といいつつ、他社の株主総会でどんな質問が出るか、どんなプレゼンテーションをしているかを参考にして、自社の株主総会に備えているのです。
というわけで、今週は株主総会が連チャンです。
まずは、エイベックス株主総会。
日時: 2013年6月18日(火) 10:00~
場所: 水道橋 東京ドームシティホール
(株主限定ライブをやめてから、有楽町の国際フォーラムでの開催が続いていましたが、ライブがないと、出席株主が少ないのか、今年はもう少し小規模な会場になりました。)
エイベックス、業績いいんですよね~。
ホントうらやましいくらい。
招集通知添付の事業報告で見た限りでも、
2013/3期 2012/3期
売上高 138,764 121,027 (114.7%)
経常利益 13,111 10,531 (124.5%)
当期純利益 7,322 4,934 (148.4%)
と好調そのもの(連結、百万円)。
さらに、事業報告の最後に来期(2014/3期)の業績予想も開示していましたが、自信たっぷりのこの数字

2014/3期 2013/3期
売上高 161,000 138,764 (116.0%)
営業利益 15,600 14,029 (111.2%)
経常利益 15,625 13,111 (119.2%)
当期純利益 7,000 7,322 ( 95.6%)
■2013年3月期 決算短信
http://www.avex.co.jp/ir/upload_file/library_02/7860_2013050915201304_P01_.pdf
配当性向は30%→35%へ。
配当予想金額は、40円→50円へ(予想50円からスタート・・・それ以上もあり

上程した議案の中で、取締役1名選任議案(第3号議案)があるのですが、実はご本人から辞退の申し出があったので議案を取り下げます、というリリース出していて、このリリースを会場で配布していたのですが、これくらい業績がよいと、誰もその点には突っ込みませんでした。
何だ、つまらん・・・(笑)
ひととおり、事業報告と対処すべき課題について説明ののち、質疑応答に入ったのですが、株主からの事前質問があるということで、2問事前回答をしていました。
SQ1.BeeTVのような会社にとっての大きな取組みは他にないのか?
→中期経営計画で掲げた売上高1,400億円を1年前倒しで達成できるところまできた。
先般、30億円出資してソフトバンクとUULAを立ち上げたので、当面はこれを軌道に乗せることに注力する。
SQ2.なぜ株主総会の日曜開催を取り止めたのか?
→株主限定ライブをやめてから株主数が54,000名から36,000名に減少する一方、機関投資家が増加した。こうした中で、株主総会のあり方についてそうごうてきに見直した結果である。
その後、出席株主からの質問。
Q1.(財務に関して)借入金が(短期・長期あわせて)約114億円あるのに対し、Cashは180億円もある。一方、連結P/Lでは支払利息を約3.5億円もはらっている。これらのバランスをどうはかっていくのか?
→これまでも借入金は大幅に返済してきている反面、手元流動性は上昇している。
今後もさまざまなビジネス展開を考えており、そのまま返済を進めていくわけではなく、事業投資に使い拡大していく。借入金ゼロにすることは考えていない。
Q2.株主限定ライブを中止し、おみやげもない(以前はタオルがおみやげで出たようです)という株主総会はいかがなものか?
→株主限定ライブをやめたのは、株主の権利である議決権行使書がネットオークションで売られたりして、公平性の担保に危機感を持ったから。株主限定ライブを復活してほしいという声が多いことは大変ありがたいが、それとおみやげを出すこととは別問題。
この点については、継続的に検討していく。
そうですねー、議決権行使書をオークションに出すのはいかがかと思いますが、ANA等の株主優待券だって、市場で処分されて適当な価格に落ち着くわけですから、議決権行使書と一緒に、株主限定ライブのチケット同封すればいいだけの話ですよね。
もしくは、最近厳格化してい本人確認書類の確認手続きをしっかりやればいいだけで。
本当のところは、ライブのコストやアーティストの出演調整が大変なんでしょうね。
しかし、やっぱり独特の株主還元として、ぜ株主限定ライブは復活してほしいなぁ。
Q3.ダンス事業については、国の施策の追い風もあって大変良いと思うが、ダンス事業を含む「その他の事業」が売上が3.8%伸びているにも関わらず、営業損失が1億円出ているのはなぜか。何が足を引っ張っているのか?
