第百四十一夜・ルチアーノ・パヴァロッティ様 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

「キング・オブ・ハイC」


ルチアーノ・パヴァロッティ様

1935年10月12日~2007年9月6日早すぎるご逝去。

驚異的な高音を持つテノールにして、

軽やかさ、強い響きをもあわせもつ、

音楽の神に祝福された声の持ち主。

どうも、「ハイC」っていうと、商標を思い出しますが、

もちろん音域を現わす「ハイC」。


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私、クラッシック、聴くのは好きだけど、

全く詳しくありません。なので、パヴァロッティ様、

ミーハーに「三大テノール」が入門でした。


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何度聴いても、有難み三倍の物凄さ。

燕尾服に弱いし、皆さん好きだけど、ぽっちゃり・・・っていうか、

どすこい好きの私には、パヴァロッティ様が直球。


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この、「巻きもの(ストールとかスカーフとか)フェチ」もたまりません。

中尾彬様じゃ駄目なの。この、巻物のチョイスが好き。


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うん、クラッシック界の「キング・オブ・巻物」だ。


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3大テノールのコンサートの日本公演が「手抜き」と言われた時、

エッセイで、客席の人達の服装がまるで普段着な人が多く、

服装とは、聴かせて貰うことへの感謝や敬意を現わすので、

そんな聴衆では、やる気をなくさせても仕方ないと、

書いておられた方がいらっしゃいました。けだし名言。

「仕事の後だから」でも、ストールひとつ、アクセサリーひとつを、

プラスするだけで、出来る限りのフォーマルに変えることが出来るのに、

そういう意識が割と低い国かもしれない。日本。


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以前、ドキュメンタリー番組で、お父さまと写ってらっしゃいましたが、

そのお父さまが、パン焼き職人であるとともに、

アマチュアのテノール歌手で、歌好き家族でごきげんって感じでした。

環境としても、理想的にお育ちだったんですね。


時は止まる君は美しい   おちびさん時代


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うんうん、食べっぷりも豪快。

イタリアの、この、パスタをどーんと盛り付けたのを、

がんがん取り分けて食べる風景、

すごく美味しそう。チーズもばっさばっさすりおろすし。


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かくして、美声にふさわしい、どすこい体型の出来上がり。


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聴衆を前に、いつも完璧な「パヴァロッティ」様ですが、

完璧である為に、そうできない時は、

「キャンセルの王様」でらしたそうで。

シカゴのリリックオペラでは、8年の間に41回の公演のうち、

何とも、26回をキャンセル!半分以上!

「激怒した同オペラの支配人から、

1989年に終身出入り禁止を言い渡された」

って、そうでしょう、そりゃあ。


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野外コンサートにも積極的でらして、1993年の、

セントラル・パークでは、50万人、

同年のエッフェル塔前では30万人もの聴衆。

・・・って、それだけの人数が入れるスペースがあるってのも、

すごいなあと思います。確かに、どんな片隅でも、聴きたい。

写真は3大テノールの時の?と思いますが、

あのコンサートも野外の印象が強いです。

のびやかなお声に、天井のない自然がぴったり。


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ダイアナ妃とも交流がおありで、

追悼式典での歌唱をオファーされた際、

悲し過ぎて唄えないと、断られたといいます。

お人柄を感じさせるお話しと感じました。


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本当に、おしゃれにも「完全主義」が感じられますわ。


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それほどの生き方、「キャンセルの王様」が、

2006年のトリノオリンピックの開会式で、

「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を、

オリンピック委員会の招待を何度も断りながら、

最終的に、録音でと、口パクを承認され、

それが人生最後のステージになった。

「口パク」ってだいたい解りますよね。

世界中が騙された?それこそ完璧な口パク。

自分を求める聴衆への、最後のサーヴィスも、

パーフェクトなお方・・・


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合わせて、オーケストラも録音だった、その指揮者、

レオーネ・マジエラ様が、

「オーケストラは、聴衆のために演奏する振りをしました。

私は指揮をする振りをしました。

また、ルチアーノは歌う振りをしました。

その効果は素晴らしかった」

と著書に書いておられます。

その壮絶なまでの、参加者全員の気迫が、

あれだけの感動を呼んだのでしょう。


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オリンピックでの「誰も寝てはならぬ」から、わずか7ヶ月後の死。

棺を向日葵で飾られた、パヴァロッティ様。


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10万人が集まった葬儀。国葬並みだったそうです。

フランスだったら国葬ですね、きっと。

時は止まる君は美しい


あなたの与えてくれる「至福」の歌声は永遠です。

今、きっと、どすこいな天使になられておられると信じます。