確かに禁じておいた方がいい「森」でした
ジョン・ヒューストン監督作品、アメリカ、108分
エリザベス・テイラー様、マーロン・ブランド様、ブライアン・キース様、
ジュリー・ハリス様、ゾロ・デイビット様、ロバート・フォスター様他
ハリウッド、何でもありだと思いますが、ブランド様の演じられた役、
始めはモンゴメリー・クリフト様をリズ様が望まれたそうで。
水から油へ方向転換?なキャスティング。
リズ様、テネシー・ウィリアムズ様作品に続けて出られたり、
いきなり方向転換した作品に出られたり、
女優さんとして、チャレンジ精神あるなあ~と思ってたら、
すべて、会社が「次はこれ」ってのを演じてらしたみたい。
自伝を拝読して驚きました。
純粋培養、ハリウッド職業女優様でらっしゃるんですね。
今はもう、絶対に出現しないタイプのスターでしょう。
ジョージア州の森深き中にある、陸軍の宿舎。
リズ様×ブランド様ご夫妻は、寝室も別、愛情は冷え切っている。
・・・というか、ブランド様は、女性に興味がないことが暗に示される。
リズ様、お隣に住む少佐と情事を重ねるが、
少佐は多少精神を病んでいる妻を愛しているし、リズ様も彼女が好き。
少佐と夫妻の三人で森に乗馬に出かけた所、
厩舎の世話もする兵卒が、全裸で馬に乗っている。
なんてったってマーロン・ブランド様ですんで、
「ゲイ」には見えにくいものの、天性のあの演技力。
純真なようないびつなような表情が、あの方で拝見した事がない表情で、
記憶に残ります。ひたすら、後をつけて、
彼が捨てた煙草の箱を大切にもって帰ったり。
愛せない妻、気になり、心惹かれる兵卒。
そして兵卒は、気の難しい白馬を見事に乗りこなす、
夫人に憧れを抱いている。
やがて彼は、深夜、こっそりと彼女の寝室に忍び込み始める。
うっとり見とれたり、置いてある下着などに頬ずりしたりしている。
逆に裸で馬に乗る兵卒が忘れられないブランド様は、
妻の愛馬に乗って、森に入るが、乗りこなせるわけもなく、
落馬、けがを負って、馬に感情をぶつけ、打ち据えて傷だらけにする。
↓ 撮影だとこうなる。
それを知った妻は、パーティーの最中、夫の顔を鞭で打ち据える。
お隣の病んでいる少佐の妻は、夫の浮気に苦しんでいる。
彼女に献身的に使える従僕は怪しげな孔雀の絵を描く。
夜の闇に隠れ、藪の中に立ち、お隣に入っていく人影。
兵卒の姿を夫と間違え、離婚宣言をしてしまったり。
夫がなだめて療養所に入れたら、病死してしまったり。
それが、少佐とリズ様の関係のバランスを崩したり。
挙句は、妻の寝室で兵卒を見つけてしまい、
思わず銃殺するマーロン・ブランド様。
もう、わやわやです。
この、テネシー・ウィリアムズ様か?な内容の映画を、
撮ったのがジョン・ヒューストン監督というから、
世の中色々なことがあるもんだ。
モンティ様、やるなら兵卒の役が一番合うかも?
ヒューストン監督が起用を拒んだそうで、紆余曲折を経て、
ブランド様を希望された。
流石に、ブランド様も、この奇妙に入り組んだ話へのご出演、
悩まれたそうです。陰気に秘められた同性愛に、
苦悩と共存する、無垢な青年のような表情など、複雑。
とにかく脚本を読んで・・・という話に、一気に読み上げ、
その後、雷雨の中を歩き回って、帰って来た時には、
出演を決めていたと、これまた映画のような話。
心もち、若さが残る、リズ様&ブランド様、
映画の検閲のせいでしょうけれど、曖昧に?表現された形が、
やるせない物語に、ぴったりでらっしゃいました。
さて久々に、明日から数日、映画でない記事を☆