノのアルバムは30枚くらい持っていますが、最近は聞かない日がないくらい、次から次へと聞き回しています。
バッド「ネロリ」も1曲で58分というやつで山も谷もない延々の繰り返しで催眠効果・癒やし効果があって好きな1枚です。
次は、パブロ・カザルス「ホワイト・ハウス・コンサート」で、肩に力の入らないリラックス・ムードで楽しめます。中でもカザルスの故郷アタロニア地方の民謡「鳥の歌」は慣れ・ムードで楽しめます。中でもカザルスの故郷アタロニア地方の民謡「鳥の歌」は慣れ親しみやすさと高貴・峻厳の混じった曲です。
「無伴奏チェロ組曲」をはじめ、今年はカザルスにはまりました。
最後は小坂直輝さんの「IN THE HYMN、vol.2」です。
讃美歌のピアノソロですが、ジャズっぽい編曲の妙が冴えています。
曲想、アレンジ、選曲、それに演奏が秀逸で大変な才能の持ち主で、
これからの活躍が楽しみな方です。
私は、還暦を超えた年齢ですから肉体的な変化、好みも変わってきます。
ゆったりと静かな音楽に快感を覚え楽しむ傾向が強くなってることを自覚します。
若いころは聞くのが耐え難かった新内なんかも、しみじみといいなぁと感じるこの頃です




