約束。
約束の深夜1時を過ぎても、
夫は帰ってこなかった。
2時を回り、
私は夫にLINEを送る。
「やっぱり3時過ぎるくらいかな?」
また、この時間を出して訊ねてみた。
不倫相手の女と会うときの帰宅は、
いつも3時を過ぎていたから。
「3時には帰ります」
すぐに夫から返信があった。
私が送ったLINEを、
不倫相手と一緒に見たのだろうか。
2人で私を馬鹿にして、
笑いながらこの返信を打ったのだろうか。
もう、どうでもよかった。
半ば呆れながら、
私もすぐにメッセージを返す。
「やっぱりそっか。了解」
やっぱりという言葉に、
精一杯の皮肉を込めた。
社員旅行のお土産を渡すだけじゃなく、
やっぱり性行為までしてるんだね…って。
鈍い夫が、そこまで感じとれるはずも
なかったのだけれど。
伝わってほしいという気持ちも、
私にはあった。
自分のスマホを握りしめ、夫婦の寝室で
私はただ夫の帰りを待つしかなかった。
家を建てたときに買ったクイーンサイズの
ベッドは、いつも右側だけ凍えるほど冷たい。
この日、夫には私と約束した深夜1時に
帰宅する意思があった。
不倫相手の女と会った
ファミリーレストランを
1時前には出ているのだ。
そのまま帰宅しようとした夫を、
不倫相手の女は引き留めた。
「えっちしないの?」
2人はそのまま、
いつものTバスターミナル駐車場へと向かい
夫が乗って行った社名が大きく貼り付けられ
ている社用車の中で、性行為をしていたのだ。
(つづく)
不倫に直面したとき、どう動いたらいいか?から
慰謝料請求や裁判まで元離婚弁護士の方がわかりやすく
教えてくれています。もちろん大事な判例もアリ!
慰謝料の請求を考え始めてから私はひたすら判例を
読み漁りました。どんな不倫がどんな判断をされている
のか。何がポイントとなって、幾らの慰謝料が決まって
いるか。これらを頭に叩き込み、人生を賭けた勝負に挑んだのです。