2015年8月19日記事
2021年5月3日再掲
エリザベス女王からカトリーヌ・ドヌーヴ様へ・・・
ひとつのシーンの中に、幾つ名場面が含まれてるか。
ブニュエル監督、やってくださいましたわ。
えらい豪華な。次、どうすればいいんでしょう。
セヴリーヌの目に映る車椅子
「将軍たちの夜」等の脚色にも参加している作家、
Joseph Kessel(ジョゼフ・ケッセル)著「Belle de jour(昼顔)」を、
Catherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)様の冷たく暗い怪しさを描いて天下一品、
Luis Buñuel(ルイス・ブニュエル)監督が、1976年に映画化された作品
。
原作→映画の素晴らしさ。ドヌーヴ様の魅力を最大限引き出された素晴らしさ。
ブルジョワの、愛し愛された夫を持つ美女が、
夢想にふけっていた、被虐的な世界に、「昼顔」という名の高級娼婦に。
裏の顔を持つようになって、実際にのめり込んでいくことによって起きる悲劇。
やむに已まれぬ衝動には、予め、失われる時が用意されている。
戸惑いがある時と、決意した時の、
コート・サングラスの微妙な型・素材の違い!
と書くと、昼メロそのものですが、ブニュエル監督ですからねえ。
ねっちりと濃い~く、エロティックで残酷。
この作品、原作を先に新潮文庫で読んでいた・・・って、どういう中学生?
本好きが、本質なんて、解る訳もないのに、物語を追って読んでは陶酔する、
訳わかんない、お子ちゃまですね。
その文庫のカバーにあった写真が、始めの三枚を含んでいて、
映画に先行して、ずっしり、脳裏に刻まれちゃいました。
言わずと知れた、ドヌーヴ様の代表作の一作。
「SとM」はMが「こうして欲しい」と求める立場で、Sがそのようにサーヴィスする
・・・Mの方が、我儘なのであるって言う定義が見事に当てはまるおフランス映画。
これだけ有名な映画、今更、内容を書き連ねる必要などないと思いますんで、
強烈に印象に残った場面を。三つの「怖い」。一つはさっき書いた、「氷の微笑」。
「昼顔」という言葉自体に、昼間にご勤務なさる娼婦という意味があるんですね。
映画初っ端から、優しい夫が、自分を癒しい男たちに鞭打たせる場面を空想し、
客に加虐jされた後、ベッドでひんやりした微笑みを浮かべるセヴリーヌ。
あ~あ、チンピラ君を本気にさせて市もうたわ、奥さま~。
ご衣裳は勿論、Yves Saint-Laurent(イヴ・サン=ローラン)様。
ドヌーヴ様の美しさを引き出す、上質なエレガントさが映画を彩って。
同じ衣装が、奥様場面と昼顔場面で着こなされる、スリリングさ。
ドヌーヴ様、あの完璧なる美貌の割に、背中がぶ厚かったり、
整った裸身ではない・・・のが、また、整っているより現実的に美しい。怖い。
もう二番目は、自分の中でトラウマのように存在する場面で、これが一番かも。
医者である夫の職場を、セヴリーヌが尋ねる場面。
ふと、彼女の目につくのが、車いすの患者。
後に、「昼顔」に熱を挙げた客のチンピラが、夫を銃撃。車椅子の身にさせる。
ある意味、あからさまな予兆なのですが、これが、背筋をぞ~っとさせる怖さ。
日常で人の不幸を目にすると、自分の心によって、それは自分の物になる。
そんな風に感じたのが、すっかり「トラウマ」に。
そしてラストシーン。献身的に夫を介護するセヴリーヌの元を、
彼Michel Piccoli(ミシェル・ピコリ)様(適役過ぎる)が訪れ、夫に事実を告げる。
女を崇めつつ、拒否されていた、夫妻の知人、そして、セヴリーヌの秘密を知る人。
沈黙の中に心を閉ざした夫を前に、
セヴリーヌの耳には、夢で夫と乗っていた馬車の鈴の音が・・・
この馬車の音があああああ、怖かった。
「怖い」でも、勿論、ホラーの「怖い」じゃなくて、怖いから美しいというか、
美しいから怖いというか、とことん文学的な怖さでありました。
芸術という名を借りた「ヘンタ*さんいらっしゃい」?おフランスですけえ。
セヴリーヌの「昼の顔」は、確かに彼女に入れあげる不気味な歯の彼氏が、
夫襲撃したりするけど、セヴリーヌは「不倫」してたんじゃないものね。
心の奥底からたちのぼる欲望を、昼に咲かせていた「昼顔」。
あくまで、自分に忠実なる、ぶっちぎりマイペース、おフランスマダムのお話でした。
『O嬢の物語り』にしても、望んだのは彼氏にしても、結局Oが欲してますし~。
「愛があって、恵まれてるだけじゃ駄目なの」byセヴリーヌ様?
2006年に、ミシェル・ピコリ様は同じ役柄を演じられ、
「Belle toujours(夜顔)」という続編が、マノエル・ド・オリヴェイラ監督によって、
創られ・・・そこでもマイペースだった。
しかし、う~ん・・・ドヌーヴ様以外、セヴリーヌは考えられないな。
クラリスはジョディ・フォスター様ってのと、同じくらいの比重のみどりです。
一昨年、軽い脳卒中?でお倒れになられたと聞いて以来、
お姿を拝見することがなく、
東の果てからご心配申し上げておりました。
おフランス在住のブロ友様に、
様子が解ったらお知らせをとお願いしておりましたら、
あ~ららららら、テレビコマーシャルにご出演されてらした。
↓ こんなんじゃなくて、メルカリ?みたいなの!
↓ これこれ!
ホンマ、根っからのワーカホリックのドヌーヴ様でありました。
情報有難うございます!これ、日本に居たのでは目に入らないわあ。
Catherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)様の止まらない成熟止まらないで!
こちらの記事はお姉さまドルレアック様とのお写真も多いです。
ブニュエル監督のおフランス、
『昼顔』以外は、BOXあり。