IR担当者のつぶやき -4ページ目

IR担当者のつぶやき

上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

2014年版 日経ヴェリタスの人気アナリストランキングです。

■日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2013年版)
 http://ameblo.jp/ir-man/entry-11729727100.html

日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2012年版)
 http://ameblo.jp/ir-man/entry-11468132244.html

■日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2011年版)
  http://ameblo.jp/ir-man/entry-11466982101.html

■日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2010年版)
  http://ameblo.jp/ir-man/entry-10753362557.html

■日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2009年版)
 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10229181789.html 


■日経ヴェリタス 人気アナリストランキング(2008年版)

 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10082661193.html 


■人気アナリストランキング発表さる(2007年版)

 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10028814641.html 


さっそくご紹介していきましょう。

【企業総合】

1.村木 正雄(証券・保険・その他金融) ドイツ証券(8→2→2→1)↑ 
2.渡辺 英克(医薬品・ヘルスケア) -みずほ証券(6→4→3→2)↑
3.山口 敦(鉄鋼・非鉄)  -UBS証券(1→2→3→1→1→3)↓
4.小場 啓司(小売~専門店・アパレル) -三菱UFJモルガン・スタンレー証券(13→5→4)↑
5.斎藤 克史(機械) -野村証券(11→4→1→3→4→5)↓
※順位推移の右端の数字は2014年の順位

上位ワン・ツーに変動あり。
村木氏、渡辺氏がそれぞれ1つずつ順位を上げ、ずっとトップだった山口氏が3位に後退。
また4・5位も順位逆転。
とはいっても、小場氏と斎藤氏の得点差はたった1点。本当に僅差です。

このあたり、業界として相場牽引役になっているかどうか、機関投資家などからの注目度が高い業界かどうか等も関係してそうな感じがします。

続いて、各セクター別です。

【産業用電子機器】
1.山崎雅也 野村証券(4→2→1→1→1→1)→ 4年連続
2.前川英之 クレディ・スイス(8→4→2→2→2→2)→ 4年連続
3.嶋田幸彦 SMBC日興(3→3→4→3→3→3)→
4.松橋郁夫 ゴールドマン・サックス(8→9→5→4)↑
5.安井健二 UBS(12→4→4→5)↓

上位3名は3~4年連続の鉄板です。
昨年5位の松橋氏が1つ順位を上げました。


【家電・AV機器】
1.片山栄一 メリルリンチ日本(1→1→2→1→1→1)→ 3年連続5回目
2.中根康夫 ドイツ(3→3→3→3→2→2)→ 2年連続
3.土屋俊祐 クレディ・スイス(9→4→4→4→3)↑
4.綾田純也 大和(11→4)↑
5.渡辺崇 ゴールドマン・サックス(6→5)↑

片山氏は特典も300点以上差をつけ、ぶっちぎりの磐石なランキングです。
圏外から綾田氏が突如ランクイン。2012年のデータを見てみましたが、当時はお名前も上がっていませんでした。


【電子部品】
1.佐渡拓実 大和(1→1→1→1→1→1)→ 6年連続 
2.秋月学 野村(4→4→3→3→2→2)→ 2年連続
3.渡辺洋治 SMBC日興(15→12→6→3)↑
4.板谷雅之 JPモルガン(9→8→5→4)↑
5.後藤文秀 みずほ(2→2→13→5)

佐渡氏は6年連続トップを守り続けています。
秋月氏も安定感抜群。
3位の渡辺氏は順調に順位を上げてきています。
5位の後藤氏は、手許データをつなぐと2013年に順位が急落したことになりますが、現在挽回中ということでしょうか。


【自動車】
1.桾本将隆 野村(12→5→3→1)↑
2.吉田達生 バークレイズ (3→1→1→1→2→2)→
3.野口正太郎 SMBC日興(4→3→4→4→4→3)↑
4.箱守英治 大和(7→5→8→4)↑
5.湯沢康太 ゴールドマン・サックス(7→2→2→3→5→5)→

1位の桾本(くぬぎもと)氏は順調に順位を上げて、ついにトップに立ちました。
2位の吉田氏は昨年三菱UFJモルスタでしたが、今年はバークレイズ所属になっています。
昨年1位の中西氏が全然ランクに入っておらず、どうしたかなーと思って検索してみると、「ナカニシ自動車産業リサーチ」というおそらくご自分の会社を設立されているようです。独立されたのでしょうか。


【自動車部品】昨年から自動車・部品を区分変更
1.松本邦裕 SMBC日興(1→1→1→1→1)→ 5年連続
2.坂牧史郎 大和CM(10→4→3→5→2)↑
3.坂口大陸 みずほ(12→10→7→3)↑
4.岩井徹 三菱UFJモルガン・スタンレー(6→8→3→4)↓
5.渡辺綾子 いちよし経済研究所(11→11→7→5)↑

1位の松本氏は2位の坂牧氏に400点余り大差をつけ、5年連続のトップです。
ただ、昨年までのUBSからSMBC日興に移られたようです。
昨年2位の吉田氏は8位に後退、3位の忍足氏は何と16位に転落と、波乱のセクターとなりました。何があったのでしょう。


【医薬品・ヘルスケア】
1.渡辺英克 みずほ(7→2→2→2→1)↑ ついにトップ
2.田中洋 みずほ(2→2→3→4→3→2)↑
3.山口秀丸 シティグループ(1→1→1→1→1→3)↓ 

4.関篤史 バークレイズ(11→3→4→4)→
5.中沢安弘 SMBC日興(8→7→6→5)

