天皇賞・春(GI) … 2024/04/28()京都競馬場


今週から6週連続G1が始まるが、早くもすっかり夏らしい陽気となり、暑さに弱い馬には辛い季節となる。今週は天皇賞・春、今回も香港競馬と日程が重なり、短〜中距離の一線級は香港へ遠征している。海外遠征組も参戦できず、古馬の層は薄いが、明け4歳の菊花賞馬、ダービー馬が参戦して盛り上げる。大阪杯同様に、古馬二線級相手なら、明け4歳馬でも通用するかもしれない。


◎⑭テーオーロイヤル1156菱田…17721回のリオンディーズ産駒、母父は天皇賞馬マンハッタンカフェ。阪神コースで行われた一昨年のこのレースの3着馬。昨年は、暮れに長距離G22戦して10着と2着。今年に入ってG3ダイヤモンドSG2阪神大賞典を連勝し、本格化した感がある。しかも、阪神大賞典では、2着のワープスピードに5馬身差をつける圧勝劇。鞍上、菱田騎手は悲願の初G1制覇がかかる。応援の意味も込めて、本命に推す。


①サリエラ1105武豊…8322回のディープインパクト産駒、母父はロミタス。全姉は、5歳時にエリザベス女王杯と有馬記念で2着に好走したサラキア。兄は朝日杯FS勝ち、皐月賞とダービーで2着に好走したサリオスという超良血馬。まだ8戦と、大事に使われており、姉同様に晩成型と思われる。まだ重賞勝ちのない身であるが、エリザベス女王杯では0.3秒差の6着に好走した。また、前走のダイヤモンドSでは、テーオーロイヤル相手に、クビ差の2着とここでも通用する結果を残した。鞍上に天皇賞男の武豊、好枠の11番を引いた幸運もあり、人気でも対抗に推す。


④ワープスピード1095三浦…21423回のドレフォン産駒、母父は天皇賞馬ディープインパクト。もう21戦も走っているのに、掲示板を外したのは2戦のみという超堅実派である。逆に勝ち切れないレースが多く、オープン勝ちもないという実績。しかしながら、ここ2戦はダイヤモンドS3着、阪神大賞典2着と好走している。堅実な走りで3着に来るかもとの期待を込めて、3番手評価に推す。


⑨シルヴァーソニック1158Mデムーロ…23623回のオルフェーヴル産駒、母父はトニービン、祖母はスキーパラダイスという良血馬。ステイヤーズS勝ちのある長距離馬、阪神コースで行われた昨年のこのレースの3着馬と、実績は十分である。既に8歳馬ではあるが、3000m以上の長距離にこだわって使われており、海外サウジでのG3勝ちもある。前走は、約1年ぶりのレースであり、息がもたなかった感があり、初の2桁着順に惨敗した。叩いた今回は、当然上積みが期待できるため、特注に推す。


⑤プローザホーン1155菅原…19622回のエピファネイア産駒、母父はデュランダル。前々走、京都コースのG2日経新春杯を1番人気で勝った。前走の阪神大賞典は、1番人気に推されたが、やや重馬場の影響もあり、テーオーロイヤルの3着と惜敗した。得意な京都コースに変わり、良馬場であれば、少しは差が詰まると考えて押さえる。


⑫ドゥレッツァ1204戸崎…7521回のドゥラメンテ産駒、母父はMore Than Ready。昨年の菊花賞馬、ルメール騎手の神騎乗があったにしても、ダービー馬に3馬身半差をつけ、同世代ナンバーワンを印象づけた一戦であった。前走G2金鯱賞では、圧倒的な1番人気を裏切って、2着に惨敗した。トライアル仕上げとはいえ、中京2000m戦でプログノーシスに5馬身差をつけられる完敗。叩いた今回、コースと距離が変わり、巻き返しの可能性もあるが、鞍上弱化と1番人気、前走が負け過ぎだけに評価を落とした。


⑯チャックネイト113せん6鮫島…1552137回のハーツクライ産駒、母父はDynaformer。気性の荒さもあり、出世が遅れたが、せん馬となり、前走AJCCで初G2勝ち。不良馬場の適性が高いことが勝因とされているが、それまでの戦績をみても、37回のとおり、堅実に走ってきた。混戦での3着に期待して押さえる。