→ダンス事業についてはまだ投資段階であって、ダンスオーディションを広めたり、ダンススクールのカリキュラムを詰めていったり、いろいろとコストがかかっている。生徒数は現在1.5万人。再来期あたり黒字転換する予定。
(松浦社長も補足コメントで、ぜひ期待していてほしい、とのことでした。)
Q4.以前の総会では、海外子会社はまだ赤字とのことだったが、現在、海外子会社は利益を計上しているのか?
→現在のアジア展開は、日本の成功モデルをアジアに持っていくことを考えているもの。
しかし、今日、環境変化がほぼ同時に発生するようになってきており(昔の成功モデルを輸出するほどのタイムラグがなく)、全体的には苦しい。
今後はライブプラットフォーム中心に、ライブ周辺事業を拡大させることを考えていく。
このへんは、以前出席したことのあるスマホゲーム系のベンチャーキャピタルの方のセミナーで、似たようなことを言っていました。東南アジアあたりでは、フィーチャーフォンの盛り上がりをすっ飛ばして、いきなり安いスマホが立ち上がり始めており、何がはやるか、という点について、日本と大差はないということを言っていました。
やっぱり、エイベックスの置かれたアーティストの世界でもそうなんですね。
確かに、AKB48と一緒に、JKT48などが同時にウケているのでしょうからね。
Q5.現在の株主優待として、a-nationのチケット優待があるが、株主の中には、個別のアーティストのファンも多くいるだろうから、個々のアーティストのライブのチケットの優先販売等をしてほしい。
→a-nationは、会社を挙げて注力している夏の一大イベントでもあり、エイベックスの有する多様なアーティストを見てもらいたい。
個々のアーティストのライブのチケット優待については、今後検討していく。
これも確かに。年を追うごとに、a-nationに出演するアーティストさんがよく知らない人になってきており、忙しいなかあえて行こうかなというきにならないんですよね。
個々のアーティストさんだったら、友だちや彼氏・彼女を誘って、いろんなアーティストのライブに何度も足を運ぶ可能性が高いですよね。オペレーションは煩雑かもしれませんが、年間何度でも何%引きでチケットが買えます、というのだったらいいですよね。
Q6.a-nation出演アーティストの発表が遅い件
→明日から申込み受付のため、明日には発表予定。
Q7.2号議案(定款変更の件)について、古物を扱えるように定款変更することを予定しているが、その戦略について教えてほしい。
→オークションビジネスを始めたいということ。
ファンクラブから要望が以前から多く、アーティストの私物を含め、販売できるようにしていきたい。
これもコアなファンにとっては、垂涎ものかもしれませんね。
会社にとっては良いビジネスかも、です。
超過利益は社会貢献に廻すとか、うまCSRと組み合わせてもらいたいですね。
Q8.株主数が減って、機関投資家が増加したとのことだったが、本社としては個人株主を重視しているのか、機関投資家を重視しているのか?
→当社に興味持ってくれている点では同じ、どちら重視とはいえない。
個人はファン株主の要素が強く、機関投資家は業績に着目している。どうバランスをとっていくかの問題。
意外に、さくさく議事進行が進み、8人(1人1問)の質問で10:50には質疑を打ち切り、採決。
その後、新たに策定した「Next Vision 2020」という企業理念のVTRが流されました。
今後は、① デジタル、② ミュージック、③ リアル(ライブ)、④ ダンスの領域に注力していくとのこと。
素人めにも、今のエイベックスの強みがあると思われる領域はこれらだろうなぁ、というところに順当に力を配分していくという方針には、納得感がありました。
デジタル全盛時代にあっても、リアル(ライブ)のコンテンツ次々と創造していく、それがまたデジタル化されて二次、三次収益を生み出していく、ますます楽しみなエイベックスです。