昨年トップの山口氏は9年連続のトップから3位に後退です。
昨年まで3年連続2位だった渡辺氏がついにトップの座を奪取しました。
そればかりか、2位の田中氏も同じみずほですから、きっと渡辺氏が教え込んだか、競い合った結果でしょう。ワン・ツーフィニッシュは、「みずほ、なかなかやるな 」といったところでしょう。


【化学・繊維】

1.渡部貴人 モルガンスタンレーMUFG(1→1→15→1)↑
2.山田幹也 バークレイズ(5→2→2→2→1→2)↓
3.榎本尚志 メリルリンチ日本(7→6→2→3)↓
4.横尾尚昭 ゴールドマン(3→1→3→3→3→4)↓
5.竹内忍 SMBC日興(10→8→5→5)→

昨年15位に突如陥落した渡部氏が再び1位に復活。
そのため、山田氏から横尾氏がワンランクずつダウン。


【紙パ・その他素材】
1.岡芹弘幸 SMBC日興(1→1→1→2→2→1)↑ 
2.河野孝臣 野村証券(8→4→3→3→4→2)↑
3.桑原明貴子 メリルリンチ日本証券(5→3→2→1→1→3)↓
4.杉山賢次 三菱UFJモルガンスタンレー(7→4)↑
5.松田洋 みずほ(5→6→3→5)↓

岡芹氏が3年ぶりにトップに返り咲きました。
桑原氏は2年連続のトップから3位に後退です。


【鉄鋼・非鉄】
1.山口敦 UBS証券(1→1→1→1→1→1)→ 13年連続 

2.松本裕司 野村(6→2→2→2→2)→ 4年連続
3.原田一裕 SMBC日興(4→2→4→4→3)↑
4.五老晴信 モルガン・スタンレーMUFG(5→3→3→4→4→4)→
5.榎本尚志 メリルリンチ日本(7→5→3→3→5)↓

トップの山口氏は13年続のトップを続けており、2位の松本氏に対して280点余りの差をつけています。


【機械】
1.桜田順司 みずほ(12→6→4→1)↑
2.斎藤克史 野村証券(1→1→1→1→1→2)↓
3.星野英彦 UBS(2→2→3→3)→
4.井原芳直 モルガン・スタンレーMUFG(7→3→2→4)↓

5.石塚大 三菱UFJモルガン・スタンレー(9→5→6→5)↑

12年連続トップの斎藤氏が2位に陥落、昨年4位の桜田氏がトップになりました。
桜田氏は31歳とのことですので、気鋭の今後の活躍が期待されます。


【精密機械・半導体製造装置】
1.中名生正弘 バークレイズ(1→1→2→1→1→1)→ 3年連続
2.和田木哲哉 野村証券(3→2→1→2→2→2)→ 3年連続
3.森山久史 JPモルガン(2→3→3→3→3→3)→
4.芝野正紘 シティグループ(8→4→4→4)→
5.小宮知希 三菱UFJモルガン・スタンレー(18→10→5)↑

中名生(なかのみょう)氏の3年連続以下、4位の芝野氏まで非常の安定感のある順位になってます。5位の小宮氏がぐいぐい上がってきているので、来年以降が楽しみですね。


【造船・プラント】
1.大内卓 SMBC日興(5→5→4→1→1→1)→ 3年連続
2.若栄正宣 みずほ(3→3→3→4→2→2)→
3.田井宏介 大和(2→2→2→2→3→3)→
4.田崎僚 野村(12→5→4→4)→
5.境田邦夫 バークレイズ(8→8→7→5)↑

3年連続トップの大内氏はまだ36歳。まだまだこれからです。2位~4位の各氏も安定しています。


【食品】
1.高木直実 UBS(2→1→1→1→1→1)→ 5年連続

2.佐治広 みずほ(3→2→2→2→2→2)→ 5年連続
3.沖平吉康 SMBC日興(9→6→5→3)↑
4.山崎徳司 大和(4→4→4→3→3→4)↓
5.三浦信義 シティグループ(3→4→6→5)↓

高木氏、佐治氏ともに5年連続のワン・ツーです。
沖平氏がグイグイ上昇してきています。得点差も50ポイントちょっとですので、近い将来2位に食い込んでくることも考えられます。


【銀行】
1.野崎浩成 シティグループ(1→1→1→1→1→1)→ 10年連続 

2.大槻奈那 メリルリンチ日本(6→5→3→2→4→2)↑
3.高宮健 野村(4→3→2→4→2→3)↓
4.山田能伸 ドイツ(7→5→5→4)
5.高井晃 大和(2→2→4→3→3→5)

野崎氏は10年連続のトップキープ。銀行勤務を経てアナリストになられていますので、内情の推察能力が優れているのでしょう。
2位の大槻氏359点、3位高宮氏357点、4位348点とかなり接近しています。来年はどうなるかわかりません。


【証券・保険・その他金融】
1.村木正雄 ドイツ(1→1→1→1→1→1)→  7年連続
2.丹羽孝一 SMBC日興(4→5→5→2→2)→
3.大塚亘 野村(7→6→3→3)→

4.辻野菜摘 JPモルガン(2→2→2→4→4)→
5.薮本祐介 みずほ(12→5)

トップの村木氏は30歳のときから7年連続トップです。
2位丹羽氏~4位辻野氏まで2年連続の順位キープです。
薮本氏が急速ランクインです。


【小売(大型店)】
1.高橋敏雄 みずほ(2→5→5→4→2→1)↑
2.津田和徳 大和CM(3→3→2→2→1→2)↓ 
3.正田雅史 野村(4→4→3→3→3→3)→
4.桜井亮 三菱UFJモルガン・スタンレー(7→7→3→4)↓
5.守屋のぞみ UBS(10→9→5→5)→

