「ギルダ」を演じた女(ひと)
いきなり、リタ・ヘイワース様が写ってない写真。
1994年、フランク・ダラボン監督作品「ショーシャンクの空に」
原作、スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」
言わずと知れた、名画。
冤罪で刑務所に入れられたティム・ロビンス様が、
独房の壁に張るのが、女優のポスター。
そのポスターの調達人がモーガン・フリーマン様。
いやあ、お二人ともまだお若い。
ティム・ロビンス様の、真面目な感じが、ジャストいい感じで、
役にハマってて、素晴らしかった。
ジャスト、同じピンナップが見つからないかな?と思ったんですけど、
探しているうちに解らなくなっちゃった。
上の写真がたぶん当たり?
下の一枚も、笑顔が似てます。
刑務所の中でも上映されていたのがこれ。
1946年、チャールズ・ヴィダー監督作品「ギルダ」
刑務所の上映室、興奮の嵐でしたよ。
そりゃ、当然でしょうねえ。
この手袋脱ぎは、洋服脱ぐより色っぽい。
リタ様がおっしゃったお言葉で、忘れられないのが、
「男は皆、(私を夜を過ごして)目が覚めたら、
隣にギルダがいると思っているのよ」
きっと、そうだったんでしょう・・・ギルダはそのくらい強烈だった。
逸話を拝読すると、ご本人も、あくまで「女」として、
見て欲しかったかたのようですけどね。
「フィルム・ノワール」という言葉が、限りなくぴったりだし。
でも、1941年、シドニー・ランフィールド監督作品「踊る結婚式」
では、フレッド・アステア様と、こんなに陽気に踊ってらっしゃる。
こんな写真(わんこの表情で、「嬉しい」のが解る)や、
こんなお写真を拝見すると、
「朝はさっぱりグレープフルーツジュースだわ」って感じもします。
女優というお仕事。
驚くくらい、色々なタイプの役をされる方もいらっしゃるし、
それぞれだと思いますが、星の数ほどいる「スター」志願者の中、
一作でも、代名詞となる映画に恵まれるのは、奇跡的。
でも、その「奇跡」を掴んだ人生が、
このお写真、モンロー様の無名時代のヌードのポーズと似てますね。
もしかして「元ネタ」?と思っちゃいました。
モンロー様もそうだけれど、「セックスシンボル」と言われた女優さんで、
それが最高にハッピーだった!と言われた方を、あまり知りません。
それだけを魅力とされてしまうと、加齢が人生の敵になってしまう?
このシーンのこの写真・・・と思い浮かべる程の映画に、
5回、ご結婚された、2回目の旦那様、オーソン・ウェルズ様の、
カラーのお写真も、もちろん沢山残っておられます。
でも、モノクロが好き。ノアールだわあ。
「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス様の独房のポスターも、
とっても真面目なティム・ロビンス様のキャラクターと、
セクシー美女のピンナップという組み合わせが素敵。
そいういうポスターを選んでいたのには訳があるって、
ラストで納得した、素敵な映画。
リタ・ヘイワース様ご自身は、40代からアルツハイマー病を患われ、
現代のように、あの病気自体が、世に認識されても居ない中、
様々な誤解・中傷も受け、ご苦悩されたそうです。
女優としても、セリフが覚えられず、酔っ払い扱いされたと。
かなりゴージャスな、多様な5人の夫を持ちながら、
その時代を支えた男性はいなかった。
パパラッチされたお写真は、哀しくむごいものでした。
それでも、やはり「ギルダ」は不滅。
刑務所のティム・ロビンス様を守ったのは「リタ・ヘイワース」。