旅した時の続きになるんですがね。
昼間に暴飲暴食したアタシは
外湯巡りをした後に、
一旦車に戻って仮眠したんです。
17時間働いた夜勤明けでそのまーんま
旅に出ちゃったもんだから
そりゃ眠い。

昼間は天気が良かったんですが
夜になるとひんや〜りとして
何か羽織らないと肌寒いくらいでね
散歩するにはちょーどいい。
アタシはワンちゃん連れて夜の
城崎温泉街へと繰り出したんです。
·····ちなみに
この日の深夜、
不審な男たちをワンちゃん連れて
尾行することになるんですが
それはまた別のお話です。

昼間と違ってね、お酒が飲めるような
居酒屋やBARなんかが明りを灯してる。
そこに旅館の宿泊客が浴衣着て
カランコロン カランコロン
下駄を鳴らして歩いてる。
いいですよねぇ、風情があって。
まぁ外国人も多いんですが
外国人の下駄を履いた浴衣姿も
何だか妙にミスマッチでおもしろい。
そのまーんまブッ刺した巨大シュウマイや
但馬牛の肉を練り込んだ肉マンなど
買食いしましたよ、えぇ。
カラ〜ン コロン
上手に下駄の音を鳴らして歩く人たち。
全てが凄く良い雰囲気なんです。
ヒッタ··· ヒッタ··· ヒッタ····
ヒッタ··· ヒッタ··· ヒッタ···
ヒッタ ヒッタ ヒッタ·····
犬を連れた怪しい男が背中を丸め
虚ろな目をして独り歩いてる。
これ怖いぜぇ〜····
しかも独りで食べ歩きしてる
今のご時世
これ、ヘタしたら通報もんたぜぇ?
ところがですね、みんな温泉に入って
気持ちもほぐれてるのか
連れてるワンちゃんに寄って来るんです。
外国人も日本人も。
あーでもない
こーでもないって言いながら
寄って来るんです。
ビューティホ〜
ビューティホ〜
なんて言いながら犬を抱きしめる
外国人女性や、
ワン!ワン!ワン!
と、妙にリアルな犬の鳴き声を
発しながら寄って来る日本人女性。
やたら日本語が上手な
ケント・デリカットなど
犬を切っ掛けに
色んな人たちと関われた、
そんな城崎温泉の夜でしたねぇ

翌朝は城崎温泉からすぐの
「玄武洞公園」へ行ったんです。
冷え固まった溶岩が規律をもって
六角形に割れてね、
積み重なった様に見える玄武洞。
石柱がつくり出す大迫力の風景、
石と時間が織りなす自然の神秘。
そんな岩石がこの公園では
5カ所あるんです。
マグマの性質や冷え方によって
柱状など実に様々な形状になるんです。
5カ所全てに特徴があって
非常に美しい。
でもね、アタシひとつ気付いたんです
太古のマグマで出来た玄武洞
100年前に起こった大地震
今も湧き出る温泉·····。
地球の長い時間からすれば
全て一瞬の出来事。
これ、いつまたマグマが噴き出しても
おかしくないんじゃあねぇ〜か?
あわわわ···

玄武洞ミュージアム
先程の玄武洞公園のすぐ近く。
ここでは恐竜など生物の化石や
珍しい鉱石、奇石と呼ばれる物が
4000点も展示されています。

恐竜の化石って見てるだけで
本当にワクワクしますよね?
こんな巨大な生物達が
地球を支配していた時代があるなんて
想像しただけでもロマンが
溢れ出る。
感動したら
何だか腹が減ってきたぞ?
結局ね、アタシ両方頼んじゃった。
だってそうでしょ?
せっかく海の近くに来たんだし
海鮮丼を食べたい。
だけど但馬のブランド牛も外せない。
2つとも注文したらば
店員の女性も目が点になってた。
ところがこれ、
両方にうどんが付いてたんです。
いやぁ~、これはさすがにキツかった。
でね、ここで霊障が起きたんです。
障ったんです。
アタシね、普段はやらないんですが
海鮮丼に乗ってたおーきな甘エビ
しかも3匹ね、
あまりにも美味しかったんで
身を食べたあとに
残った頭の部分と尻尾を
チュッ チュッ ってね
吸ったんですね。
そしたらばアタシの唇と歯茎が
バンバンに腫れ上がったんです。