今年は高橋氏が津田氏を逆転しました。
小売りセクターはシーソーゲームが続きます。


【小売(専門店・アパレル)】
1.小場啓司 三菱UFJモルガンS(1→1→1→1→1)→  12年連続 
2.風早隆弘 ドイツ(2→2→2→2→2)→ 5年連続 
3.金森都 SMBC日興(17→6→3)↑
4.守屋のぞみ UBS証券(18→6→5→3→4)↓
5.河野祥 ゴールドマン・サックス(3→4→7→5)↑

専門店・アパレルセクターの小場氏は、12年連続のランキングトップです。
昨年もぶっちぎりでしたが今年も938点と、2位の風早氏494点と大きな差を築いています。
3位の金森氏は2012年以前の記録がなく、圏外から一気に順位を上げてきています。今後が楽しみな勢いですね。


【商社】
1.五百旗頭治郎 大和証券(8→3→2→1→1→1)→ 3年連続 
2.成田康浩 野村証券(1→1→1→3→2→2)→
3.林明史 みずほ(7→5→3)↑
4.竹内克弥 UBS(7→4→4→4→4)→
5.村上貴史 SMBC日興(6→5→3→5)↓

五百旗頭氏が3年連続でトップを維持しました。
それ以外は小動きです。
商社セクターはもともとアナリストの数が少ないんですかね。
ランキングにお名前が挙がっている方は、他のセクターは20人程度いるのに、商社セクターは10人しかいません。


【建設】
1.水谷敏也 三菱UFJモルガン・スタンレー(1→1→1→2→1→1)→ 2年連続

2.川嶋宏樹 SMBC日興(2→2→3→1→2→2)→
3.前川健太郎 野村証券(9→3→3)→
4.高木敦 モルガン・スタンレーMUFG(3→4→4→3→4→4)→
5.寺岡秀明 大和(13→7→7→5)↑

トップの水谷氏は2012年が惜しかったですね。2011年は震災の年でしたから、業績落ち込みとその後の復興需要の読みが難しかったのでしょう。


【住宅・不動産】
1.沖野登史彦 UBS証券(1→1→1→1→1)→  12年連続 
2.福島大輔 野村証券(3→2→2→3→3→2)↑
3.小沢公樹 三菱UFJモルガン・スタンレー(7→7→6→3)↑
4.大谷洋司 ドイツ(2→3→5→2→4→4)→
5.橋本隆 バークレイズ(7→3→5→2→5)↓

沖野氏はこのセクターで12年連続トップを維持しています。
住宅・不動産セクターは、不動産賃料の動向分析やREIT市場などニーズが多々あるでしょうから、アナリストさんの数も非常に多いです。
中~下位ではかなり順位も変動しています。


【電力・ガス・石油】
1.新家法昌 みずほ(4→2→1)↑ 
ついに首位
2.荻野零児 三菱UFJモルガン・スタンレー(3→1→2→3→1→2)↑
3.松本繁季 野村証券(4→3→3→2→5→3)↑
4.塩田英俊 SMBC日興(10→7→6→4)↑
5.宮崎高志 シティグループ(6→1→1→3→5)↓


トップの新家氏は36歳とまだお若いのですが、2012年に圏外から一気に4位入賞後、順調にランクアップしてきました。
今後が楽しみですね。


【運輸・倉庫】
1.姫野良太 バークレイズ(8→4→2→2→1)↑ ついに首位
2.一柳創 大和証券(1→2→1→1→1→2)↑
3.国枝哲 みずほ(7→7→3→3)→
4.土谷康仁 メリルリンチ日本(3→4→6→4)↑
5.尾坂拓也 モルガン・スタンレーMUFG(6→5→5→5)→

ついにトップになった姫野氏は弱冠32歳。しかし、トップを明け渡した一柳氏との差はたったの7点 これからのデッドヒートが楽しみですね。



【通信】
1.増野大作 野村証券(1→1→1→1→3→1)↑
2.高橋圭 みずほ(3→2→6→2)↑
3.津坂徹郎 モルガン・スタンレーMUFG(5→2→2→3→1→3)↓

4.安藤義夫 大和(7→7→10→4)↑
5.早川仁 クレディ・スイス(4→5→4→4→4→5)↓

ソフトバンク、KDDI、ドコモの目まぐるしいキャンペーンや戦略同様、通信セクターは上位でも結構順位変動が激しいですね。
なかなか○年連続という実績が出ません。


【ビジネス・IT・ネット】
1.田中秀明 三菱UFJモルガン・スタンレー(7→4→1→1)→ 2年連続

2.菊池悟 SMBC日興(1→2→12→2)↑
3.上野真 大和証券(7→7→3→3)→
4.米島慶一 バークレイズ(4→4→1→2→4)↓
5.堀雄介 みずほ(10→9→6→5)↑

ビジネス・IT・ネットのセクターは、SIerの業務の幅も広いでしょうし、なかなか業績予想するのも大変だと思います。
2位に復活した菊池氏は25点差ですので、来年1位返り咲きも十分ありえる圏内です。


【レジャー・アミューズメント】
1.森田正司 岡三証券(1→1→1→1→1→1)→ 8年連続 
2.小山武史 みずほ(3→2→2→2→2)→
3.角田祐介 東海東京調査センター(20→8→6→3)↑
4.石原太郎 大和(4→7→7→4)↑
5.村上宏俊 三菱UFJモルガン・スタンレー(7→11→3→5)↓