皐月賞(GI) … 2024/4/14()中山競馬場


先週の桜花賞は、阪神JF12着が逆転しただけの結果、人気馬で决まって堅い決着であった。皐月賞は、レガレイラの1強と思いきや、ルメール騎手が乗れず、ギリギリまで鞍上が決まらず、人気を落としている。それでもギリギリ1番人気ではあるが、鞍上弱化はいなめない。昨年末のG1朝日杯FS12着、ホープフルS13,5,6着、トライアル弥生賞の13着、スプリングS23着、若葉S12着、そして別路線組共同通信杯の12着、京成杯の12着、きさらぎ賞の12着とメンバーは揃った。唯一、スプリングSを圧勝したシックスペンスだけが、ダービー直行とのことで不参加である。群雄割拠、混戦の皐月賞、一筋縄ではいかないと信じて、少し荒れると予想します。では、「速い馬が勝つ」と言われる皐月賞、良馬場でのスピード勝負に期待しましょう。



◎②メイショウタバル1133浜中…532着なし、皐月賞馬ゴールドシップ産駒、母父はフレンチデピュティ。3勝馬であり、前走の毎日杯は、芝1800m1460の好時計で6馬身差の圧勝劇。過去の毎日杯では、シャフリヤールに次ぐ記録であり、皐月賞馬アルアインよりも速い。石橋厩舎のメイショウといえば、騎手時代の初G1がメイショウサムソンの皐月賞と縁も深い。好位からもレース可能と思うが、今回は好枠を引いたこともあり、逃げ切りに期待して、本命に推す。


⑬ジャスティンミラノ1143戸崎…22勝の無敗馬、キズナ産駒、母父はエクシードアンドエクセル。前走は、共同通信杯勝ち。そのときの2着が、2歳チャンプのジャンタルマンタルで価値ある勝利。名門友道厩舎の期待馬であり、最近は皐月賞に直結している共同通信杯の勝ち馬だけに、素直に対抗に推す。


⑫コスモキュランダ1133Jモレイラ…7222回、皐月賞アルアイン産駒、母父はサザンイメージ。前走は、ディープインパクト記念弥生賞勝ち。そのときの2着が、ホープフルS2着のシンエンペラー。しかも、今回の方が着差はついているだけに、ホープフルS組をまとめて負かす可能性もある。中山2000m4回も経験している点も、評価できる。鞍上は先週桜花賞勝ちのJモレイラ騎手、マジックマンの連勝にも期待して、単穴に推す。


⑩レガレイラ1133北村宏…3231回、スワーヴリチャード産駒、母父はハービンジャー。ホープフルSの勝ち馬であり、76年ぶりの牝馬の皐月賞馬を目指す。桜花賞馬ステレンボッシュと同じく、祖母ランズエッジである。ランズエッジの母ウインドインハーヘアは、いうまでもなくディープインパクトの母。それだけでなくブラックタイドを産み、キタサンブラックイクイノックスとサイアーラインをつなげた名牝である。ホープフルS組が、その後の重賞で好走していることもあり、レースレベルは高かった。馬は強いかもしれないが、鞍上弱化が気になり、特注とした。


③エコロヴァルツ1123武豊…4221回、ブラックタイド産駒、母父はキングカメハメハ。朝日杯FS2着馬であり、実績は十分ある。前走の共同通信杯5着で人気を落としているが、好位からの競馬を試した結果、失速しただけであり参考外である。押さえた時の末脚は鋭く、ブラックタイド産駒で距離不安もない。


⑧ジャンタルマンタル1153川田…4321回のパーフェクト連帯馬、パレスマリス産駒、母父はウィルバーン。3勝馬であり、朝日杯FS勝ちの2歳チャンプ。前走は、共同通信杯の2着であり、ジャスティンミラノに惜敗した。父パレスマリスは、ジャスティンパレスの兄弟であり、血統的には距離不安がない。堅実に走る馬であり、鞍上も信頼できる。


⑭シンエンペラー1133坂井…4222回のパーフェクト連帯馬、シユーニ産駒、母父はガリレオ。馬主は、ウマ娘で有名な藤田普、全兄は凱旋門賞馬ソットサス、高馬である。勝てば、初の外国産馬の皐月賞馬となる。G1ホープフルS2着馬である。前走も弥生賞の2着であり、中山2000m2回も経験している点は、評価できる。軸馬とも考えたが、人気先行の馬であり、より魅力的な馬達を上位に取ってしまった。


