キャプラ監督の「異国」
フランク・キャプラ監督作品、アメリカ、87分
バーバラ・スタンウィック様、ニルス・アスター様、トシア・モリ様、
ウォルター・コノリー様、ギャヴィン・ゴードン様、リチャード・ロー様他
『シーク』チャイナ版?・・・おお~、『シーク』にご出演された俳優さんも。
ルシアン・リトルフィールド様。
なんてったって、フランク・キャプラ監督作品ですんで、これまた豪華キャスト。
『特急二十世紀』『007/黄金銃を持つ男』『恋のページェント』『深夜の告白』
『フランケンシュタインの花嫁』『或る夜の出来事』『野生の蘭』『教授と美女』等々、
名作にご登場の俳優様方がずらり。
ハリウッドの異国情緒ものは「おいおい」な内容で当然。
でも、いかにもなセットや衣装など、意外と好きなんですよね。
白人女性が、野蛮人と思ってる有色人種を、以外にも素敵、という顛末も定番。
あ、内容、一行で済んじゃった。
『袁将軍の苦いお茶』というタイトルで公開されたこともあるんですね。直訳。
本当に、哀しい苦いお茶、出てきます。
ファムファタルのイメージが強いバーバラ・スタンウィック様、
ここでは結婚を目前とした信心深いクリスチャンで、人助けが大好き。
熱血カップルは、結婚式を延期しても、戦禍の中孤児たちを救いに。
流石、キャプラ監督で、市街戦のむごたらしさも容赦なく描かれてます。
その混乱の中、婚約者とはぐれ、気絶した彼女は将軍に助けられる。
気が付いたら軍用列車に乗せられ、そのまま監禁状態に。
将軍の愛人?の中国人役にトシア・モリ様。
京都生まれの方なんですね!「イチオカ トシエ」様がご本名。
10歳でアメリカに移住。18歳にはご結婚されてらっしゃる。
本作では、実は将軍をスパイしていて、目立つ助演です。
角度によって、浅丘ルリ子様のようでもあり、黒柳徹子様にも似てらっしゃるような?
キャプラ監督というと、みどり、大好きな『失はれた地平線』も。
シャングリラを舞台に、精神的なシャングリラとは?が描かれてました。
ここでも、冒頭の「彼が死んだらどうするの」
「死ねば幸せさ、生きていくのは幸せなことじゃない」に始り、味わい深い台詞色々。
将軍のミステリアスな容貌と思想が、
西洋人=キリスト教な思考と水と油ながら、ヒロインに浸潤してゆく。
しか~し、『ナイト・マネージャー』とちょっと似てる?な気もする本作。
どんどん魅力を放っていく悪役?将軍に対し、
女性陣、なかなか『非常のライセンス』でありました。
コミカルな演出有り、美術の美しさ有り。
リアリストの将軍の財政顧問の最後の台詞がキャプラ監督~。
「イェンは言っていた。“1時間にも人生がある””一杯の酒にも”
ギャンブルにも強かった。よく言ってたよ“私は絶対負けない”って。
なのに、土地、軍隊、命まで失ってしまった。
だが、本当は全部夢かもしれない。
やはり君は結婚するかも。
人は死なないとイェンは言っていた。姿が変わるだけだと。
サクラの木が好きだった。今頃はサクラかな。
もしかしたら風になって、帆や君の髪を揺らしているかも。
バカな話だ、酔ったかな。
もし私が死んだら、イェンのいる所へ行きたい。きっと君もそこにいる」
やはり好きです、この世界。
おまけ:将軍役、ニルス・アスター様。
将軍メイクオフ。