見事に決着
ビョルン・ルンゲ監督作品、スウェーデン・イギリス・アメリカ、100分
グレン・クローズ様、ジョナサン・プライス様、クリスチャン・スレーター様、ハリー・ロイド様、
マックス・アイアンズ様、アニー・スターク様、エリザベス・マクガヴァン様他
現代文学の巨匠、ジョセフの元に、遂にノーベル文学賞受賞の知らせが届く。
ベッドの上で二人で飛び跳ねて喜ぶ、ジョーンとジョセフ夫妻。
40年前は、大学で師弟関係にあった二人。才気あふれるジョーン。
ジョゼフは妻子があったが、ジョーンの元へ走ることに。
二人の間に生まれた、娘と息子も、今は大人。
出産間近の娘を残し、親子三人は、授賞式の為ストックホルムに向かう。
飛行機の中、話しかけてきたのは、ジャーナリストのナサニエル。
ジョセフの伝記を書きたいと申し出てくる彼は、ある疑問を抱いている。
新人時代のジョセフの作品より、学生時代にジョーンが書いたものが、
ジョセフが発表する作品に通じたものを感じるのだ。
それが、40年間、続けられてきた、
夫妻の秘密であり、一石が投じられたことが、二人の心を揺るがす。
女性作家がまだまだ認められていなかった頃。
結婚した夫の新作の初稿を読んだジョーンは、
発想はいいが、作品としてはまるで駄目だと判断し、夫婦喧嘩に。
しかし、それがきっかけとなって、実際はジョーンが執筆し、
ジョセフが主夫をしてきたのだった。
作家志望の息子も、ナサニエルの話に動揺する。
自分が認めてほしいのに、いつも無視されてきた父は、
実は書いてはいなかった？
ずっと陰の存在だったジョーンも、妻に書かせているジョセフも、
抑えてきた気持ちが膨れ上がってきて軋みが生じる。
そして、授与式の後のスピーチでジョセフが妻への感謝を述べる。
それがきっかけで、ジョーンはセレモニーを中座し、
ホテルへ帰ろうとする。追うジョセフ。
「離婚」という言葉まで出る言い争いの始まり。
ホテルでは、お互いが心の中に秘めていたもののぶつけ合いが。
そして、「ええっ！？」というラストになだれ込むんですが、
思っていたことを正直に言い合えた夫妻にとって、
このラストは、最もハッピーエンドかも？と思うオチ？でした。
夫婦の幸せは夫婦それぞれってことで。
帰りの飛行機も同じだったナサニエルに、
もしも書いたら訴えると釘を刺し、息子には帰ったら事実を話すという、
ジョーンの表情は、穏やかに見えました。
シュチエーションの割に、意外とぬくもりのある映画かも。
グレン・クローズ様、舞台に、ドラマに、お忙しい方ですけど、
やはり、映画にどんどんご出演頂きたいな。
クリスチャン・スレーター様のジャーナリスト役って、
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』を懐かしく思い出しちゃった。
でもって、ノーベル文学賞って、やっぱ「すごい作家」がもらうべきよね。
と、日本人の「何故受賞しない！」の意識レベルの低さも、感じた次第。
この件、最近、灰色の猫さまが書かれてらして、激しく同意したところだわ。
↓ グレン・クローズ様ご出演作、もう一本拝見
『The Great Gilly Hopkins（ギリーは幸せになる）』(2016)
スティーヴン・ヘレク監督作品、アメリカ、99分
ソフィー・ネリッセ様、キャシー・ベイツ様、グレン・クローズ様、
オクタヴィア・スペンサー様、ビル・コッブス様、ジュリア・スタイルズ様他
里子に行く先々で問題を起こしていた娘が、
キャシー・ベイツ様のお家に引き取られ、
紆余曲折を経ながら、家族として馴染み幸せに・・・
とは簡単にいかず、自分が蒔いた種で、
祖母が彼女の存在を知り、迎えに。
なんだかんだで、ハートウォーミングな一作。
きっつい性格のキャラをドラマで演じたりしながら、
こういう作品にご出演で、肩をほぐされるのか？
グレン・クローズ様？
それにしてもラストシーン、皆がテーブを囲む場面、
クローズ様＆キャシー・ベイツ様と同じフレームに入れるとは、
何と素晴らしい経験なんだ、子役たち、
・・・という印象が一番濃かった～。
主演の子、『やさしい本泥棒』等、順調な滑り出しの割に、
ご出演作が途切れたのは、大学進学とかかな？
また戻ってくるかな？？？