何か寝床のマットの下に挟まったものが汚れてると思ったら思い切り床にカビが生えてた。
湿気が床からカーペットを貫通して布団の敷きマットまで到達したのである。
私が使っているのは関節痛用の高齢者向けの柔軟性のあるマットなので三つ折りとかできない。
マット自体が重いし嵩張るので、関節痛のひどい現状では簡単に起こして立て掛けてもおけない。
ひきっぱなしにした自分が悪いのだが半年でカビが生えてたとは思わなかった。誠に遺憾である。そりゃ鼻づまりも喘息も悪化するわ。
壁と床の隙間から蟻が侵入してくるのは恒例行事になったし、どうやら床も定期的に点検しなければならないらしい。
アパートならアレルギーと修繕費で死んでた。
なおアパートなら大丈夫と思っていた頃、床が文字通り紙で出来ていたので、時折穴があいたり凹んだりカビっぽい色がついたりしましたが、
それ以前にも水道管が破裂したりボイラーに穴が開いたり、どうも私は家を破壊する傾向にあるようです。存在自体が。
実家とてアパートとて平等に破壊する。慈悲はないらしい。そもそも家が老朽化するのはその通りだとしても、何かしら壊す。
しかし家を修繕する金とかない。壊れたらそこが深刻化しないよう応急処置をしてあとはそこに触れないようにするのが関の山である。
何より金があるなら実家暮らししても離れとか建築してそっちにこもりたい。そして猫の額程の畑を家族で耕しなから、
どちらの家にも緊急通報ボタンでも設置して、夜中一押しですぐに行くとか(電話とか時折気づかない時もあるのででかい音を鳴らしたい)
そういう緊急時の話だけつけておけば、何かあっても何もしなかったという負い目からは逃れられる。
でなければこの今住んでいる家というのは私が子供の時に建てた家だから私と同じように年老いていき、少しずつ肉体のように歪みが出る。
何より木材が衰えないということはない。少しずつ曲がったりゆがんだりして、だんだんとその場に建っていられなくなる。
私に出来るのは自分が死ぬまで何とか保ってくれと願うことばかりである。実際に出来ることは少ないし、出来ないことは業者を呼ぶのでお金がかかる。
お金がないのにお金があるように振る舞っていたら早めに死に至るだろう。
家なんて住んでいたら生活保護も降りないが、田舎なので土地や家の買い手もない。
家の周りにかつてあった民家なんて引っ越して来た頃の半分程度である。残るのは単なる更地で前の住人の植えた球根や樹木が生い茂っている。
そんな土地に価値など有るはずもなく、固定資産税とかも年々安くなる、と親はこぼしている。処分したいが誰も買わないので売れない。
地権者になっても特にどうということはない。だが財産があれば生活保護は受けられない。
田舎なら持ち家でも生活保護、という場合があると聞いているが、どのレベルからそういうことができるのかは知らない。
一応街の人口も五桁にはなっているので、まだそんな特例は下りないと思う。
しかしそうでもしなければ、エアコンのない公営住宅なんて私的には死にに行くようなものである。アパートの約十年間そう思ったように。
親が生きている内はそれなりに何とかするが、自分以外いなくなったらもう何が起きてもおかしくない。誠に遺憾である。