ベーシストのPIERRE-STEPHANE MICHEL(生年不詳、フランス)をリーダーとするピアノトリオの第3作目で、今回はレーベルがATELIER SAWANOからSKETCHへ変わっています。前の2作品は持っていないのですが、ピアノがJEAN-PIERRE COMO(生年不詳、フランス)に代わったということで前々から本作には興味津々でした。というのもJEAN-PIERRE COMOが他の人の作品でピアノトリオを演奏するのは珍しいからなんです。
COMOの一番最近のリーダー作2枚には大好きなANDRE CECCARELLI(ds)が参加しているということもありますが、COMOがイタリア人の両親を持つフランス人だからなのかどうなのか、そこはかとなくメランコリックで郷愁をさそう、古いイタリアの映画音楽のような独特の趣のある曲を書き、演奏も素晴らしいのでけっこう好きなんですね。本作の録音はそのANDRE CECCARELLI参加の2枚、STORIA...(Naive, 2001)やSCENARIO(Naive, 2004)が録音されたのと同じSTUDIO 26なのに気がつきました。
リーダー作以外では、COMOは1980年代にSIXUNというジャズフュージョンのバンドを結成して曲も書いており、9枚(?)のアルバムをリリース。さらに今年、結成20周年を記念するCDとDVDの2枚組がリリースされたとのことですが、SIXUNの演奏は聴いたことがないのです。と、なんだかJEAN-PIERRE COMOのことばかり書いてしまいました(笑)
さて、本作は全10曲(プラス隠しトラック1曲)のうちPIERRE-STEPHANE MICHELのオリジナルが9曲、スタンダードが2曲で、オリジナル曲はとてもよく書けていると思います。4ビート主体で、いかにもヨーロッパのピアノトリオらしく端正でリリカルな味わい。しかも各人の演奏がなかなかに素晴らしく引き締まっていて緊張感が保たれており軟弱さはありません。ベーシストがリーダーなので曲ごとにベースソロが展開されますが、なかなかよく歌っていますし、ソロが長すぎると感じることもありませんでした。
1曲目のCHAPO-BASを聴いたとたん、JEAN-PIERRE COMOのピアノにはENRICO PIERANUNZIが乗り移っているのかと思ってしまいましたが(...なわけないって)、アドリブソロでいつもの唸り声が聞えてきたのて安心しました(^▽^;) PIERRE-STEPHANE MICHELのベースは安定していますし、ソロもよく歌っています。
で、このトリオ、思っていた以上に素晴らしい演奏だなぁとちょっぴりわくわくしつつ、3拍子系のリリカルムードの曲がアドリブに入ってだんだんと熱を帯び、テーマが出てきてもまだ終わらず、さらに盛り上がってきたところで「いいぞ、いいぞ!」と思いながら聴いていたら、なんと! >┼○ バタッ ...。(←力が抜けて椅子から転げ落ちるの図)途中でフェイドアウトって...(笑)
本作一番のお気に入りは2曲目、I'OCCITANE。テーマが面白くて思わず身を乗り出しました。高速4ビートで飛ばすJEAN-PIERRE COMOのソロ、PIERRE-STEPHANE MICHELのベースソロも◎。息の合った演奏が素晴らしく、短いけれど聴き応えのある1曲です。
4曲目のSTELLA MARISは、ちょっぴり甘く切ないフレーズを繰り返すテーマが美しいですね。そのせいか、出だしのCOMOのピアノにはGIOVANNI MIRABASSIが乗り移っているのかと思ってしまいました(だからちゃうって!)。中間部のソロでJEAN-PIERRE COMOが唸り声を上げてハイテンションになるところなども素晴らしく、メリハリの効いた演奏になっています。が、しかーし!こんなにええ曲やのに、またまたフェイドアウトやなんて...。
6曲目のRAYON VERTは、哀愁漂うロマンティックで美しいメロディのテーマですが、これをアップテンポの4ビートでスピード感のある演奏にしているところが良いですね。
10曲目の14 QUAI DE LA QUARANTAINEでようやく、ピアノのズチャーチャ、ズチャーチャのリズムが聴けてなんとなく安心したりして(笑)が、これに続く隠しトラックのSOMEDAY MY PRINCE WILL COMEもフェイドアウトで終わってしまうのだ(ちょっと多過ぎないか?)。
初めて聴いたPIERRE-STEPHANE MICHELですが、この人とても綺麗な曲を書く人だなあと思いました。演奏に驚きや派手さはないけれど、堅実なサポート振りとよく歌うソロがなかなか素晴らしいです。ドラムのFREDERIC DELESTRE(1971年、フランス生まれ)も初めて聴きましたが、オーソドックスながらもオカズがこちらのツボにはまるときが何度かあり、好感が持てる演奏だと思いました。
本作で曲を書いているのがリーダーのPIERRE-STEPHANE MICHELですから当然といえば当然なのですが、本作ではJEAN-PIERRE COMOの印象がいつもと少々違いますね。彼のよそ行きの顔を初めて見てしまったような気がするというか。でも、そういったよそ行きの顔をしているのもテーマの部分だけで、アドリブになると本性が露になってくるような気がして面白かったです。
COMOの一番最近のリーダー作2枚には大好きなANDRE CECCARELLI(ds)が参加しているということもありますが、COMOがイタリア人の両親を持つフランス人だからなのかどうなのか、そこはかとなくメランコリックで郷愁をさそう、古いイタリアの映画音楽のような独特の趣のある曲を書き、演奏も素晴らしいのでけっこう好きなんですね。本作の録音はそのANDRE CECCARELLI参加の2枚、STORIA...(Naive, 2001)やSCENARIO(Naive, 2004)が録音されたのと同じSTUDIO 26なのに気がつきました。