森田氏のトップも8年目に入りました。ポイント差も240pt余りありますし、まだまだ安泰な感じです。
一方、3~5位はポイントが接近していますので、今後順位変動がありそうです。


【放送・広告】
1.岩佐慎介 みずほ(1→1→2→1→1)→ 2年連続
2.石原太郎 大和証券(6→5→2)↑
3.長尾佳尚 野村証券(3→2→1→2→3)↓
4.前田栄二 SMBC日興(5→5→5→4→4)→
5.森田正司 岡三(6→8→7→5)↑

岩佐氏は2年連続のトップです。放送や広告業界は景気に左右されるだけに、マクロ環境の分析に力を入れているそうです。


【中・小型株】
1.渡辺真理子 UBS(6→1→1)→ 2年連続
2.渡辺英克 みずほ(6→3→2→2)→
3.古島次郎 大和(11→12→9→3)↑
4.氏原義裕 みずほ(2→1→5→2→3→4)↓
5.長谷川義人 三菱UFJモルガン・スタンレー(10→1→1→4→5)↓

渡辺氏は2年連続のトップです。
人気アナリストだけあって、大変お忙しそうです。
上位が安定してきた中・小型株アナリストのなかで、3位の古島氏はかなりの勢いでランクアップしてきています。
今後、さらに上位に割って入っていくか楽しみですね。


【ストラテジスト】
1.阪上亮太 SMBC日興(8→4→1)↑ ついに首位
2.菊池正俊 みずほ(1→1→1→2)↓
3.宮島秀直 パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ(3→2→3)↓
4.三宅一弘 大和証券(4→3→4)↓
5.北野一 バークレイズ(3→2→-→5)↑

ずっと菊池氏がトップでしたが、今年は坂上氏が首位に立ちました。まだ36歳ということですので、今後、人気のストラテジストになられていくことでしょう。



最後に所属会社別ランキングです。

 

1位: みずほ証券グループ(8→9→4→1)↑
2位: 野村証券
(1→1→1→1→2)↓

3位: SMBC日興(9→7→2→3)↓

4位: 大和証券グループ(3→5→4)↑

5位: 三菱UFJモルガン・スタンレー(5→6→3→5)↓


今年は上位を国内系が占めました。
外資系証券は、6位UBS、7位メリルリンチ、8位バークレイズなどとなっており、獲得得点からいっても完全に国内系と外資系が分かれてしまっています。
野村のアナリスト数は50名とダントツに多いのですが、39名を抱えるみずほは外資系証券からのアナリストの移籍を積極的に受け入れてきた成果だといいます。
確かに、記事中ではトップアナリストの所属数を比べていますが、みずほが5人、SMBC日興・大和・三菱UFJモルスタ・UBSは4人であるのに対して、野村は3人と、ちょっと見劣りするのが現状ですね。
もう少し人材育成に注力する必要がありそうです。

アベノミクスで株式市場が元気になってきたところですから、以前のように新卒社員がこぞって証券業界に就職してくれるように、証券会社トップからのメッセージ発信が重要ですね。

ごぶさたしております、ir-manです。
決して逝ってしまってはいないのですが、何かと忙しく、ちょいと書ける小ネタがあれば・・・と思っていた矢先、おもしろいリリースを見つけてしまいました。

ミドリムシのユーグレナ(2931)。

このたび株主優待制度を導入するそうで、9/20付でリリースが出ていました。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1092480

何なに・・・、どんな優待なの
まさか、ミドリムシ培養セットとか。

昔々流行った「シーモンキー」みたいな

と思ったら、違いました。

「1,000円相当の自社製品」

いや、だから・・・。その「自社製品」って何だよ、と。

そこで、初めてユーグレナさんのHPを拝見しました。

■ユーグレナ HP(商品紹介ページ)
 http://www.euglena.jp/products/

ミドリムシを使ったBtoB企業とばかり思っていたら、BtoC向けの商品もあるんですね。

緑汁とか、ユーグレナ・バーとかカンパンとか。
石垣みどり塩とか、うまみ塩とか、バジルペーストとか、お米とか。

それがミドリムシだと思わなければ、まぁ食べられないこともないんじゃないかと。
案外おいしいかもしれないし・・・。

ちょっと試してみたくなりましたが、そこでir-man特有のツッコミが

100株=1単元から、9月末株主さんから優待スタートということですが、

ツッコミその1: 「おいっ、明日(9/25)が権利付最終日じゃないの もっと早くアナウンスできなかったの

ツッコミその2: 「おいっ、1株=7,100円(9/24終値)って何だよ しかも、1,000円相当って、優待利回りいくらと想定したんだよ

まぁ、新規上場の会社さんにあまり厳しいツッコミをしてはいけないと思いますが、せっかく株価上昇後に投資してくれた株主さんにせめてもの優待で還元を、と考えてくださったのなら、もう少し周知が図られて、多少なりとも株価上昇に期待できる1ヶ月前くらいにリリースすればよかったのに。
もったいなかったね。

しかも、この株価上昇で、個人株主が減っていると想定できますから、もっとたくさん優待品を出して、個人株主さんが周りの友人・知人に配ってくれるようにすれば、もっと知名度が上がるのにね。

せっかくオンリーワンの上場企業なんだから、もっと株式市場を使って知名度向上を図るようにすればいいと思いますよ。
名前を知り、事業内容を知れば、きっと応援したくなる企業ですから。

