なぜ子どもたちは懐いてしまったのか。
いま考えれば簡単。
母親が連れてきた人間と
うまく付き合おうとする
生存のための反射だった。
懐いたら付き合うと言ってしまった以上
後戻りできなかった。
自分で言いだしたことだったが
想定外で戸惑ったのは間違いない。
いくらパチンコ屋とはいえ
上司と付き合うというのは
やはりちょっと変な感じだった。
だが人となりはとても良い人で
ＤＶのことも子どもたちのことも
彼は気にもしていない様子だった。
そして付き合って２週間ほどした時
「パチンコ屋じゃなく
ちゃんとした仕事に付こうと思ってる。
ここをやめて結婚しないか？」
そう言ってきた。
が、結婚とか全く考えていないし
ましてや北海道へ移住の話もしたはず。
付き合いはあくまで移住までの話。
再度、その話合いをした。
「今まで適当に過ごしてきたけど
これから明希と子どもたちを守るから。
お兄さんにも話しして
こっちで生活するようにお願いしに行く」
そう言いだした。
彼は良い人だけど、
自分がそこまで踏み込むことができない。
だが自分がそう強く思えたのも
そこまでだった。
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ＤＶ被害に合うということ。
それはちょっとした出来事で
麻痺した感情（感情があるようで
ない状態）が出たりすることが
あるということ。
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その時はそのことに気が付かず
彼がそこまでいうのなら･･･と
北海道の兄のところに
あいさつに行くことにした。
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