第五十四夜・ジョーン・フォンティーン様 | 時は止まる君は美しい

時は止まる君は美しい

巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

巨匠登場の二連発


ブロンド美人収集、映画界一?

アルフレッド・ヒッチコック様監督作品、二本。


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「任せなさい」byヒッチコック御大?


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1940年「Rebecca(レベッカ)」

サー・ローレンス・オリヴィエ様扮する大金持ちに見初められ、

後妻に入り、えらい目にあう娘さんの役に、

Joan Fontaine(ジョーン・フォンティーン)様。

1917年10月22日~、現在95歳。


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ダフネ・デュ・モーリア原作。

あちらのポスターでは、何だかレベッカが出てくるみたいですね。

レベッカは故人で、話でしか出て来ないんですよ。


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しつこいほど「レベッカ」だあ。


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チーム「レベッカ」

こっちの方が、より「レベッカ」らしい、チーム「レベッカ」か?

女中頭、ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン様)が中央。

他にどんな作品に出ていらしたか、とか、どうでもよくなる位の、

ぴったりな役どころ。

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それにしても、印象に残る名前ですね、レベッカ。

舞台となる屋敷の「マンダレイ」もだし、脳裏に刻まれるネーミング。

原作者の言葉のセンスの良さに脱帽。


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気の乗らない仕事してた「わたし」の前に、白馬の王子登場。

大富豪のマキシム(サー・ローレンス・オリヴィエさま)と電撃婚。

前年、ヨット事故で前妻レベッカを亡くしたマキシムは、

控え目な「わたし」にとっても優しい。

そして、イギリスのマキシムの大邸宅マンダレイへ・・・

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屋敷を取り仕切るのは、レベッカづきの使用人だった、

ダンヴァース夫人。

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狂信的なレベッカ崇拝者なんで「わたし」に好意的な訳ない。

いやもう、このダンヴァース夫人(フローレンス・ベイツ様)の迫力。


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彼女が語る「レベッカ様」の話で、次第に、レベッカの存在は、

「レベッカ様はああだった」「レベッカ様はこうだった」と、

生きているかのように迫って、「わたし」を追い詰める。


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優しかった夫は、どんどん気難しくなっていくし「わたし」焦る。


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ゴージャスで女主人にふさわしかったというレベッカを意識、

「わたし」、頑張るんだけど、頑張ったらマキシムは不機嫌に。

ダンヴァース夫人のはかりごとで、夫の逆鱗に触れる「わたし」。


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で、これですよね、「レベっカ」というと、このシーン。

「飛び降りるだけよ、そうすれば楽になるわ。」

ヴァンダース・レベッカチーム、恐いよう。


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レベッカが死亡した時乗っていたヨットが見つかり、

死亡事故に関して、色々な事が明らかになって行く。


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「何もかも終わりだ」というマキシムと反対に、

「わたし」が自己を確立していき、遂にレベッカの過去が、

「わたし」に明かされる・・・そしてお話しはクライマックスへ・・・


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気の毒なマキシムと、健気な「わたし」にはらはら・・・

なんだけど、やっぱり主役はマンダレイ屋敷とダンヴァース夫人?

そして「レベッカ」だな。

ジュディス・アンダーソン様がお亡くなりになった年は、

アカデミーのメモリアルでスタンディングオべレーションに。


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サー・オリヴィエ、お会いする度に、「濃いな~」

って思うんですけど、この作品では、役柄のせいか、

割合と、薄め。と言っても、濃いけど。


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原作も面白いです。


「わたし」のジョーン・フォンティーンさま、1917年、

何と、東京でお生れです。少女時代に3年間再び、

日本で暮らされたことも。聖心女学院に通った、

稀有なハリウッド女優さん。


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「ジェーン・エア」(1943年、ロバート・スティーヴンソン監督作)

にもご出演で、演じられるキャラクターは、楚々としたイメージ多し。


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いやいや、この微笑の美しくもうすら恐い所。

だいたいが、一般においても、おとなしそうな優しげな女性に限って、

実は気が強くて、したたかだったりする。

相当な逸話ががっつり残ってます。(後述)


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パイっロットの免許もあり、ゴルフも得意、カジキ釣りが好き。

なかなか剛胆な面もおありです。そういうところはかっこいいですね。  


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オープントウのシューズを見ると、思い出すようになってしまった、

ニコール・キッドマン様・・・フォンティーン様、キッドマン様に、

素敵なオープントウの履きこなしを教えてあげて下さい。

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「レベッカ」の翌年、1941年、ヒッチコック監督作品「断崖」。


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これまた、結婚相手(ケーリー・グラント様)に、

不信感を募らせていく、資産家の妻の役どころ。

ヒロインは、夫に殺されるかどうかが焦点。


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監督が構想した結末と、採用された結末が違うので、

どちらもありうる内容なだけに、

最後の最後まで、どうなるかわかりません。


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グラント号第一号(二号・ヒュー様)、ゲイ疑惑あり。

どんな役でも、女優さんを引き立てます。

「シャレード」でのオードリー・ヘップバーンさましかり。


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夫が妻殺害に使うと思われるのが、毒殺。

就寝前のミルクを運ぶ夫の手に、白いミルクが光ります。

確か、これ、ミルクの中に電球が入れてあって、

鮮明に白く写るように撮影された・・・んじゃなかったかな。


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クライマックスはもちろん「断崖」で。


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で、オスカー主演女優賞受賞。

この、さりげなく置かれたオスカー像とのショットもなかなか。

姉・オリビア・デ・ハビランド様に先んじてのオスカー。


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さて、優しげな美女の怖いお話し。

「風と共に去りぬ」メラニー=オリビア様が、妹のオスカー受賞に、

「きいいいいい~っ」ってなったという、不仲で有名な姉妹。  


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と言っても、ツーショット写真はいくらかあるので、

仲が悪いというより、ライヴァル心が強い姉妹でらっしゃった?


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公式な場で会ってしまっても、

口もきかない姉妹だったとまで書かれてたりするんで、

険悪な時期もおありだったんでしょうね。  


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「風と共に去りぬ」の女優選びに参戦。

「主演でなければ出ない」と言われたとか、

「スカーレットだ駄目ならメラニーを、と希望したのに、

姉にメラニー役をとられて、自殺まで考えた」と書いてあったり。

どちらにしても、「風と共に去りぬ」ではもめた模様。  


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しかしねえ、この美人姉妹、私はお姉ちゃんがとっても怖い。

「女相続人」(1949年)「ふるえて眠れ」(1964年)とかが、

物凄く自然に見える。(かたくなな役や悪女の役)

だから、メラニーを拝見すると「すごい~、お芝居がお上手なんだわ」

等と、不埒な事を思っちゃったりします。


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↑ 1949年、ウィリアム・ワイラー監督作品「女相続人」

原作「ねじの回転」や「鳩の翼」のヘンリー・ジェイムズ。

哀しい?お話です。


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うう~ん、妹の下に写真を載せたりしたら、呪われそう。

ちなみに、ハビランド様も、96歳。パリで御存命です。

2003年には、アカデミー賞授与式にもご登場。

どちらも「負けたくない」で、

ますますのご長寿をお祈りしております。