頑張ってね、ユーグレナさん

本日より、東京証券取引所と大阪証券取引所が市場統合されます。

大きな混乱もなく、無事にスタートできたようです。

関係サイトをさらっと見て回りましたが、

・Yahoo!ファイナンスの株式ランキングから、大証1部・2部が消えている(当たり前か・・・)

・東証のサイトがリニューアルされている

・私の使っているネット証券のランキング画面等が変わっています。

といった点が見受けられました。

とくに東証のサイトでは、統合された市場がバナーで明示されており、
東証JASDAQ市場が新たに加わっている点が、目新しいところです。

また、直近上場銘柄の記念写真(アローズの巨大な電光掲示板の前とか、上場の鐘を鳴らすところとか)が、くるくる変わり、上場を目指す方々に夢を与えるようなプロモーションをしています。

そのほかマイポートフォリオなんていう機能がトップページに置かれており、証券教育、株式投資への助走をしてもらうような役割を担っているようです。

何はともあれ、新しいニッポンの証券市場が再び輝きを取り戻しますように
コマツの株主総会がありました。

日時: 2013年6月19日(火) AM10:00~ 
場所: 東京ビッグサイト

コマツ株主総会


コマツの株主総会は、いつも風雨にさらされるケースが多いんですよね。
もともと海風がきついところだし・・・。

自社の総会とは、事業展開も総会の規模も違い過ぎて、ほとんど参考にはならないのですが、
コマツの経営陣のマジメさとIRの優れたところを勉強させてもらいに、毎年、できる限り通っています。

都内のホテルからビッグサイトに会場を移してから数年経ちますが、総会運営はほぼ毎年同じです。

(1) 株主総会
(2) 懇談会&展示会

株主総会は、A~Dブロックと残り1/3(Eブロック?)に分け、さらに各ブロックを例えばA-1からA-4のように小ブロックに分けています。
小ブロックは、6席×8列程度のかたまり2つ分です。
ということで、明示的にブロック分けされている席だけでも、
Aブロック: (6席×8列×2)×4ブロック=約400席
~Dブロック ×4=1,600席  は優に用意されていることになります。

ちなみに、帰り際に受付のほかに設置してあるインフォメーションの社員の方に、出席者総数を聞いてみると、1,700名超1,800名未満だとのこと。

コマツの出席者数もビッグサイズです

(話を元に戻すと、)各ブロックへの案内は、総会受付に議決権行使書を提出したときに渡される色別のブロック案内チラシによります。
私は早めに行ったのでAブロックの赤いチラシをいただきました。
他のブロックは、B: 黄、C: 緑、D:青 であるように印刷されています。

裏面には、総会後の展示の場に、何が展示されているか会場図と簡単な説明が書いてあります。
今回の目玉は、いろいろありますが、ICT建機とか、地雷除去マシンとか、ハイブリッド・パワーショベルとか・・・

いつも、展示の場では、ビッグサイトの会場のでかさをうまく使って、コマツのでかい建機を展示しています。総会後のオープンが楽しみです(^^)


今回、コマツでは長らく社長を務めてこられた野路社長が会長となり、4月から就任された大橋徹二社長が初めて議長を務められるようで、最初はけっこう緊張しておられるようでした。

以前の野路社長は、ご自分で事業報告の文章を読み上げながら、事務局が投影するパワポと息がピッタリだったと記憶していますが、今回大橋社長は、事業報告についてはナレーション、「対処すべき課題」の部分と議案上程について、ご自分で説明されていました。

コマツの株主総会でいつも驚嘆するのは、そのIRスライドの詳細さです。
(このへんの驚きについては、過去ログにも書いております。)
コマツ(6301)株主総会
 http://ameblo.jp/ir-man/entry-10110031964.html

例えば、事業の概要を理解するのに、会社全体のP/L(損益計算書)だけでなく、事業セグメントごとに把握していきますね。
コマツでは、「建設機械・車両」部門と「産業機械他」部門の2つのセグメントになっています。
メインの「建設機械・車両」セグメントは、全世界に展開されていますので、さらに所在地別セグメントに区分されていきます。例えば、日本、米州、欧州・CIS、中国、アジア・オセアニア、中近東・アフリカという具合です。
ここまで分かれていると、どのセグメントのどの地域がよくて、どの地域が悪いのか、一目瞭然です。

ここまで堂々と、経営内容を開示されてしまうと、世界で戦っているキャタピラー社や日立建機など、ライバル会社に出し抜かれたり、弱みを突かれたりしないのかなと心配してしまいますが、ライバルに知られてしまうからIRや情報開示を出し惜しみするというような、みみっちいコマツではありません。

株主や取引先、ユーザー会など、さまざまなステークホルダーがいるからこそ、彼らに公平に経営情報を公開する。
ビジネスはビジネスで、コマツの強みにますます磨きをかけて、堂々とキャタピラーなどと勝負する。
そんな姿勢がコマツのIRを通じて伝わってきます。


みみっちいことをいう社長や、IRに消極的な社長は、コマツの株主総会に出席して勉強してもらったほうがいいですね。
IR担当者や、総務・経営企画部門の方で、この種のお悩みを抱えている方は、ぜひ社長をだましてでも、コマツの株主総会に同行しましょう
必ずや、その後の業務がスムーズになること、請け合いです。
この株主総会から何か感じるものを得られない社長なら・・・、早々に見限った方が良いかもしれませんよ

コマツさんも、ワタミみたいに、IR関係者等に株主総会を公開していただけないかな。
IR協議会を通じて案内流せば、身元不明な人が入り込む余地はありませんし。
コマツさん、ぜひ前向きにご検討を


