ウルトラ・シルバー鬼才監督
映画監督、演出家、脚本家、小説家。東京藝術大学名誉教授。
実相寺昭雄監督。(1937年3月29日~2006年11月29日)
映画を観て、解りやすいかというと、解りにくいわよって感じ。
藝大で教鞭をとってらっしゃったって・・・その映像はないのか?
頭がハラホレホヤホ~になりそう。
それでも「実相寺昭雄作品」とあると、ふらふら~っと、
寄って行ってしまう監督のお一人です。
達筆・・・その人が撮る映像を語るような文字。
何と、2004年の映画「いかレスラー」の題字も、
実相寺監督の手になるもの。
しかし、何と言っても、これですね。「ウルトラマン」。
「誰それ?」と言われたら、これを出せば「そうなんだあ。」となる。
さすがに観たのが小学校の頃、映像美まで意識してなかった。
どうやら、バルタン星人、先生の回の作品のようですが、
「これが実相寺監督の、という回を、ちゃんと意識して、
拝見していないのが残念です。写真見ただけでシュール!」
「モロボシ・ダン」が胡坐を組んで、宇宙人と話しあってるもの。
どうやら、ご本人もお気に入りのシーンらしく、こんな絵も。
いいなあ、いいなあ、これ、絵ハガキないかしら。
1971年、ATG「曼荼羅」
1972年、ATG「哥(うた)」
で、ATG三部作。未見です。はい。
若い時分に観たかった。今だったら、たぶん、頭が破裂。
1977年、「歌麿 夢と知りせば」
これは、何とか観ようという意思はあり、DVDが買ってある。
ものの・・・ビニール包装されたまま。
BOXで発売されていたのが、バラ売りになってて、
でも、高いから、悩みぬいて二本購入した一本。
BOXを買う勇気がなかった(財政がなかったとも言う)自分。
バカバカ。でも、今、機会がったら、御遺作を購入するかも。
もう一本がこれ。1983年日本テレビ「波の盆」
笠智衆先生主演ですから。
キャスリーン・バトルさまが「オンブラ・マイ・フ」を唄う、
印象的なサントリー・スーパーニッカのCMも、
実相寺監督のご演出。
写真がなかったのが残念なのは、まだ、超少女の頃の、
薬師丸ひろ子様がご出演の、資生堂のルージュのCMも。
かなり長い、「へ~、こういうの撮られてるんだ」な一本でした。
でもって、これ。1988年「帝都物語」
原作を読んでいなかったら、何のことやらわからない。たぶん。
でも、解らなくていい。それだけ、絢爛たる画面と、
役者さんに集中出来るから!?
原田美恵子様、人間離れした美しさ。
それにしても、幸田露伴先生の回で、たまたま発掘したお写真を、
使用させて頂きましたが、かなりヒットした映画なのに、
写真がない~!!!
この映画以来、嶋田久作さまLoveです。
根はひょうひょうとされたキャラて、全く「加藤」じゃない。
ああ、嶋田様に瞬間芸で「ふっ」っと加藤の顔、演って欲しい!
舞台との二重構成の作品で、もう、マイワールド全開。
実相寺組として、田村亮様、寺田農様、清水紘治様、東野英心様、
嶋田久作様、佐野史郎様や、岸田今日子様など、
錚々たる俳優さんが、よくご出演されてます。
俳優も小道具と同じ、といった、監督として完全主義的な面が、
俳優さん側とも、合う合わない、はっきりされるのだそうで。
それを言えば、日本文化の代表選手、小津安二郎監督だって、
監督の色で、俳優さんを染めてらっしゃいましたね。
しかし、描く世界が全く反対?
その両方をこなせる、キーパーソンは、笠智衆様か?
「実相寺地獄」という造語あり?素敵。
1992年「屋根裏の散歩者」
1998年「D坂の殺人事件」
リハーサル風景。
こちらは本編から。
大好きな俳優さんの一人、真田広之様がご主演。
う~ん、惜しむらくは、私の中では、さーな様と、
明智小五郎役の嶋田久作様、キャスティングイメージが反対。
そっちヴァージョンが観たい!!!
2005年のオムニバス映画「乱歩地獄」では、
「鏡地獄」をご担当。何と、未見。情けない。
2006年、この映画の監修もされてますね。
この振り幅が素敵。
あ、筒井康降先生。この原作、面白かったです。
原作ではビートルズが再結成とかしてた記憶。
振りは元に戻って、京極夏彦様原作作品。
2005年「姑獲鳥の夏」
実相寺監督でシリーズ化の予定だったのが、
監督のご逝去で、かなわなくなったとか。残念です。
夏目漱石様。何故か入り込みにくくて、拝読した作品が少ない。
その中の、2回は読んだ珍しい作品です。
御監督。関係ないけど、浅草、はなやしき大好き。
内容を調べたところ、1971年にTV放映された、
特撮変身ヒーロー番組を完全リニュアル。
舞台は現代から大正時代に変更。
主人公も男性からハーフの美少女と、シルバー假面に。
しかも、美少女の父が森鴎外様で母が「舞姫」のエリスって。
奇怪な宇宙人や怪人が帝都・東京に襲来し、カリガリ博士、
ロボットマリア、江戸川乱歩、大正浪漫、SFごちやまぜ…。
なのだそうです。観たいじゃないですか!!!
殆どのお作にご出演されてらっしゃる、寺田農様もちろん御参加。
嶋田久作様が「帝都の怪人」役でないのは、少し残念。
フィルモグラフィーとしては「ユメ十夜」が最後になってますが、
発表経緯から、本当は、こちらが御遺作だそうです。
もしかしたら、このお写真は、監督が亡くなられた後なのか・・・
皆さまの面持ちが、どことなくおごそかでらっしゃいますので。
でも、きっと、実相寺監督ならではという素敵な作品で、
「よくわからないけど面白くて、実相寺タッチ」な一本でしょう。
おまけ:どうも、気になって探してみたら見つかりました。