今回の展覧会に関連した映像作品が上映されていて、こちらもとても素晴らしかったです。

 

 

“特別企画「国宝 救世観音・百済観音を8K文化財で鑑賞」”

 

 

特別展と同じ平成館の1階で上映されている数分間の作品で、超高精細な3DのCGにより作成された実物大の救世観音と百済観音が空間に浮かび上がります。

 

 

救世観音は夢殿の秘仏として明治になるまで全身を白布で巻かれていたためか全身に金箔が残っていて、その美しさに思わず息をのんでしまいます。

 

一方の百済観音は彩色の剥落が多いためお顔の表情ははっきりわかりませんが、そのたおやかな体つきは優美な女性を彷彿とさせます。

 

聖徳太子の等身像とされる救世観音が男性的なのとは対照的に思えます。

 

 

もうひとつは“法隆寺 国宝 金堂 聖徳太子のこころ”

 

 

東洋館地下1階のミュージアムシアターで1時間おきに上映されています。

 

現地でも入ることのできない金堂内がバーチャルリアリティで再現されていて、そこにカメラがドローンのように天井から床、仏像の前から後ろと飛び回り、見える映像をナビゲーターが生で解説してくれます。

 

ふたつとも見ごたえ十分でした。

 

 

 

今年は聖徳太子没後1400年で、遠忌記念として9月5日まで上野の東京国立博物館で『聖徳太子と法隆寺』展が開催されています。
 
ふだんと違いコロナ禍なので、日時を指定して予約しないと入館できない煩わしさはありますが、上野で法隆寺展があるのも珍しいので、平日に休みをとって行ってきました。
 
 
会場に入って驚いたことに、ふだんの特別展だと貴重な展示物の前には人だかりがしていて思うように進めないのですが、今回は人数制限をしているために人の流れもスムーズで、落ち着いて見学することができました。
 
 
 
 
会場には聖徳太子の肖像や遺品と伝わる宝物が展示されていますが、やはり見どころとしては何といっても法隆寺所蔵の国宝や重要文化財の仏像の数々でしょう。
 
写真のポスターの右側にある27年ぶりに寺外公開された聖徳太子像や、左側の金堂薬師如来坐像をはじめとして金堂四天王のうちの広目天と多聞天もいらっしゃっています。
 
 
このような展覧会の素晴らしいところは、ふだんでもめったにお目にかかれない貴重な仏様を、間近で拝観できるところにあります。
 
仏様の御像の前に立ち、合掌している人も見かけました。
 
 仏像を彫刻作品とみる人にはただそれだけのものですが、そこに御霊が宿っておられと意識する人には、仏様は功徳を与えてくださるような気がします。
 

果たして暦と同じ役割を果たしていたかどうかは明らかではありませんが、自然暦以前にも暦のようなものはありました。

 

それが北海道から東北にかけて数多く見つかっているストーンサークル(環状列石)です。

 

 

その代表的な約4000年前の縄文時代後期に作られた秋田県鹿角市の大湯環状列石では、日時計状組石と呼ばれる特殊な配置の組石があり、サークル中心部から見た日時計状組石の方角が夏至の太陽が沈む方角であり、その反対の方角が冬至の日の出の方角になっていました。

 

日時計状組石は太陽の運行によって1年を計ると同時に、影の移動によって1日の時間の変化を知ることができます。

 

 

そのため縄文人は太陽の日の出と日の入りを観測して、ストーンサークルや日時計状組石をカレンダー代わりにしていたのではないかともいわれていますが、本当のところはいまだにわかっていません。

 

とはいえ、これらのストーンサークルからは土偶や石棒などの呪術具が出土するので、そこは自然の恵みを願い災害を防ぐための、さまざまな祭祀行われる祭祀場だったことには間違いないようです。