『Victoria & Abdul(ヴィクトリア女王 最期の秘密)』(2017) | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

長命、ヴィクトリア女王の孤独

 

スティーブン・フリアーズ監督作品、イギリス・アメリカ、112分

 

 

ジュディ・デンチ様、アリ・ファザル様、エディー・イザード様、アディール・アクタル様、

マイケル・ガンボン様、ティム・ピゴット=スミス様、オリヴィア・ウィリアムズ様他

1997年の『Queen Victoria 至上の恋』に続き、

ジュディ・デンチ様が、ヴィクトリア女王を演じられた作品。

 

 

女王の即位50年を祝い作られた、献上品の記念硬貨を捧げ持つ係として、

アブドゥル・カリムは、英国領インドから、英国へ向かうことになる。

 

 

 

宮殿で、無事記念硬貨を献上した後、女王の口づけたことがきっかけで、

女王に目をかけられ、従僕として仕えることになる。

 

 

 

人種問題、身分の問題、宗教問題等あれど、

孤独な女王は、彼によって癒される

彼に聞いて興味を持たれたマンゴーは、到着したら腐ってたけど。

 

 

二人きりの時の、生き生きした女王は、拝見していても嬉しい。

ヴィクトリア女王の崩御とともに、手紙、写真、彼の存在を示すものは、

全て破棄され、2010年、彼の日記が発見されたことで、

世に知られることとなった。

 

 

 

女王は、アブドゥルが英国に来る、26年前王配を、

3年前に、寵臣ジョン・ブラウン(秘密裏に結婚していたというのは事実っぽい)を、

亡くしており、権力の座を狙う子供たちとは折り合いが悪い孤独。

 

 

 

 

自分が女王であり、領地であるが、行ったこともないインドから来た、

治世とは関係ないアブドゥルによって癒されたのではないか。

 

 

称号差別されるなら、称号を与えると言った時は、

使用人全員辞めると言い出したり、女王は大変ですが。

 

 

 

 

そんなスタンスの映画でした。ジョン・ブラウンも確か、アブドゥルと同じく、

エドワード7世によって、資料となるものは廃棄されたそうな。

 

 

インド人であるアブドゥルに関しては、ブラウンよりもっと、

映画は、想像で創られているのではないでしょうか。

・・・と思ったら、お写真は結構ありました。

 

 

 

 

 

映画では、死の床においても、彼を呼ぶ女王の、

専制君主としての孤独が、深く印象に残りました。

 

 

 

それにしても、老いたれど目力衰えず、から、

目から生気が失われていく、臨終に向かうまでの、

ジュディ・デンチ様の演技の自然さに、もう、平伏であります。

 

 

至上の愛、拝見してからかなり年月が経ちました。

再見したいけれど、チャンスがない一本です。