
城崎温泉を訪れたアタシは
まずは奥深い山の中腹にあるお寺、
城崎温泉の守護寺である温泉寺に
行ったんです。
この日は天気が良くてねぇ
晴れているんだけど、小陰に入ると
何だか妙に涼しい。
そんな最高な旅行日和だったんです。

温泉寺は開創されて1300年という
非常に歴史のある古寺なんです。
ここの「道智上人」っていう仏教僧が
人々の苦悩を除きたいとね
1000日間もの間、祈願と
修行を続けられたのです。
その結果、温泉が湧き出たのが
城崎温泉の始まりなんです。
現在の外湯のひとつ「曼荼羅の湯」が
この道智上人が湧出せしめた
温泉なんです。

そんなこともあってか
城崎温泉に訪れた人々は道智上人の
霊前にお参りし感謝を表すってのが
古くからの習わしなんです。
アタシも静かに手を合わせ
自己紹介と感謝を伝えましたよ、えぇ
本堂などを案内して下さいました。

あーでもない、こーでもないって
説明を受けてたんですがね
アタシ、ふと襖絵を見て驚いた!
「え、ちょっと待って下せぇ
これは一体なんですのん?」
思わず質問しちゃった。

お寺の人が言うには
自分の分身を口から飛ばしてる様子
なんだそうです。
え?これ
凄い発想だと思いませんか?
普通こんな事思い付いて襖絵に書く?
お寺の人も親切でね
那智の滝など他の襖絵なんかの
説明もして下さいました。

昔はもちろんロープウェイなんて
無いもんだからね
住職が法事で出掛ける時は
お弟子さんがこの籠を担いで
下山していたそうな····。
えっほ えっほ えっほってね。
本当に昔の人達は凄いですねぇ
便利を追求した現代人には
考えられませんよね、えぇ。
ロープウェイでもって下山したアタシは
温泉街をぼちらぼちらと歩いてた。
平日の昼間なんですが
結構、観光客がいるんです。
まぁほとんどが外国人なんですがね。

数年前に入ったお食事処は残念ながら
もう閉店していたんでね
色々と歩いて蟹寿司のお店へ入った。
店内の一番うしろの隅のテーブルに
座ろうとしたら大将が
「もっと前の席どうぞ」なんて
声を掛けて下さった。
店内には、たぶんお店の先代であろう
お爺さん、お婆さんもいて新聞みたり
テレビ見て過ごしてる。
実にアットホームな雰囲気なんです。
ビール飲みながら
温泉寺で頂いたご朱印を見てたら
「あちこち集めているんですか?」
なんて先代爺さんが話しかけてきてね
爺さんも集めているらしくて
あーそーですかなんて
話が盛り上がっちゃった。
観光客目当てのチャラチャラした
お店ばかりで、こういった昔ながらの
激シブなお店がなかなか
少ないんですよねぇ〜
い〜感じに酔っちゃったアタシは
このあと、外湯めぐりして
温泉で癒されました。
あるんですよねぇ
こういうことって。







