巨匠登場の二連発
ブロンド美人収集、映画界一?
アルフレッド・ヒッチコック様監督作品、二本。
「任せなさい」byヒッチコック御大?
1940年「Rebecca(レベッカ)」
サー・ローレンス・オリヴィエ様扮する大金持ちに見初められ、
後妻に入り、えらい目にあう娘さんの役に、
Joan Fontaine(ジョーン・フォンティーン)様。
1917年10月22日~、現在95歳。
ダフネ・デュ・モーリア原作。
あちらのポスターでは、何だかレベッカが出てくるみたいですね。
レベッカは故人で、話でしか出て来ないんですよ。
しつこいほど「レベッカ」だあ。
チーム「レベッカ」
こっちの方が、より「レベッカ」らしい、チーム「レベッカ」か?
女中頭、ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン様)が中央。
他にどんな作品に出ていらしたか、とか、どうでもよくなる位の、
それにしても、印象に残る名前ですね、レベッカ。
舞台となる屋敷の「マンダレイ」もだし、脳裏に刻まれるネーミング。
原作者の言葉のセンスの良さに脱帽。
気の乗らない仕事してた「わたし」の前に、白馬の王子登場。
大富豪のマキシム(サー・ローレンス・オリヴィエさま)と電撃婚。
前年、ヨット事故で前妻レベッカを亡くしたマキシムは、
控え目な「わたし」にとっても優しい。
屋敷を取り仕切るのは、レベッカづきの使用人だった、
狂信的なレベッカ崇拝者なんで「わたし」に好意的な訳ない。
いやもう、このダンヴァース夫人(フローレンス・ベイツ様)の迫力。
彼女が語る「レベッカ様」の話で、次第に、レベッカの存在は、
「レベッカ様はああだった」「レベッカ様はこうだった」と、
生きているかのように迫って、「わたし」を追い詰める。
優しかった夫は、どんどん気難しくなっていくし「わたし」焦る。
ゴージャスで女主人にふさわしかったというレベッカを意識、
「わたし」、頑張るんだけど、頑張ったらマキシムは不機嫌に。
ダンヴァース夫人のはかりごとで、夫の逆鱗に触れる「わたし」。
で、これですよね、「レベっカ」というと、このシーン。
「飛び降りるだけよ、そうすれば楽になるわ。」
ヴァンダース・レベッカチーム、恐いよう。
レベッカが死亡した時乗っていたヨットが見つかり、
死亡事故に関して、色々な事が明らかになって行く。
「何もかも終わりだ」というマキシムと反対に、
「わたし」が自己を確立していき、遂にレベッカの過去が、
「わたし」に明かされる・・・そしてお話しはクライマックスへ・・・
気の毒なマキシムと、健気な「わたし」にはらはら・・・
なんだけど、やっぱり主役はマンダレイ屋敷とダンヴァース夫人?
そして「レベッカ」だな。
ジュディス・アンダーソン様がお亡くなりになった年は、
アカデミーのメモリアルでスタンディングオべレーションに。
サー・オリヴィエ、お会いする度に、「濃いな~」
って思うんですけど、この作品では、役柄のせいか、
割合と、薄め。と言っても、濃いけど。
原作も面白いです。
「わたし」のジョーン・フォンティーンさま、1917年、
何と、東京でお生れです。少女時代に3年間再び、
日本で暮らされたことも。聖心女学院に通った、
稀有なハリウッド女優さん。
「ジェーン・エア」(1943年、ロバート・スティーヴンソン監督作)
にもご出演で、演じられるキャラクターは、楚々としたイメージ多し。
いやいや、この微笑の美しくもうすら恐い所。
だいたいが、一般においても、おとなしそうな優しげな女性に限って、
実は気が強くて、したたかだったりする。
相当な逸話ががっつり残ってます。(後述)
パイっロットの免許もあり、ゴルフも得意、カジキ釣りが好き。
なかなか剛胆な面もおありです。そういうところはかっこいいですね。
オープントウのシューズを見ると、思い出すようになってしまった、
ニコール・キッドマン様・・・フォンティーン様、キッドマン様に、
「レベッカ」の翌年、1941年、ヒッチコック監督作品「断崖」。
これまた、結婚相手(ケーリー・グラント様)に、
不信感を募らせていく、資産家の妻の役どころ。
ヒロインは、夫に殺されるかどうかが焦点。
監督が構想した結末と、採用された結末が違うので、
どちらもありうる内容なだけに、
最後の最後まで、どうなるかわかりません。
グラント号第一号(二号・ヒュー様)、ゲイ疑惑あり。
どんな役でも、女優さんを引き立てます。
「シャレード」でのオードリー・ヘップバーンさましかり。
夫が妻殺害に使うと思われるのが、毒殺。
就寝前のミルクを運ぶ夫の手に、白いミルクが光ります。
確か、これ、ミルクの中に電球が入れてあって、
鮮明に白く写るように撮影された・・・んじゃなかったかな。
クライマックスはもちろん「断崖」で。
で、オスカー主演女優賞受賞。
この、さりげなく置かれたオスカー像とのショットもなかなか。
姉・オリビア・デ・ハビランド様に先んじてのオスカー。
さて、優しげな美女の怖いお話し。
「風と共に去りぬ」メラニー=オリビア様が、妹のオスカー受賞に、
「きいいいいい~っ」ってなったという、不仲で有名な姉妹。
と言っても、ツーショット写真はいくらかあるので、
仲が悪いというより、ライヴァル心が強い姉妹でらっしゃった?
公式な場で会ってしまっても、
口もきかない姉妹だったとまで書かれてたりするんで、
険悪な時期もおありだったんでしょうね。
「主演でなければ出ない」と言われたとか、
「スカーレットだ駄目ならメラニーを、と希望したのに、
姉にメラニー役をとられて、自殺まで考えた」と書いてあったり。
どちらにしても、「風と共に去りぬ」ではもめた模様。
しかしねえ、この美人姉妹、私はお姉ちゃんがとっても怖い。
「女相続人」(1949年)「ふるえて眠れ」(1964年)とかが、
物凄く自然に見える。(かたくなな役や悪女の役)
だから、メラニーを拝見すると「すごい~、お芝居がお上手なんだわ」
等と、不埒な事を思っちゃったりします。
↑ 1949年、ウィリアム・ワイラー監督作品「女相続人」
原作「ねじの回転」や「鳩の翼」のヘンリー・ジェイムズ。
哀しい?お話です。
うう~ん、妹の下に写真を載せたりしたら、呪われそう。
ちなみに、ハビランド様も、96歳。パリで御存命です。
2003年には、アカデミー賞授与式にもご登場。
どちらも「負けたくない」で、
ますますのご長寿をお祈りしております。