クールビズなんてどうでもいいから家にエアコンをくださいと言い続けて十数年 | 隠者の庵

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自閉症スペクトラム(広汎性発達障碍)当事者が気ままに壁打ちで文章を書き連ねます。
あと趣味についても適当に書き連ねます。何故か見た夢も記述します。

私が実家に戻った理由の数割は以下の一言で説明できる。

「エアコンがあるから」

もう一度言う、「エアコンがあるから」

これまで十数年一人暮らしをしてきた中で、どこの部屋にもエアコンがあった覚えはない。

天上にある手に届かないものとして認識されているようなものである。

どこかの店に行ったり、施設に出かけたらエアコンはある。それはそれでいい。

問題は夜に眠れないことである。毎夏エアコンのない家では、暑さで睡眠時間が削られ、日中具合が悪くなる。

作業所で具合が悪くなってエアコンの下で仕事を中断して休んだことも一度や二度ではない。

そんな生活を続けていけばいずれは何か患ったり、熱中症になりかねない。

安いアパートとかそもそもエアコンがなかったり、管理会社にエアコンの設置を要望しても通らなかったり、

それならエアコンのある家に行ったほうが早いし気が楽である。

夏だけ自宅から通える範囲の何処かの安いビジネスホテルにエアコンを浴びるためだけに長期滞在したいとか平気で思うわけである。

いくら自分が障害者で一人暮らしをしていたといえども、年金や工賃で貯えはあるので、

別にエアコンを買えないわけではないし、取り付ける費用もないわけではない。

ただアパートにエアコンを置くという許可と認識がないようなアパートに住んでいただけである。

別に高齢者のように暑さを感じにくくなっているわけではないし、私自身はむしろ暑がりな方である。

それがエアコンのない環境に長期間置かれるとか完全にネグレクトというかマゾヒズムの類いである。

正直毎年暑いと汗を流して夜には完全に肌がベタベタになり、

もう安静に過ごすどころの騒ぎではないような、エアコンさえあればいいのに、と思う状況が長すぎた。

毎晩冷凍庫から保冷剤のデカいのを数個取り出して頭や脇や足元に設置し、

朝うなされながら起きて完全に溶けた保冷剤を丁寧に冷凍庫に入れ直す、そんなひどい毎日はもう勘弁である。

もう電気代とか払うし設置にかかる費用も全負担でいいからエアコンをくれ、

と叫び続けるのもいい加減に疲れたので、大人しく実家に帰るのである。

お陰様で夏が暑いと叫き続ける時間も数割は減りました。やはりエアコン様々でございます。

エアコンがなければ死ぬ、は言い過ぎではあるが、近い状況に追い込まれるのは間違いのないことである。

謂わば「人権」であります。

家にエアコンを設置できるくらいの人権はちゃんと持ちながら生きていたいものです(意味不明)