天候が怪しくなるたび書いてる気がしますが(笑)
今回の台風がもたらす海(釣り)への影響は
どんな感じになるんでしょうか?
ここ一週間の水質変化グラフです。
(国土交通省サイトから引用)
先ずは水温。
13日頃から断続的に吹き出した北東の風で
表層がさらわれて一気に表層の水温が落ちましたね。
淀川河口沖付近では表層(0.7m)~下層(7.5m)まで
25℃(±2℃)と、全層で安定した水温域で
全層においてほぼチヌの最適温(22℃~25℃)です。
さて、この時期水温に変化が出ると同時に
気になるのが溶存酸素濃度、つまりは
【苦潮】か否かですね。
んー。 予想通り酸素濃度は下がって来てますね。
(※表層の青ブラフは表示されてません)
中~下層の酸素濃度が下がると低床生物に影響が出て
表層に浮いたりします。
この状況を見て釣り人は直ぐに『苦潮や』と言いますが
通常の大阪湾では底ほど酸素濃度は低い物で、
魚介の個体差で弱って浮いてしまう個体も多いです。
ただ、集団で浮いたりあちらこちらで弱った魚が多数浮くと
そのエリアは苦潮の可能性があるかも知れません。
さらに硫黄臭が感じられるとヒトにも有害な
硫化水素の発生も考えられ、台風一過、一番気になるところです。
ちなみに酸素の供給源は植物性プランクトンの光合成、
風などに因る波気など、いずれも下層ほど条件は悪いです。
苦潮のメカニズム的には・・・
① 夏、閉鎖的エリアに南西風が吹き続く。
この時表層の酸素濃度は高い(飽和に近い)
② 吹き寄せる風が続くと潮が上下に混ざり難くなり
結果として底潮が循環せず酸欠になりやすくなる。
③ そして突然逆の北東風が吹き続くと
表層の潮が沖に流され、底の酸素濃度の低い潮が
浮上して循環しだす。
こうなると壁面に近い魚介は酸欠状態に陥ります。
凹凸のある複雑な地形や掘削窪地の影響などで
苦潮の範囲や規模は局所的であったり
広域であったり様々ですが
大阪港湾は潜在的に苦潮になる条件は揃っています。
北港で苦潮になりやすいエリアは
水門~レーダー間、橋げた周辺などが多いですね。
「じゃ、秋や冬は北寄りがずっと吹くやんか?」
そうですね(笑)
陸から吹く風は常に表層の潮を沖に流す事になるので
波止際の潮は循環し易いと考えられます。
また、時期的に水温が低いので透明度も上がり
光合成が盛んになる事で酸素量も高温時よりは多いので
苦潮にはなり難い環境と考えられます。
さて、話は変わり・・・
魚の扱いですが、久しぶりに酷過ぎる光景を見ました。
無駄にストリンガーに繋いだ多数のチヌを船に持ち込み
長時間デッキ上の炎天下に晒した挙句海にポイ。
ありえへん行為を目の当たりにし、よほど注意しようかと思いましたが
もし口論・ケンカになるのもどうかと、今回は思い留まりました。
これ以外に YouTube なんかにも
「おいおいソレは無いで」と思わず言うてしまう動画もあるし。
厳しい環境で生きてる魚、誰のモノでも有りませんが
釣りする事自体魚にダメージを与える行為である以上
釣り人として釣魚には出来るだけダメージを減らしてやりたいと考えます。
具体的には焼けた地面に直置きする、
(日陰と日向では温度が全然違う)
魚を投げ捨てる、ラインブレイクする、
網に引っかかったヒレなどを無理やり揺すって逃がす
又は陸に上げる(つまりは骨折)
ストリンガーに数珠繋ぎする(酸欠の元)などなど、
こういう行為はチョッとした気遣いで軽減されるはずです。
こういったケアが出来るヒトって私は格好エエと思います。
格好エエと思うから実践して記事にしてます(笑)
どうせ逃がすなら出来るだけダメージ無く速やかに。
釣魚として大事にしてやりたいですね(^-^)