ちなみに、コマツの素晴らしさは、総会運営だけではありません。
コマツにしてみれば毎年のことなのでしょうが、改めて子細に眺めてみると、私としては、招集通知もとてもよくできていると感心するポイントが満載です。

■コマツ 第144回定時株主総会 招集ご通知
 http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/ir/shares/meeting/

↑あえて該当PDFではなく、HPで止めています。
 上記のページでは、過去4期分の総会関連の開示書類、すなわち、招集通知、Web開示(連結・単体の注記表)・決議通知・議決権行使結果が入手できます。
アクセス性もよく、非常にすぐれたIR-HPです。

さて、招集通知のよくできているポイントですが・・・。

(1) 1ページ目に目次があり、各セクションへのアクセス性がよい。

(2) 2ページ目に、4月に新たに就任した大橋社長の顔見せ挨拶文があり、株主への配慮が効いている。

(3) 役員選任議案が非常に工夫されており、

 a.各役員の顔写真が掲載されている
 b.略歴等ではなく、議決権行使に必須の各役員のプロフィールが分かりやすくアイコン化されている。
  具体的には、社内/社外の別再任/新任の別在任年数取締役会への出席状況(○回/○回:□%)保有株数が、すっきりまとめられて掲載されています。
  おそらく、このあたりの工夫は、機関投資家にとっては評判も上々でしょう。
  顔写真を出すことに抵抗のある役員さんのいる会社であっても、いくつか参考にできるポイントがあると思います。
 c.社外役員について、東証に申告する独立役員は、アイコンがさらに目立つようになっている。
 d.社外役員について、社外取締役(監査役)候補者とした理由独立性に係る事項の説明が充実している。
 e.監査役選任議案について、可決された場合における「監査役会の独立性について」の説明が充実している。
 具体的には、監査役会5名中、過半数の3名が社外監査役となること、また、各監査役の独立性についても、自社の考え方を詳細に述べていること。

(4) 安易にフルカラー化せず、黒と青の2色刷りとしてコストを抑えている
が、役員の顔写真、ページ側面のインデックスの濃淡、業績グラフの当年度の色付け、その他、そこかしこで2色だけど表現力アップの工夫がみられる。

(5) 「対処すべき課題」において、4月スタートの新中期経営計画の数値目標、定性的説明が充実している。


(6) 会計監査人、内部統制システムの説明の間に「コーポレート・ガバナンスの状況」を説明するページがある。
  コーポレート・ガバナンスの状況は、有価証券報告書では記載が必須ですが、会社法の事業報告では必須ではありません。しかし、自主的にコーポレート・ガバナンスの仕組みを図解入りで説明する姿勢は、有価証券報告書との情報の整合性や、株主に対する説明責任等の観点から素晴らしいものです。

(7) 取締役賞与支給議案があるのですが、その議案から、「取締役の報酬等の決定に関する方針」を参照するようにガイドがある。当方針は、以前導入された業績連動報酬制度ですが、その内容が文章と数値を明示しながら分かりやすく記載されている。
 (何年か前に業績連動報酬が導入されたときの総会に出席しましたが、巷でちらほら話題が出始めたときだったので、動きが早いなと思ったのと、業績連動の仕組みがやはりスライドで示されたのですが、そのときは招集通知や事後のIRサイトにも掲載されておらず、参考にしようにも、総会内でちらっと見せられただけだったので、残念な思いがしていたのです。)

(8) 招集通知巻末に見開きで、「コマツのCSRについての考え方」および「東日本大震災 復興支援への継続的な取り組み」が詳細に記載
されており、会社として注力していることがよくわかる。
 復興支援への支出額は、2013年3月末までに21億円、その内容は無償貸与・寄贈、奨学金の支給、雇用支援等に及び、まさに本業の建機・フォークリフト等の寄贈・貸与にとどまらず、就業支援の意味も含め、教習センターを開設して、現地の方の就労支援と復興の一石二鳥を狙っています。その数およそ3,300名
 建機やフォークリフトの技能を習得した方は、さぞ喜ばれているでしょう。
 すごいぞ、コマツ


さて、長くなりましたので、質疑応答のほうは質問だけさくっとご紹介しましょう。

Q1.6/13の日経新聞に全面広告が掲載されていたが、非常に素晴らしいのでぜひ他紙でもやったほうがよい、ほか、技術面の質問、役員で持株ゼロの候補者がいるが、ぜひ自社株の保有を。

Q2.連結配当性向の目標を20~40%から30~50%に引き上げているが、この計数的根拠は何か?
 (この方、毎年財務面でスルドい質問を飛ばすおなじみの方です。)
 以前書いたコマツの総会のブログでご紹介したとおり、配当金の推移グラフや中期経営計画、企業価値の向上に関するコマツの考え方等、ありとあらゆるパワーポイントが社長の説明とともに、切り替わって投影されていたのはいうまでもありません。

Q3.タックス・ヘイブンや移転価格に関する基本方針、「チャイナ+1」に関する考え方は?

