別に季節は障害者に手加減してくれる、という事もないので、
何か用事があれば車に乗らないと他の季節と同じでどこにも行けない。
運転は下手な自信があるし、なんなら自損事故の大半のものは冬に起こしているが、
病院に行きたい、と思っても、まずは駅まで車だし(住んでいる田舎にはバスなんて生やさしいものは家の近くを通りません)
別に駅に着いても駐車場が雪に埋もれていたり、電車は一時間に一本来ればいい方であり、
目的の駅に着いても次はそこから病院までバスに乗らなければならない。バス停に待合室なんて優しいものはないので常に吹きさらしである。
車に乗らないと直接病院には行けないし、なんなら車を使わないと途轍もなく手間がかかる。そして寒い。
冬は平等に雪と寒さを人間に与える。とても寒い。路面は凍ったり凸凹が激しくなったり、積雪を車が乗り越えられなくなったりする。
状況としては間違いなく最低の部類だが、かと言って病院に行かないという選択肢はないし、
飲み薬とかも半年分黙って出してくれる、なんて都合のいい医者や薬局もないので、
事故ることを確実に確率の中に入れても車には乗らなければ田舎では生活できない。
たとえ障害者で収入が覚束ないとしても。
万が一生活保護になってしまえば車など十中八九持てなくなるので、雪の中を歩いたり走ったり自転車を冬仕様に改造していかなければならない。
そうでなければグループホームなどに入居して病院まで送迎されなければならないが、グループホームの中の人間関係には確実に躓く。
これでバスの運転手不足が続けばそもそも移動するな、というようなどうしようもない状況に追い込まれる。
そうすれば嫌でも車を維持しないといけない。維持できる生活水準でもないのに。
年金で生活する障害者は公共交通機関の豊富な都市に住めという宣託や啓示のようなものである。
誠に遺憾である。