桜花賞(GI) … 2024/4/7()阪神競馬場


先週は、レベルが低いはずの4歳牡馬のベラジオオペラが勝ち、初G1制覇となった。やはり、主役級がドバイ遠征へ行っているだけに、2番手組なら4歳でも通用するということかもしれない。今週からクラシック開幕となり、まずは桜花賞。例年と比べると豪華なメンバーであり、阪神JF13着、チューリップ賞の13着、阪神Fレビューの13着、アネモネS12着、クィーンC1着、フェアリーS12着、エルフィンS12着、アルテミスS1着と豪華絢爛、ここまでそろうの稀である。唯一、伝説の新馬戦の勝ち馬ボンドガールが、三分の二の抽選を突破できずに出走が叶わなかった(土曜重賞のNZT2)のが、残念である。それでは、混戦の桜花賞を楽しみましょう。



◎⑫ステレンボッシュ1123Jモレイラ…4222回、連を外していない、エピファネイア産駒、母父はルーラーシップ。阪神JFは赤松賞に続いて、不利を克服しての2着であり、負けて強しの競馬であった。今回Jモレイラ騎手に乗り替わることは、若干のマイナス材料である。それでも素質は一流であるため、今回は逆転すると信じて本命に推す。


⑧コラソンビート1103横山武…632132回のスワーヴリチャード産駒、母父はオルフェーヴル。阪神JFは惜しくも3着であったが、4着以下に3馬身差を付けているだけに、3強と言えるかもしれない。前走Fレビューでは、逃げ馬を捉え切れずに2着であった。しかしながら、前走を叩いて状態は急上昇しているとのこと。馬券圏内を外したことがない堅実派、今回も確実に走ってくれると信じて対抗に推す。


⑦スウィープフィート1093武豊…622231回のスワーヴリチャード産駒、母父はディープスカイ。阪神JFは抽選を突破したが、永島まなみ騎手の初G1騎乗でもあり、7着に惜敗した。前走から、鞍上が武豊騎手となり、このレースと相性抜群のチューリップ賞を快勝した。母の母、名牝スイープトウショウは、チューリップ賞を勝ち、桜花賞5着であったが、孫娘がリベンジ冠載することを夢見て、単穴に推す。


⑪ライトバック1043坂井…3241回のキズナ産駒、母父はExceed And Excel。唯一負けたのが、チェルヴィニアが勝ったアルテミスS4着である。その後、エルフィンSを勝ち、そのときの2着がスウィープフィートである。スウィープフィートを単穴に推す以上は、この馬を買わないわけにはいかない。期待を込めて、特注に推す。


④キャットファイト1043松山…63勝のディスクリートキャット産駒、母父はパイロ。阪神JFは、レース前にテンションが上がり過ぎて、終わってしまったとのことで、10着に惨敗した。アスター賞をレコード勝ちした実績馬であり、ようやく前走、トライアルのアネモネSで復活勝利した。今回は輸送も二度目であり、陣営もテンションが上がり過ぎないよう、工夫するとのこと。力を発揮出来なかった阪神JFのリベンジを信じて、押さえることにする。


⑨アスコリピチェーノ1133北村宏…33勝、無敗のダイワメジャー産駒、母父はDanehill Dancer。牡馬相手に、新潟2Sを勝ち、前走は阪神JFを勝った実力馬。ダイワメジャー産駒だけに、オークスは距離が合わないと考えられ、ここが勝負なのは明らかである。阪神JF以来の休み明け、ぶっつけ本番なのは、最近のトレンドかもしれないが、やはりどこかを使って欲しかった。無敗の2歳女王であり、1番人気ではあるが、一応押さえることにする。


⑱チェルヴィニア1093Bムルザバエフ…3221回のハービンジャー産駒、母父はキングカメハメハ。伝説の新馬戦の2着馬であり、その後未勝利戦をぶっちぎって勝ち、アルテミスSを快勝した。そのときの4着馬がライトバックであるため、レース比較としても評価できる。元々、Cルメールが騎乗予定だった素質馬であり、今回はBムルザバエフに乗り替わるが、連に絡む力はあると思う。不利な大外枠を引いたため、評価を下げたが、押さえることにする。