呉市立美術館へコレクション展「日本画の魅力」を観に行ったのですが、
ちょうど担当学芸員によるギャラリートークがあるというので参加しました。
最初は日本画で使われる絵具、岩絵具、膠の説明で、岩絵具の原料となる鉱物も展示されています。
これらの天然鉱物は貴重なので、現代は化学的に造られた新岩絵具が使われているとのこと。
岩絵具の特徴としては粒状であり、粒子の大きさによって色の濃さが変わるとのこと。
油絵具と違って重ね塗りが出来ないので自由が利かず、下絵を用意するなどして計画的に段階的に制作しないといけないようです。
この辺の面倒?が油絵より日本画を描く方が少ない理由かもしれませんね。
これらの天然鉱物は貴重なので、現代は化学的に造られた新岩絵具が使われているとのこと。
岩絵具の特徴としては粒状であり、粒子の大きさによって色の濃さが変わるとのこと。
油絵具と違って重ね塗りが出来ないので自由が利かず、下絵を用意するなどして計画的に段階的に制作しないといけないようです。
この辺の面倒?が油絵より日本画を描く方が少ない理由かもしれませんね。
実は実家の周りではこの色のある鉱物が採れていたのですが、現在は舗装の下で採取できません。
分かっていればいくつか採っておいたのですが、まあ、子供の頃ですからそこまで頭が回りませんでした。
緑色のが多かったかな?
分かっていればいくつか採っておいたのですが、まあ、子供の頃ですからそこまで頭が回りませんでした。
緑色のが多かったかな?
第一章は花鳥画。
私の好きな水谷愛子の《臥龍梅》(上の写真の絵)が展示されており、その小下絵、大下絵も並べてあります。
下絵は初めて拝見しました。
「ああ、こういう風に変わっていくのね。」と興味深く拝見しました。
下絵でも十分見ごたえのあるものですが、本画になると、余計なものが排されて魅力が増します。
この絵は樹木写真家?の私としては、樹木の表現として一つの頂点であると感じる作品です。
私の好きな水谷愛子の《臥龍梅》(上の写真の絵)が展示されており、その小下絵、大下絵も並べてあります。
下絵は初めて拝見しました。
「ああ、こういう風に変わっていくのね。」と興味深く拝見しました。
下絵でも十分見ごたえのあるものですが、本画になると、余計なものが排されて魅力が増します。
この絵は樹木写真家?の私としては、樹木の表現として一つの頂点であると感じる作品です。
第二章は人物画。
日本の人物画というと浮世絵などが思い浮かびますが、写実ではなく、デフォルメしたり理想化したアイコンとして描かれているとのこと。
特定の個人を描く肖像画には似絵(本人を前にして似せて描く)と頂相(ちんぞう 師弟の証として弟子へ付与される師の肖像)があったそうで、写実的な肖像画は江戸時代後期からだそうです。
ここでも水谷愛子の《おばあちゃんA》の存在感が大きく、日本画の特徴でもある「線」を活かしています。
日本の人物画というと浮世絵などが思い浮かびますが、写実ではなく、デフォルメしたり理想化したアイコンとして描かれているとのこと。
特定の個人を描く肖像画には似絵(本人を前にして似せて描く)と頂相(ちんぞう 師弟の証として弟子へ付与される師の肖像)があったそうで、写実的な肖像画は江戸時代後期からだそうです。
ここでも水谷愛子の《おばあちゃんA》の存在感が大きく、日本画の特徴でもある「線」を活かしています。
個人的には日本では自画像が明治時代以前に描かれていないことに興味があるのですが…どなたか答えをご存じですか?
