絢爛豪華にミステリアスで隠微
「Le Fantôme de L'Opèra(オペラ座の座の怪人)」
1920年、発表作品。
ルルー様の作品、どの作品も、タイトルのセンスが素敵。
![時は止まる君は美しい](https://stat.ameba.jp/user_images/20130525/20/irusutyuu/a2/60/p/t02200344_0455071112552000900.png?caw=800)
![時は止まる君は美しい](https://stat.ameba.jp/user_images/20130528/17/irusutyuu/90/de/j/t02200144_0397026012555605155.jpg?caw=800)
それに先立つ1908年発表。
「Le Mystère de la chambre jaune(黄色い部屋の謎)」
今に至るまで、密室殺人ミステリーの古典的名作。
↓ は1930年の映画化から。
↓こちらは2003年版。
ロマンティックで幻想・怪奇でありながら、
どこかコミカルとも言えるような軽妙さをも併せ持つ、
ルルー様の空気を、画像で伝えるのに成功していそうに、
数枚のお写真からは感じます。
この作品、日本では、1930年に邦訳されてます。
かの「新青年」誌1937年2月号に於ける、海外探偵小説十傑では、
江戸川乱歩様、甲賀三郎様が1位に挙げられ、集計でも1位の人気。
この後、主人公ジョセフ・ルールタビーユ物がシリーズ化、
1920年代、金剛社から「ルレタビーユ叢書」として翻訳出版も。
江戸川乱歩先生が影響を受けられたというのが、
とっても納得できるのが、のっけ、主人公が登場するのが、
猟奇殺人で発見されてなかった片足を、新聞社に届けるところ。
それだけでも、乱歩先生好み?
1909年「Le Parfum de la dame en noir
(黒衣夫人の香り)」はシリーズ2作目。
続けて読まないと、意味不明な点あり。
↓ は1949年映画化作品から。
部分的に、動画で拝見したら、アールデコ調のセットが、
なかなか豪華で、このぽっちゃりしたおじさまのお芝居が、
エスプリが効いてて可愛かったです。
1949年版には、ミシェル・ピコリ様もご出演されておられる由。
↓ こちらは2005年版の映画化から。
ちょっとお手軽そうな印象のスナップ群ですが、
この、黒眼鏡、いっせい振り向きショット、なかなか。
やはり、退廃的でいながら、コミカル。お洒落だなあ。
↓ の2枚は、イメージ写真?確かに「黒衣夫人」。
乱歩先生の時代とは変わり、現在、ルルー様の翻訳作品で、
簡単に手に入るのは、上記3作品と、代表的短編を集めた、
創元文庫「「ガストン・ルルーの恐怖夜話」の4冊くらいでは?
純粋に推理小説と言うより、怪奇小説の要素が強く、
また、SF、ファンタジー、歴史小説、政治小説もお書きですので、
一定ジャンルとしてのファン層が付きにくいのかな。
さて、こちらが御本人。Gaston Leroux (ガストン・ルルー)様
1868年5月6日~1927年4月15日、享年58歳。
作家であると同時に、法律家でもいらっしゃいます。
私好みの、ぽっちゃりした、楽しそうなお方。
そのまま、フランス推理映画にご登場になりそう。
何とっ「ガストン・ルルー様とパリ・オペラ座」!
ルルー様が、実際にお耳にされた都市伝説から、
インスピレーションを得、書きあげられたという「オペラ座の怪人」
とても映像化なんて無理じゃないかと思われる、
現実の建築を舞台とした、破天荒なドラマ。
1925年、ルパート・ジュリアン監督による作品が、
原作に忠実な内容を映像化していて驚きました。
原作を先に読んでしまっていると、ルルー様の「オペラ座の怪人」、
あの長い小説を、原作の空気を崩すことなく脚本化されてすごい。
あの映画は、ファントム(エリック)役、
Lon Chaney, Sr.(ロン・チェイニー)様。
あのお方ありてこそ、成り立った後世に残る一本。
1883年4月1日~1930年8月26日、享年47歳
ベラ・ルゴシ、ボリス・カーロフと共に「戦前の三大怪奇スター」!
時代がトーキーへと向かう中、ドラキュラ作品へのご出演も、
決まっていらしての、癌でのご死去。
その後の怪奇ブームの中、伝説のスターとなられました。
ルパート・ジュリアン監督、なんと、この仮面舞踏会シーン、
2色カラーで撮影されたそうです。
カラーフィルムが高価過ぎた為、殆どがモノクロのみでの公開で、
現在、DVDでも、カラー版がはいったものは、
日本では発売されていないとか。
ここのあたりに、実家で探し出した本から、
抜粋を載せさせて頂く予定でしたが、移動中に本紛失?
ごめんなさい、ルルー様!
さすが「千の顔を持つ男(MAN OF A THOUSAND FACES)」
↓ 普通にされてらっしゃると、意外なほど普通のハンサムさん。
しかし、特殊メイクが、多種多様なキャラクターへ変身させつつ、
きぐるみ状態ではなく、お顔が感情を現わしているのがすごい。
おまけ:オペラ座断面図と、イラスト、映画から観光写真まで、