『ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼-(Amen.)』(2002) | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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原題がやるせなく胸にしみる

コスタ=ガヴラス監督作品、フランス・ドイツ・ルーマニア・アメリカ合衆国

原作 戯曲『神の代理人』(1963)

 

 

ウルリッヒ・トゥクル様、マチュー・カソヴィッツ様、ミシェル・デュショーソワ様、

ウルリッヒ・ミューエ様、マーセル・ユーレス様、フリードリッヒ・フォン・サン様他

 

 

親衛隊中尉である衛生技師クルト・ゲルシュタインが知ったユダヤ人等の惨殺。

彼からの情報をもとに、何とかヴァチカンを動かそうと尽力する神父リッカルド・フォンタナ。

実話をもとにした、第二次世界大戦時の、

無為に苦しみながら、良心の苦悩に行動を続ける二人を中心に描かれる。

 

 

 

英語が用いられていた為、また、アメリカが敗戦国のことを描いた映画かと思いましたが、

アメリカも参加した、ヨーロッパの三国との共同製作映画でした。

 

 

 

戦時下、これは正しくないことだと、世に訴えようとした人たちが居た。

危険を冒して、ユダヤ人抹殺に関する資料を持ち出す親衛隊員。

 

 

 

キリスト教の巨大組織の中で、ナチスに対しての反対を、

声明してもらおうと奔走する神父。

 

 

 

何一つかなわないことへの無力感。

『Amen.』という原題が辛く、切なく、苦しく心に迫る作品。

どんな戦争においても、こういう人達も存在する。

けれど、個人の力では、それを成果に結びつけるのは困難で、危険。

 

 

 

 

 

それでも、諦めないで行動する人が存在することに、

「良心」「価値観」等の存在を、諦めることなく信じたいです。

世界でも戦争が続いている今、それが継続していること、

忘れてはいけないと、心から思います。

 

 

叶っていて当然だったことが、突然失われる行為。

 

クルト・ゲルシュタイン

 

 

彼はスウェーデンの外交官や、ローマ教皇ピウス12世に近いカトリック教会の人々と接触し、

ホロコーストの事実を国際社会に知らせようと試みた。

 

 

 

1945年にはホロコーストに関するいわゆるゲルシュタイン報告を書いた。その後自殺した。

1965年1月20日、バーデン・ヴュルテンベルク州首相クルト・ゲオルク・キージンガーによって、

ゲルシュタインの有罪判決は取り消され、ゲルシュタインは名誉回復された。

 

 

 

(Wikipedia)

 

リカルド・フォンタナ神父

 

 

Googleだけで、容易には調べられませんでした。

 

 

 

 

パートター・マクシミリアン・コルベ捕虜、

ベルリンの聖ヘドヴィッヒ大聖堂のベルンハルト・リヒテンベルク主任司教

 

 

 

 

(ダッハウへの搬送中に死亡)、

といった、複数の方がモデルとなってらっしゃるようです。