思いやり、冷静さ、忍耐・・・
J・A・バヨナ監督作品、スペイン・アメリカ・ウルグアイ・チリ
エンゾ・ヴォグリンシク様、アグスティン・パルデッラ様、マティアス・レカルト様、
エステバン・ビリャルディ様、ディエゴ・ベゲッツィ様、
フェルナンド・コンティヒアニ・ガルシア様、エステバン・ククリスカ様他
1972年。ラグビー選手団を乗せてチリへ向かっていたチャーター機の
ウルグアイ空軍機571便が、アンデス山脈中心部の氷河に墜落した。
乗客45名のうち生存者は29名。
想像を絶する過酷な環境のなかに取り残された彼らは、
生き延びるために究極の手段を取らざるを得ない状況に追い込まれていく。
事故機に搭乗していたラグビー選手団が所属するウルグアイの
ステラ・マリス学園に通っていた作家パブロ・ビエルチが
事故から36年後に発表した著書を原作に、
極限状態に置かれた人々の恐怖と葛藤、
生への渇望と強い絆を描き出す。(映画.comより引用)
いや、結構長く引用してしまいました。
私がグダグダ書くよりきっちりはっきりすると思って。
今年、YouTubeで、登山遭難事故に関する解説の動画(山岳遭難ファイル)を、
かなり拝見していました。自分が全く知らない世界なので、
山というものを、色々な視点から教えてくれていた気がします。
しかし、この事故は登山とはまた違う。
10月、ラグビー試合の為と観戦の為にチャーターされた双発ターボプロップ機が、
雪山に衝突、バラバラに。その地点で、死亡12人、行方不明5人、生存28人。
12月下旬、雪の解け始めを待って、下山を志願した三名が出発。
一名は既に追っていた傷の悪化で戻らざるを得なくなるが、二人が成功。
16名が救助される結果となった。↓ 実際の写真。
激しい事故にもかかわらず、落下したのとは違うせいか、生存者が多かった。
救助隊の捜索がもっと長く行われていれば?
そこら辺のことは、素人なのでよくわかりませんが、
やはり、初期に発見されていれさえしたら、生存出来た人は多かった筈。
スポーツで心身を鍛え、また、団結力があったということが、
それでも、16名の生還に繋がったのでしょう。性格は国民性もある?
団結する以前に分裂するということも充分あり得る。
ドキュメンタリーではなく、映画でしたから、そのままのインタビュー等はなし。
映画で拝見する限り、かなり冷静な判断力と結束が精神力の維持に繋がったかと。
食料がなくなったあとどうするか、宗教・心の問題。
悩みに悩んだ結果。そして、死にゆく者は「自分を食べていい」と言い残す。
初めは怪我をしていても元気さがあった仲間が亡くなっていくことも受け入れるしかない。
選手団が通っていたのと同じ学校を卒業した作家が原作となった書籍を発表したのが、
36年の後のこと。生き残った方々がその時のことを語り、
書籍として発表されるまで、それだけの年月が必要だったこと、当然と思います。
生きる為に、望まないことをしなくてはいけないことがある。
それを関係ない人が責めることは容易かもしれない。
同じ状況を経験したわけではないのだから。
でも、批判する人は、自分がその状況に置かれていたらをリアルに考える必要がある。
ご遺体の首にかかった十字架を、ひとつひとつ自分の首に移す青年の心。
それは、行為の一つ一つを背負い、亡くなった人たちを想い続ける行為?
思うところ多い作品でした。
生き残ったのは若い男性ばかりでした。やはり、女性には無理な状況ですね。
そう。初めに書いたYouTubeの話。
救助を求めて二人がとるコース。初め、まず尾根を目指し、コースを決める。
山で遭難した時の基本が、尾根を目指せ沢に降りるな、だそうです。
ひきこもりみどりが絶対に行くはずのない登山に関する動画。
思わぬところで、やはりそうなんだ!と納得しました。