Q4.先ほどの新聞記事に関して、効果疑問視する意見。世界の建機需要は停滞気味のようだが、シェアはどうか。国際経済の見通しは。

Q5.先ほどの役員の持株について、社外役員候補者は独立性確保のため、持株はゼロでいいのだ、という意見。

Q6.取締役の中に女性がいないが、日本政府の方針もあり、女性登用に関する考え方は?
 → この女性登用に関する基本方針を問う、という質問は、今2月~3月期総会ではよく見られた質問です。この後の決算期の会社さんは、典型論点として当然準備されていると思いますが、ほぼ必ず聞かれると思ってよいと思います。

 ところが、コマツさんにさらに脱帽してしまうのは、取締役だけでなく、幹部社員や全社員の女性比率・女性社員数等の年度別推移グラフまで用意していたのです

もう~、スゴすぎるよ、コマツ

Q7.男社会では、能力があっても女性は上には行けない。政治でも経営でも同じで、現状では非常に厳しい。
(ラストの質問に当たった割には、情けない”ご意見”で終了してしまいまいた。大橋社長にも、「先ほどと内容が重複する”ご意見”だったので、じゃぁもう1問だけ・・・。」と、臨機応変な対応を期待したいところでした。この質問に立った人も、何が言いたいんだか、よくわからん人でした。)


最後に、議案の採決も終わって、野路会長からのご挨拶がありましたが、質疑も含めてダントツの生みの親、坂根さんのコメントが聞けなかったのが残念でした。

坂根さんは、招集通知では取締役会長となっていましたが、役員選任議案には記載されておらず、取締役を退任されるようです。
今後は、取締役ではなく、相談役とか顧問とかで係わっていかれるのでしょう。


さて、展示の場では、いろいろ展示されていたのですが、いくつかご紹介しますと・・・。

■東南アジアで活躍している地雷除去車

コマツ地雷除去車

 総会では、地雷除去車が地面を掘り起こしながら進み、地雷を掻き出してチュドーン
と爆発し、除去車が砂煙にまみれる・・・というビデオが流れていましたが、展示の係の方に聞くと、運転席では屁とも感じないそうです。

■コマツ自慢のICT建機

コマツICT建機

地面を何センチえぐっているかとか、走行ラインの中心部をトレースしながら走る車体が画面に映し出され、制御可能です。すごい。

あ~、そうそう、コマツのすごい所をもう1つ。
招集通知の封筒から内容物を取り出すと、窓空き封筒の窓のところに、今年はこのICTブルドーザーが写真つきで紹介されており、「総会終了後に実機をご覧になれます」とPR。
さらに、今回の株主通信も表紙がこのICTブルドーザーです。
■株主の皆様へ 第144期報告書
 http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/ir/library/kiho/pdf/144rd.pdf

株主総会が始まる前から、終わった後まで、すべてつながっているんです。
心ニクイ演出ですね。


■油圧ショベル(PC210LCi)

油圧ショベルの運転席モニタ

これもIT化が進んでおり、今回特別に運転席のモニタを機外でも見られるようにしてくれていました。
垂直・水平軸に対しての位置とか、ショベルのえぐり方まで、一目瞭然。

コマツ油圧ショベル

とにかくでかい。
そして、働く自動車は、やっぱり黄色

後ろ姿がセクシーな、PC210LCi。

油圧ショベルPC210LCi

そのほか、新型電動フォークリフトの試乗(株主のおばちゃんがフォークリフトのフォークを上げ下げしてた)とか、被災地に贈った単身者用の応急仮設住宅の実物とか、鉱山などで活躍する無人運転KOMTRAXのビデオなどなど・・・、何時間でも見ていて飽きないコマツの展示コーナーでした。


またまたやってきました、お楽しみの株主総会シーズン。
といいつつ、他社の株主総会でどんな質問が出るか、どんなプレゼンテーションをしているかを参考にして、自社の株主総会に備えているのです。

というわけで、今週は株主総会が連チャンです。
まずは、エイベックス株主総会。

日時: 2013年6月18日(火) 10:00~
場所: 水道橋 東京ドームシティホール
 (株主限定ライブをやめてから、有楽町の国際フォーラムでの開催が続いていましたが、ライブがないと、出席株主が少ないのか、今年はもう少し小規模な会場になりました。)

エイベックス、業績いいんですよね~。
ホントうらやましいくらい。

招集通知添付の事業報告で見た限りでも、

       2013/3期   2012/3期
売上高    138,764   121,027 (114.7%)
経常利益    13,111    10,531 (124.5%)
当期純利益   7,322     4,934 (148.4%)

と好調そのもの(連結、百万円)。
さらに、事業報告の最後に来期(2014/3期)の業績予想も開示していましたが、自信たっぷりのこの数字

       2014/3期   2013/3期
売上高    161,000   138,764 (116.0%)
営業利益   15,600    14,029 (111.2%)
経常利益    15,625    13,111 (119.2%)
当期純利益   7,000     7,322 (  95.6%)

■2013年3月期 決算短信
 http://www.avex.co.jp/ir/upload_file/library_02/7860_2013050915201304_P01_.pdf

配当性向は30%→35%へ。
配当予想金額は、40円→50円へ(予想50円からスタート・・・それ以上もあり

上程した議案の中で、取締役1名選任議案(第3号議案)があるのですが、実はご本人から辞退の申し出があったので議案を取り下げます、というリリース出していて、このリリースを会場で配布していたのですが、これくらい業績がよいと、誰もその点には突っ込みませんでした。

何だ、つまらん・・・(笑)

ひととおり、事業報告と対処すべき課題について説明ののち、質疑応答に入ったのですが、株主からの事前質問があるということで、2問事前回答をしていました。

SQ1.BeeTVのような会社にとっての大きな取組みは他にないのか?
 →中期経営計画で掲げた売上高1,400億円を1年前倒しで達成できるところまできた。
   先般、30億円出資してソフトバンクとUULAを立ち上げたので、当面はこれを軌道に乗せることに注力する。

SQ2.なぜ株主総会の日曜開催を取り止めたのか?
 →株主限定ライブをやめてから株主数が54,000名から36,000名に減少する一方、機関投資家が増加した。こうした中で、株主総会のあり方についてそうごうてきに見直した結果である。

