『八甲田山』(1977)拝見「天は我々を見放した」by北大路欣也様 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

「見放したか」と言われても天も困る?

森谷司郎監督作品、新田次郎原作、芥川也寸志音楽

 

 

高倉健様、北大路欣也様、丹波哲郎様、大滝秀治様、藤岡琢也様、前田吟様、

緒形拳様、三國連太郎様、加藤嘉様、浜村純様、神山繁様、小林桂樹様、

森田健作様、加山雄三様、栗原小巻様、加賀まりこ様、菅井きん様、秋吉久美子様他

 

 

1902年(明治35年)に青森に駐屯していた歩兵第5連隊が

雪中行軍の演習中に遭難し、演習に参加した210名中199名が死亡した事件

(八甲田雪中行軍遭難事件)を題材に、

極限状態での組織と人間のあり方を問いかけた作品である。

(Wikipediaより引用)

 

 

みどり、最近山岳事故のYouTube解説動画をよく拝見してます。

引きこもりで運動嫌い、絶対に登山なぞ無理なのに。

しかし、そのサイトは、丁寧な解説でどこでどうなった、

こういう点が危険、という論理的な話に納得してしまうんです。

で、雪山の遭難事故の話も勿論色々扱われてる。

あくまで現代化した装備があっての話で、

八甲田雪中行軍とは話が違う。違うからこそ無謀さがよく解る。

 

 

 

確かにね、ロシアと戦争になることを念頭にの訓練というと、

積雪での進軍は第一ポイントでしょう。

 

 

そして、登山経験・知識がない人の考えることは無謀な時も。

軍隊は上から言われたことは、言いたいことがあっても飲み込むしかない。

 

 

 

 

この事故の話は、ドキュメンタリー等でかなり拝見してて、

余りに多くの兵隊さんの「無駄死」の残酷さに二の足踏んで、

映画、ずっと拝見しないで今に至っておりました。

 

 

 

 

 

 

現地の山をよく知る農民たちの言うことを聞かなかった。

軍人さん達から見れば、精神が違う、とかプライドもあるでしょう・・・

温まれるように手配してくれていた好意も、

演習だから極寒でも耐えられなくては意味がない?と拒否。

 

 

体力が大切な時に、寝ると死ぬので眠りもしないまま立ったまま。

軍人の意地、男の意地、それが八甲田山行軍という印象も。

根性では解決しないことはいくらでもあるんですよ。

 

 

いよいよ追い詰められた時に、女性の案内人に頼るくらいなら、

初めから案内人なしでは危険と進言した、村長の言葉を聞け!

 

 

嗚呼、でもこれって現代人だから思う事なのか?

でも、部下を殆ど皆殺しに・・・しかも戦地ではなく・・・

この残酷さは、今も亡霊が出ると言われても仕方ない。

しかし、戦争というものの愚かさ、軍というものの暴挙。

 

 

 

 

 

それを、昭和の名優の皆さま男性大人数ご出演で、

しかも殆どの場面、ロケで見せて下さいます。

今ならCGですね。まだこの映画制作時は「戦後」でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

本作、反戦?雪山の現実?ニンゲンの傲慢さと悲劇?テーマは・・・

ヤバい人がとても素敵だったお若い緒形拳様。

ここでは、その笑顔が一瞬の輝きでした。

『二百三高地』『砂の器』の皆さま大集合?

仲代達也様いらっしゃらないけど。