『Dance with a Stranger(ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー)』(1985) | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

 

タイトルはヒロインが愛した曲から

 

マイク・ニューウェル監督作品、イギリス、102分

ミランダ・リチャードソン様、ルパート・エヴェレット様、イアン・ホルム様

マシュー・キャロル様、ジョアンヌ・ウォーリー様

1955年、英国絞首刑を執行された最後の女性、ルース・エリスの事件を描いた作品。

英国。階級意識がはっきりした国、という印象があります。

 

 

そんな国で、売春も行っているナイト・クラブのママを、

アッパー・ミドル・クラス道楽息子が、本気で相手にする確率は極めて低いと思う。

 

 

実直求愛者が居るにも関わらず、バカボン血道をあげる・・・

 

 

愚かな女だけれど、ありがちな話だと思います。

 

 

ただ、前述したように、英国最後の絞首刑となった女性ということ、

クラブのママをしていたくらいで、美女であること、

殺人の後、あくまで毅然としていたらしいことなどが、

歴史の闇の中で忘れられず、語り継がれている原因のひとつなのかも。

 

 

 

若きルパート・エヴァレット様が、お見事に演じておられますこのバカボン。

デヴィッド・ブレイクリーの自己中、役立たず、見栄っ張り、女好き・・・

はっきり言っていいのは階級容姿遊びっぷりくらい?

 

 

 

 

 

夜の世界で働いていれば、男性を見る目も養われようというものですが、

そうは簡単にいかないのが、世の習い。

17歳で既婚のカナダ人兵士と関係し、出産したのを皮切りに?

付き合う男性は、DVだったり、アルコール依存症だったり、嫉妬深かったり・・・

駄メンにそもそも弱いタイプでらっしゃったんですね。いるいる、そういう女性。

 

 

男を追いかけてる時は、息子のことも忘れる。

映画も、初めっから不実なデヴィッドとルースの、腐れ縁物語

どっちかが切れようとすると相手が追いかけるの繰り返し。

 

 

ただね、ルースを演じるのがミランダ・リチャードソン様なんですわ。綺麗

 

 

脱色したブロンドをカールさせ、丁寧にお化粧されたルース姿は、

マリリン・モンロー様風。映画の初めの当たり、クラブでちらっと、

モンロー様の映画の曲が流れたような気もしました。

ただ、観終わって、彼女についての記述をいくらか拝読しても、

特に、モンロー様ファンだった、とかは書かれてなかったです。

 

 

 

デヴィッドの子供?を妊娠中に、腹部を蹴られて流産とか、

現在の裁判だったら、情状酌量の余地はある気がする・・・

 

 

嘆願書もかなり寄せられた事件だったようですが、何といっても本人が、

「わたしが彼を撃ったときわたしは彼を殺す意図であったことは、明白です」

と裁判で証言してる。デヴィッドの両親にも手紙を出しており、

これが、劇場版では、ラストにナレーションされていたのが、

DVDでは、カットされたようです。

 

 

 

「わたしはご子息を愛していましたし、ご子息をなおも愛しながら死にます」

・・・ですんで、こりゃもう、無理心中みたいなものかな?

みどり的には、リチャードソン様を堪能させて頂けた一本・・・でした。

 

 

 

 

 

 

 

現実のお写真。

常に同じく悲惨なのは、遺された身内

ルースの息子さんは、後年、自殺されておられます。