人間は死ぬ、故に人生は幸せではない。
人生に希望を…と言う人の言葉が空虚に聞こえて仕方がない。
ではその希望を外せばどうなるか、
生きて死んでいくだけである。
どんな人間でも生き物でも、生きれば死んでいくのである。
因果のようなものである。
希望とは、将来に対する展望が明るいことに根拠を持つことである。
明日が明るいと思わなければ、希望などはない。
しかし、人間の現時点での最終到着地は「死」であって、
今のところそれを覆せるあらゆる手段が断たれているので、
明日を繰り返す内に死に近づいて、いずれは死んでしまうのである。
積み上げた希望はいずれ砂の山のように崩れていくのである。
人間はいずれ死ぬのに、何故今自ら死んではいけないのか、
一応そういう人には「自分を解明する仕事が残っているじゃないか」とはいうが、
その意見だって実際説得力があるかなど不明である。
ない方が清々しい。
私が生きる理由は、死にたくないからである。
それだけで充分ですらあると思う。
生きるに値する理由がなければ、本人がどのような結論を持とうと、
それは自由意思による結果であるから、私がとやかく言う権利はない。
ただ、私は死にたくないから生きている。
どんなに希望はなくとも、死にたくはないので生きなければならない。
茨の道を進んでいるようなのが現実ではあるが、
だからと言って自分への問いを捨てるわけにはいかない。
いずれは死ぬけれども、今すぐには死にたくない、
自分にはまだ問わなければならないことが山ほどあるので
生きる道を選ぶのである。たとえそれが儚くとも。