リーダー作以外では、COMOは1980年代にSIXUNというジャズフュージョンのバンドを結成して曲も書いており、9枚(?)のアルバムをリリース。さらに今年、結成20周年を記念するCDとDVDの2枚組がリリースされたとのことですが、SIXUNの演奏は聴いたことがないのです。と、なんだかJEAN-PIERRE COMOのことばかり書いてしまいました(笑)
さて、本作は全10曲(プラス隠しトラック1曲)のうちPIERRE-STEPHANE MICHELのオリジナルが9曲、スタンダードが2曲で、オリジナル曲はとてもよく書けていると思います。4ビート主体で、いかにもヨーロッパのピアノトリオらしく端正でリリカルな味わい。しかも各人の演奏がなかなかに素晴らしく引き締まっていて緊張感が保たれており軟弱さはありません。ベーシストがリーダーなので曲ごとにベースソロが展開されますが、なかなかよく歌っていますし、ソロが長すぎると感じることもありませんでした。
1曲目のCHAPO-BASを聴いたとたん、JEAN-PIERRE COMOのピアノにはENRICO PIERANUNZIが乗り移っているのかと思ってしまいましたが(...なわけないって)、アドリブソロでいつもの唸り声が聞えてきたのて安心しました(^▽^;) PIERRE-STEPHANE MICHELのベースは安定していますし、ソロもよく歌っています。
で、このトリオ、思っていた以上に素晴らしい演奏だなぁとちょっぴりわくわくしつつ、3拍子系のリリカルムードの曲がアドリブに入ってだんだんと熱を帯び、テーマが出てきてもまだ終わらず、さらに盛り上がってきたところで「いいぞ、いいぞ!」と思いながら聴いていたら、なんと! >┼○ バタッ ...。(←力が抜けて椅子から転げ落ちるの図)途中でフェイドアウトって...(笑)
本作一番のお気に入りは2曲目、I'OCCITANE。テーマが面白くて思わず身を乗り出しました。高速4ビートで飛ばすJEAN-PIERRE COMOのソロ、PIERRE-STEPHANE MICHELのベースソロも◎。息の合った演奏が素晴らしく、短いけれど聴き応えのある1曲です。
4曲目のSTELLA MARISは、ちょっぴり甘く切ないフレーズを繰り返すテーマが美しいですね。そのせいか、出だしのCOMOのピアノにはGIOVANNI MIRABASSIが乗り移っているのかと思ってしまいました(だからちゃうって!)。中間部のソロでJEAN-PIERRE COMOが唸り声を上げてハイテンションになるところなども素晴らしく、メリハリの効いた演奏になっています。が、しかーし!こんなにええ曲やのに、またまたフェイドアウトやなんて...。
6曲目のRAYON VERTは、哀愁漂うロマンティックで美しいメロディのテーマですが、これをアップテンポの4ビートでスピード感のある演奏にしているところが良いですね。
10曲目の14 QUAI DE LA QUARANTAINEでようやく、ピアノのズチャーチャ、ズチャーチャのリズムが聴けてなんとなく安心したりして(笑)が、これに続く隠しトラックのSOMEDAY MY PRINCE WILL COMEもフェイドアウトで終わってしまうのだ(ちょっと多過ぎないか?)。
初めて聴いたPIERRE-STEPHANE MICHELですが、この人とても綺麗な曲を書く人だなあと思いました。演奏に驚きや派手さはないけれど、堅実なサポート振りとよく歌うソロがなかなか素晴らしいです。ドラムのFREDERIC DELESTRE(1971年、フランス生まれ)も初めて聴きましたが、オーソドックスながらもオカズがこちらのツボにはまるときが何度かあり、好感が持てる演奏だと思いました。
本作で曲を書いているのがリーダーのPIERRE-STEPHANE MICHELですから当然といえば当然なのですが、本作ではJEAN-PIERRE COMOの印象がいつもと少々違いますね。彼のよそ行きの顔を初めて見てしまったような気がするというか。でも、そういったよそ行きの顔をしているのもテーマの部分だけで、アドリブになると本性が露になってくるような気がして面白かったです。
*オマケ(これはぜひ読みましょう!)
ふっふっふ...(* ̄ー ̄*) これを読んでいるアナタだけに教えてあげましょうね。実は今年の秋、フランスの“N”レーベルからJEAN-PIERRE COMOの新作が出るらしいのです!ドラムがANDRE CECCARELLIだったら嬉しいな~。詳細が分かり次第、「私的ジャズ情報」に書くことにいたします。
*どうでもいいオマケ
「唸るピアニストシリーズ」(←私が勝手に作った)ということで、今回もおさらいをしておきましょう。
1.「ユニゾってますね」的唸り声:ちゃんとピアノの演奏とユニゾンになっている唸り声。
2.「ご機嫌ですね」的唸り声 : 本人はきっとユニゾンのつもりだが、
実際にはぶら下がっていたり大きく音が外れている唸り声。
3.「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声 : ピアノの音とは全くかけ離れた、
悪夢にうなされているかのような唸り声。
4.「救急車呼びましょか!?」的唸り声 : 明らかに尋常ではなく、一刻を争う場合の唸り声。
JEAN-PIERRE COMOは第2段階の「ご機嫌ですね」的唸り声です。でもエキサイトしてくるとだんだんと第3段階の「もしもし、悪夢にうなされてますか?」的唸り声になってきますから、第2段階と第3段階の混合型かな?(;^_^A
■PIERRE-STEPHANE MICHEL / RAYON VERT (Sketch SKE 333048)
PIERRE-STEPHANE MICHEL (b)
JEAN-PIERRE COMO (p)
FREDERIC DELESTRE (ds)
入手先:キャットフィッシュレコード(通販)