自刻像はあるんですよ。でも、画家は自画像を描いていません。
日本における「個人」の存在が関係するのではないかと思っていますが…
自刻像はあるんですよ。でも、画家は自画像を描いていません。
日本における「個人」の存在が関係するのではないかと思っていますが…
第三章は山水画。
中国で発展したものが、禅宗とともに渡来。
自然を描いたものは日本人は好みますよね~私も山水画という狭い範囲はそうでもないのですが、風景画は好きなジャンルです。
中国で発展したものが、禅宗とともに渡来。
自然を描いたものは日本人は好みますよね~私も山水画という狭い範囲はそうでもないのですが、風景画は好きなジャンルです。
第四章は東洋画の伝統をつなぐ、ということで、野呂山芸術村に入村した中国人画家三人の作品が展示されています。
岩絵の具を使った技法は中国で発展したものですが、その伝統は途絶えてしまし、現代は中国人が日本に来てそれらを学んで再び母国へ技術を持ち帰っているんだそう。
中国人だからか、現代だからなのか、日本の日本画とは違うテイストで面白いです。
しかし、長~い歴史を持つ国なのに、その伝統をある特定思想によって途絶えさせる国って。。。特定思想が主流になってもいいけれど、それ以外を認めない偏狭さは文化を痩せ衰えさせることにつながると思うのですがね。
岩絵の具を使った技法は中国で発展したものですが、その伝統は途絶えてしまし、現代は中国人が日本に来てそれらを学んで再び母国へ技術を持ち帰っているんだそう。
中国人だからか、現代だからなのか、日本の日本画とは違うテイストで面白いです。
しかし、長~い歴史を持つ国なのに、その伝統をある特定思想によって途絶えさせる国って。。。特定思想が主流になってもいいけれど、それ以外を認めない偏狭さは文化を痩せ衰えさせることにつながると思うのですがね。
新収蔵作品では船田玉樹の二級峡を描いた作品群が!
ああ、いい作品を所蔵されましたね!
モノトーンの画面で構成され、滝のそれぞれの部分を切り取った作品たち。
ああ、こういう表現をするのか!
地元民としてはこれらの作品が地元の美術館に所蔵されたのは嬉しいです。
ああ、いい作品を所蔵されましたね!
モノトーンの画面で構成され、滝のそれぞれの部分を切り取った作品たち。
ああ、こういう表現をするのか!
地元民としてはこれらの作品が地元の美術館に所蔵されたのは嬉しいです。
第五章は仏教思想を背景に。
平山郁夫など、仏教に関連した作品たちが展示されています。
宗教的なものは日本では厭われているような気もしますが、宗教に関する作品は荘厳さが感じられて独特の魅力がありますね。
平山郁夫など、仏教に関連した作品たちが展示されています。
宗教的なものは日本では厭われているような気もしますが、宗教に関する作品は荘厳さが感じられて独特の魅力がありますね。
第六章は物語絵の系譜、ということで、物語を描いた作品。
個人的には山中雪人の作品が印象的でした。
こうの史代の《この世界の片隅に》のマンガ原画も展示されていますが、こちらも物語絵ですね。
線で表現された物語の絵。
マンガは日本画の系譜にあると言ってもいいのでしょうね。
個人的には山中雪人の作品が印象的でした。
こうの史代の《この世界の片隅に》のマンガ原画も展示されていますが、こちらも物語絵ですね。
線で表現された物語の絵。
マンガは日本画の系譜にあると言ってもいいのでしょうね。
コレクション展でのギャラリートークの参加は今回が初めてですが、とても詳しく説明され、さすがは専門の学芸員の方ですね。
現代美術館でのアートナビゲーターの説明も良いのですが、こちらは専門に研究されている学芸員の方なので、美術の文脈を踏まえた系統だった説明で興味深く聞きました。
50分の長丁場にはなりましたが、こういう興味をそそられるものはそう長くは感じないもの。いい勉強になりました。
次は9月21日だそうですので、興味のある方はどうぞ。
現代美術館でのアートナビゲーターの説明も良いのですが、こちらは専門に研究されている学芸員の方なので、美術の文脈を踏まえた系統だった説明で興味深く聞きました。
50分の長丁場にはなりましたが、こういう興味をそそられるものはそう長くは感じないもの。いい勉強になりました。
次は9月21日だそうですので、興味のある方はどうぞ。
しかし、呉市立美術館は地方の小さな美術館ですが、いいコレクションがありますね。
コレクション展レベルでも訪れる価値はありますよ。
コレクション展レベルでも訪れる価値はありますよ。
たった300円です。