怒号。
夫は不倫相手から届いた
「今日会えるのかな?」
というLINEの連絡を、
しばらく放置していたのだが…。
風呂に入り、夜11時を回った頃
「ちょっと仕事に行ってくる」
と言って玄関に立った。
次男(当時小学1年生)と長女(当時2歳)
は、父親と離れたくなくて、
夫の足元にまとわりつく。
「行かなくちゃいけないんだよ!
お前たちがいると行けないだろっ」
幼い子どもたちを振り払い、
夫は激しく怒鳴った。
見たこともないような
怖い顔で。
聞いたこともないような
厳しい声で。
さっきまでの平和な空気が一変した。
穏やかな父親の姿は、もうない。
次男と長女は、恐怖に怯え
泣き始める。
「話、あるからね」
私は、玄関の扉に手をかけようとする夫へ
静かに伝えた。
「うん、わかってるよ」
夫も静かに返事をする。
「帰りはまた、夜中の3時くらい?」
私は、不倫相手の女と会う時
夫がいつも帰ってくる時間で聞いてみる。
「いや、3時にはならない。
1時には帰るよ」
帰宅したら必ず話し合うことを
私と約束して、夫は出かけて行った。
不倫相手の女に会に行く夫を
黙って見送る妻の気持ちが
誰にわかるだろう。
妻が知っていることを薄々感じながら
堂々と不倫相手に会いにいく夫は、
一体どんな気持ちなのか。
お土産の入った大きな袋を抱えながら
玄関の外へと出ていく夫の後ろ姿が
辛くて、悲しくて、やりきれなかった。
我慢しよう…。
我慢しよう…。
もう少し…。
もう少し…。
身を反らして狂ったように泣く
次男と長女を両腕に抱えながら、
私は自分の体が小刻みに震えているのを感じた。
「行かないで」
夫に対して一番言いたいその言葉だけが、
怖くて口にできなかった…。
(つづく)
夫の恋を許せますか…?
この本の問いかけに、私はNOと答えます。
様々な事例と、不倫で傷ついた「あなたへ」という
メッセージやアドバイスが書かれています。
私はこの本を何度も読みました!
9つの実例と共にそれぞれ獲得できた慰謝料や
弁護士費用なども書かれていてとても役に立ちました。
よもやよもやだよ…まったく