果たして暦と同じ役割を果たしていたかどうかは明らかではありませんが、自然暦以前にも暦のようなものはありました。

 

それが北海道から東北にかけて数多く見つかっているストーンサークル(環状列石)です。

 

 

その代表的な約4000年前の縄文時代後期に作られた秋田県鹿角市の大湯環状列石では、日時計状組石と呼ばれる特殊な配置の組石があり、サークル中心部から見た日時計状組石の方角が夏至の太陽が沈む方角であり、その反対の方角が冬至の日の出の方角になっていました。

 

日時計状組石は太陽の運行によって1年を計ると同時に、影の移動によって1日の時間の変化を知ることができます。

 

 

そのため縄文人は太陽の日の出と日の入りを観測して、ストーンサークルや日時計状組石をカレンダー代わりにしていたのではないかともいわれていますが、本当のところはいまだにわかっていません。

 

とはいえ、これらのストーンサークルからは土偶や石棒などの呪術具が出土するので、そこは自然の恵みを願い災害を防ぐための、さまざまな祭祀行われる祭祀場だったことには間違いないようです。