私のような当事者が思っている発達障害のイメージと、そういう人を見たことも聞いたこともほとんどない、
日常生活において発達障害と接点のない人の思っている発達障害のイメージはどこまで異なっているのだろうか。
建前では差別的な発言はしてはならない、ということになっている。
別に本音は聞きたくないし、聞いたら聞いたでたぶんネガティブなことを言われると思うから聞きたくもないが、
どこまでイメージがかけ離れているだけかは少しだけでもいいから知っておきたい。
多分発達障害について雑に知っている方が厳密には発達障害ではないけれども近似の症状を発達障害に付け加えるだろう。
天ぷらをすれば具材に徐々に衣をつけて加えていって段々と大きくなるように、それっぽい症状や異常な行動をする、と膨らんでいく。
そして下調べをすればするほどイメージが膨らんでいき、実際にあったらこんな程度なのかとがっかりされるかもしれない。
一体発達障害を何だと思っているんでしょう。
発達障害というのは一つにまとめられてはいるが、ADHD、LD、ASDと大まかに分けられる。一つだけの人もいれば複合する人もいる。
端的に言えばADHDは多動、LDは読み書き、数学等特定の学習に困難がある、ASDはコミュニケーションの障害、
と大まかに分けてもどうやっても一つにはまとめられないし、この三つについては本当に個人差が大きいので、
具体的な、典型的な例を挙げようとしても個人差が大きすぎて「個人の感想です」みたいな扱いになってしまう。
そこに知的障害の有無、境界知能どころか時々MENSAに行くような人も出てくるので本当に個人の症状がバラバラで、まとめきれない。
それを一言で「発達障害」とすれば内包するものが多すぎてどうあがいても話が噛み合わない。発達障害の当事者でも違う種類の、
ADHDとASDで話したとしても既にまとまらない雰囲気がプンプンとしてくる。
訳のわからない行動といえども障害によってどういう訳の分からなさなのかは大きく異なる。
同じ障害の当事者でも話が完全にすれ違ったり噛み合わないで終わったり、まるで正しいイメージなんてないかのように、
本当に個人差が多彩過ぎてまとめきれないし、そもそもまとめられない。
先入観とか偏見はその穴を勝手に埋めてくれる優れものだが、それ故に誤った結論に到達する。
一体発達障害とは何でしょうか。当事者でも時々真顔で問いかけたくなる。
誠に遺憾である。