『The Bitter Tea of General Yen(風雲のチャイナ)』(1933)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
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キャプラ監督の「異国」

 

フランク・キャプラ監督作品、アメリカ、87分

 

 

 

 

バーバラ・スタンウィック様、ニルス・アスター様、トシア・モリ様

ウォルター・コノリー様、ギャヴィン・ゴードン様、リチャード・ロー様他

『シーク』チャイナ版?・・・おお~、『シーク』にご出演された俳優さんも。

ルシアン・リトルフィールド様

 

 

なんてったって、フランク・キャプラ監督作品ですんで、これまた豪華キャスト

『特急二十世紀』『007/黄金銃を持つ男』『恋のページェント』『深夜の告白』

『フランケンシュタインの花嫁』『或る夜の出来事』『野生の蘭』『教授と美女』等々、

名作にご登場の俳優様方がずらり。

ハリウッド異国情緒ものは「おいおい」な内容で当然

 

 

 

でも、いかにもなセットや衣装など、意外と好きなんですよね。

白人女性が、野蛮人と思ってる有色人種を、以外にも素敵、という顛末定番

 

 

あ、内容一行で済んじゃった。

『袁将軍の苦いお茶』というタイトルで公開されたこともあるんですね。直訳。

本当に、哀しい苦いお茶、出てきます。

 

 

ファムファタルのイメージが強いバーバラ・スタンウィック様、

ここでは結婚を目前とした信心深いクリスチャンで、人助けが大好き。

熱血カップルは、結婚式延期しても、戦禍の中孤児たちを救いに

流石、キャプラ監督で、市街戦のむごたらしさも容赦なく描かれてます。

 

 

 

 

 

その混乱の中、婚約者とはぐれ、気絶した彼女は将軍に助けられる。

 

 

 

気が付いたら軍用列車に乗せられ、そのまま監禁状態に。

 

 

 

 

 

将軍の愛人?の中国人役にトシア・モリ様。

京都生まれの方なんですね!「イチオカ トシエ」様がご本名。

10歳でアメリカに移住。18歳にはご結婚されてらっしゃる。

本作では、実は将軍をスパイしていて、目立つ助演です。

角度によって、浅丘ルリ子様のようでもあり、黒柳徹子様にも似てらっしゃるような?

 

 

 

キャプラ監督というと、みどり、大好きな『失はれた地平線』も。

シャングリラを舞台に、精神的なシャングリラとは?が描かれてました。

 

 

ここでも、冒頭の「彼が死んだらどうするの」

「死ねば幸せさ、生きていくのは幸せなことじゃない」に始り、味わい深い台詞色々。

 

 

将軍のミステリアスな容貌思想が、

西洋人=キリスト教思考水と油ながら、ヒロインに浸潤してゆく。

 

 

 

 

しか~し、『ナイト・マネージャー』とちょっと似てる?な気もする本作。

 

 

どんどん魅力を放っていく悪役?将軍に対し、

女性陣、なかなか『非常のライセンス』でありました。

 

 

 

コミカル演出有り、美術美しさ有り。

リアリストの将軍の財政顧問の最後の台詞がキャプラ監督~。

 

 

「イェンは言っていた。“1時間にも人生がある””一杯の酒にも”

ギャンブルにも強かった。よく言ってたよ“私は絶対負けない”って。

なのに、土地、軍隊、命まで失ってしまった。

 

 

 

だが、本当は全部夢かもしれない。

やはり君は結婚するかも。

人は死なないとイェンは言っていた。姿が変わるだけだと。

サクラの木が好きだった。今頃はサクラかな。

もしかしたら風になって、帆や君の髪を揺らしているかも。

バカな話だ、酔ったかな。

もし私が死んだら、イェンのいる所へ行きたい。きっと君もそこにいる」

 

 

やはり好きです、この世界。

 

おまけ:将軍役、ニルス・アスター様。

 

 

将軍メイクオフ。