
この日、アタシは三重県の
伊勢神宮(内宮)に早朝から
参拝に訪れたんです。
神域への入り口にある大鳥居、
そこにはちょうど強烈に光り輝く
太陽が昇っていて
アタシを照らし迎えてくれました。
太陽の女神であり皇室の祖先神。
そして我ら日本人の総氏神。

丁寧に一礼し大鳥居をくぐって
宇治橋を渡るんですが、
この橋の下を流れる五十鈴川の
水面が朝日でキラキラと輝いていて
非常に綺麗なんです。
ちなみにこの宇治橋
神と人を繋ぐ橋と呼ばれ
橋を渡ると神域なんです。

いくつもある鳥居を通り抜け
広大な敷地内を正宮目指して
歩いて行きます。
道中ずーっと強い朝日に照らされ
前を歩く知らんおっさんでさえ
何だか妙に神々しい。

そしていよいよアタシは
伊勢神宮(内宮)の正宮に来ました。
アタシ達、人間はこの鳥居を超えた
先までしか立ち入れません。
さらに四重の垣に囲まれた先にある
正殿に天照大神が鎮まる。
そこに向かって手を合わせ
挨拶し、日頃の感謝を伝え拝む。
ハンカチを手に涙を流す女性も
何人もおられる。
アタシも自然と目頭が
何だか妙に熱くなる。
日頃なんやかんやと忙しく
我武者羅に生きてると
「感謝」すら忘れてしまってる。

正宮の方面から強烈な陽射しと
なぞの蒼く輝く発光体。
アタシは人気の少ないこの場所で
手を合わせながらボーッと立ち
命の充電をさせて頂きました。

余談なんですがね、伊勢神宮って
「おみくじ」が無いんです。
大昔ってもちろん車もなけりゃ
電車もありませんよね。
だから、みんな徒歩で全国から
伊勢神宮を目指して来てたんです。
そりゃあもう大変な事でもって
庶民にとってはね
一生に一度のお伊勢参り。
そんな事からか、怪我もせず
無事に伊勢神宮に参拝すること自体が
「大吉」なんですよね。
参拝した人、全員が大吉なんです。
確定で大吉って嬉しいですよね。
ちなみに伊勢神宮では
お賽銭箱もありません。
伊勢神宮では天皇以外の人々が
神に捧げ物する事自体
禁止されているんです。
なるほど、おもしろいですよね。
こうしてアタシの初詣
お伊勢さん参りは
無事に終わったんです。
あるんですよねぇ
こういうことって。