その後、出席株主からの質問。

Q1.(財務に関して)借入金が(短期・長期あわせて)約114億円あるのに対し、Cashは180億円もある。一方、連結P/Lでは支払利息を約3.5億円もはらっている。これらのバランスをどうはかっていくのか?
 →これまでも借入金は大幅に返済してきている反面、手元流動性は上昇している。
  今後もさまざまなビジネス展開を考えており、そのまま返済を進めていくわけではなく、事業投資に使い拡大していく。借入金ゼロにすることは考えていない。

Q2.株主限定ライブを中止し、おみやげもない(以前はタオルがおみやげで出たようです)という株主総会はいかがなものか?
 →株主限定ライブをやめたのは、株主の権利である議決権行使書がネットオークションで売られたりして、公平性の担保に危機感を持ったから。株主限定ライブを復活してほしいという声が多いことは大変ありがたいが、それとおみやげを出すこととは別問題。
 この点については、継続的に検討していく。

そうですねー、議決権行使書をオークションに出すのはいかがかと思いますが、ANA等の株主優待券だって、市場で処分されて適当な価格に落ち着くわけですから、議決権行使書と一緒に、株主限定ライブのチケット同封すればいいだけの話ですよね。
もしくは、最近厳格化してい本人確認書類の確認手続きをしっかりやればいいだけで。
本当のところは、ライブのコストやアーティストの出演調整が大変なんでしょうね。
しかし、やっぱり独特の株主還元として、ぜ株主限定ライブは復活してほしいなぁ。

Q3.ダンス事業については、国の施策の追い風もあって大変良いと思うが、ダンス事業を含む「その他の事業」が売上が3.8%伸びているにも関わらず、営業損失が1億円出ているのはなぜか。何が足を引っ張っているのか?
 →ダンス事業についてはまだ投資段階であって、ダンスオーディションを広めたり、ダンススクールのカリキュラムを詰めていったり、いろいろとコストがかかっている。生徒数は現在1.5万人。再来期あたり黒字転換する予定。
 (松浦社長も補足コメントで、ぜひ期待していてほしい、とのことでした。)

Q4.以前の総会では、海外子会社はまだ赤字とのことだったが、現在、海外子会社は利益を計上しているのか?
 →現在のアジア展開は、日本の成功モデルをアジアに持っていくことを考えているもの。
 しかし、今日、環境変化がほぼ同時に発生するようになってきており(昔の成功モデルを輸出するほどのタイムラグがなく)、全体的には苦しい。
 今後はライブプラットフォーム中心に、ライブ周辺事業を拡大させることを考えていく。

このへんは、以前出席したことのあるスマホゲーム系のベンチャーキャピタルの方のセミナーで、似たようなことを言っていました。東南アジアあたりでは、フィーチャーフォンの盛り上がりをすっ飛ばして、いきなり安いスマホが立ち上がり始めており、何がはやるか、という点について、日本と大差はないということを言っていました。
やっぱり、エイベックスの置かれたアーティストの世界でもそうなんですね。
確かに、AKB48と一緒に、JKT48などが同時にウケているのでしょうからね。

Q5.現在の株主優待として、a-nationのチケット優待があるが、株主の中には、個別のアーティストのファンも多くいるだろうから、個々のアーティストのライブのチケットの優先販売等をしてほしい。
 →a-nationは、会社を挙げて注力している夏の一大イベントでもあり、エイベックスの有する多様なアーティストを見てもらいたい。
 個々のアーティストのライブのチケット優待については、今後検討していく。

これも確かに。年を追うごとに、a-nationに出演するアーティストさんがよく知らない人になってきており、忙しいなかあえて行こうかなというきにならないんですよね。
個々のアーティストさんだったら、友だちや彼氏・彼女を誘って、いろんなアーティストのライブに何度も足を運ぶ可能性が高いですよね。オペレーションは煩雑かもしれませんが、年間何度でも何%引きでチケットが買えます、というのだったらいいですよね。

Q6.a-nation出演アーティストの発表が遅い件
 →明日から申込み受付のため、明日には発表予定。

Q7.2号議案(定款変更の件)について、古物を扱えるように定款変更することを予定しているが、その戦略について教えてほしい。
 →オークションビジネスを始めたいということ。
 ファンクラブから要望が以前から多く、アーティストの私物を含め、販売できるようにしていきたい。

これもコアなファンにとっては、垂涎ものかもしれませんね。
会社にとっては良いビジネスかも、です。
超過利益は社会貢献に廻すとか、うまCSRと組み合わせてもらいたいですね。

Q8.株主数が減って、機関投資家が増加したとのことだったが、本社としては個人株主を重視しているのか、機関投資家を重視しているのか?
 →当社に興味持ってくれている点では同じ、どちら重視とはいえない。
 個人はファン株主の要素が強く、機関投資家は業績に着目している。どうバランスをとっていくかの問題。

意外に、さくさく議事進行が進み、8人(1人1問)の質問で10:50には質疑を打ち切り、採決。
その後、新たに策定した「Next Vision 2020」という企業理念のVTRが流されました。

今後は、① デジタル、② ミュージック、③ リアル(ライブ)、④ ダンスの領域に注力していくとのこと。
素人めにも、今のエイベックスの強みがあると思われる領域はこれらだろうなぁ、というところに順当に力を配分していくという方針には、納得感がありました。

デジタル全盛時代にあっても、リアル(ライブ)のコンテンツ次々と創造していく、それがまたデジタル化されて二次、三次収益を生み出していく、ますます楽しみなエイベックスです。