PTAとカルト

※先に書いておきますが、私は「PTA＝カルト」とは思っていません。この記事でもそういう主張をするつもりはありません。私が言いたいのは「悪質なPTAにはカルトと共通する点がある」ということです。

また、ここで言う「PTA」は「悪質なPTA」を指します。どういうPTAが悪質なのかは後述しますが、悪質ではないPTAもあります。

悪質ではないPTAにカルトとの共通点はありません。

私がここに書くPTAについての話は90年代〜2010年代に見聞きしたものが中心です。時代や地域や学校によってPTAの実態は異なります。

PTAについてはしっかり調べた訳ではありません。

時間もないし、PTAを調べだすとストレスで体調崩すんで無理です。そういう訳でTwitterでもPTA関係の投稿は見ないようにしています。

前置きは以上です。

ここからは本題です。先程私は「悪質なPTA」と言いましたが、具体的にはこんな事をする（こんな特徴を持つ）PTAが悪質なんです。

子どもを学校に入学させた時点で、保護者の意思確認を取らずに自動的かつ強制的に（保護者を）PTAに入会させる
入学式や保護者会で役員決めをやらされ、役員が決まるまで（保護者を）家に帰さない。
ジャンケンで負けたら、保護者にどんな事情があれ強制的に役員をやらせる
「ポイント制」を実施する（PTAの仕事・作業にポイントを付ける。負荷が高い仕事・作業ほど高ポイントだが、子どもの卒業までに何ポイント貯めないといけないというルール。要するに活動の強制）
退会を希望したらPTA会長や校長に呼び出され、退会する条件として彼らとの面談を義務付けられる
PTA活動が忙しすぎて、育児や家事、仕事など日常生活に支障が出る（本来"子どもたちのための活動をする団体"であるため、我が子にすら向き合う時間が少なくなると本末転倒）
PTAは（同じ学校の）子供たちのために活動する団体であるのに、同じ学校の非会員の子どもたちには自分たちのサービスを受けさせない（例：登校班への参加を拒否する。PTAが卒業式で卒業生にプレゼントする胸のコサージュや紅白まんじゅうをプレゼントしない）

こういうPTAを「悪質なPTA」と呼んでいます。

特に重要なのは1です。PTAは任意団体なので加入の義務はありません。

また、保護者や教職員を強制的に加入させることもできません（実際には強制的に加入させていますので、人権侵害と違法行為がまかり通っています）。

そもそも保護者を強制的に加入させることができないので、2, 3, 4のように保護者に活動を強制させることも本来やってはいけません。

また、7のように会員の子どもにだけサービスをする団体は学校内で活動するのは不適切です。

もしかしたら私立だったら許されるのかもしれませんが、税金で成り立つ公立学校で活動するのは不適切です。

それと5ですが、今話題の統一教会でも退会希望者は教団の中間管理職的な人と面談を義務付けられます。この話をテレビで聴いたとき「まるでPTAだな…」って思いました。

次に「カルトとは何か」について。

「日本脱カルト協会」の「カルト問題Q&A」によると、カルトとはこのような団体です。（太字部分は私によります）

Ｑ１　カルトとはどういう団体なのですか？
カルトは人権侵害の組織です。組織に依存させて活動させるために、個人の自由を極端に制限します。つまり、全体主義的集団です。そして、①各メンバーの私生活を剥奪して、②集団活動に埋没させる。そして、③メンバーからの批判はもちろんのこと外部からの批判も封鎖し、④組織やリーダへの絶対服従を強いるといった特徴がみられますが、これらの特徴は表面的には隠されていますので、集団の外部から見ても区別がつかないことがふつうです。カルトは、こうした人権侵害の正体を隠すためにマインド・コントロールを用いることが多いです。

出典：「カルト問題Q&A」日本脱カルト協会

順に見ていきます。

①各メンバーの私生活をはく奪する

②集団活動に埋没させる

これらには「悪質なPTAの特徴」の1, 2, 3, 4, 6が当てはまります。

何年か前、中学生の投書が東京新聞に載りましたが

「母親がPTAの仕事が忙しくて夜遅く帰ってくる。疲れて料理もできない」という内容でした。

まさに①各メンバーの私生活の剥奪、です。

もちろん「悪質なPTA」もカルトほど私生活を剥奪はしないかもしれません。

しかし、たとえ月１回の仕事でも、保護者の意思確認をせず自動的、強制的に入会させ、「役員決まるまで帰しません」というハラスメントを行い、その結果役員をやらせているんです。

そういう経緯で役員になったら、月１回の仕事であっても「私生活の剥奪」なんです。

③メンバーからの批判はもちろんのこと外部からの批判も封鎖する。

要するに同調圧力ですよね。PTA非会員の母親がマイノリティである現状で、彼女達が他のママさんたちにPTAを自由に批判できるとは思えません。

PTA会員同士で愚痴ることもあるとは思いますが、上部団体に掛け合おうとか、PTA改革しようと行動できる人は少ないでしょう。

そもそもPTA会員も非会員も子ども達を人質に取られています。PTAを退会したら子ども達がいじめに遭うと思い悩み、退会できないお母様方は少なくありません。

子ども達を人質に取られてて自由に批判ができるお母様方は果たしてどれぐらいいらっしゃるでしょうか？

確か日Pという上部団体だったと思いますが、2010年代の朝日新聞のインタビューでひどいこと言ってたのは未だに覚えています。

「仕事や育児で忙しいからPTAできない？私だって忙しいんですよ。何とかして下さい」

とか

「PTA内でいじめがある？そんな事知りません」

まさに「外部からの批判を封鎖」しています。

④組織やリーダーへの絶対服従、も当てはまります。

「悪質なPTA」の特徴5もこれに該当します。

そもそも統一教会を退会しようとして中間管理職的な人と面談しても引き留められ説教されて終わりです。

それと同じでPTA退会希望者がPTA会長や校長との面談に出ても、（宗教的な意味はありませんが）引き留められて説教されて終わりです。

悪質なPTAと、日本脱カルト協会が説明する「カルトの特徴」は驚くほど共通します。

一方、フランスの「反セクト法」（セクトとはカルトの意味）による、「セクト（カルト）の定義」にも意外とあまり当てはまります。

【フランス“反セクト法”　危険性の判断基準】
（1）精神の不安定化を導く行為
（2）法外な金銭要求
（3）元の生活からの意図的な引き離し
（4）身体に対する危害
（5）子どもへの教えの強要
（6）反社会的な説教
（7）公共の秩序を乱す行為
（8）重大な訴訟問題
（9）通常の経済流通経路からの逸脱（高額な物品販売など）
（10）公権力への浸透の企て
出典：宗教団体を【反社会的勢力】と定義する法律はない！？続々と発覚…政治家と旧統一教会の繋がり「旧統一教会は選挙時にありがたい存在」TBS NEWS DIG