以前にも書きましたが、
多くのお客様は「自分が本当に欲しいもの」が何かわからないケースが多いようです。
一歩堂にも「ナースシューズをください」と言う方が時々いらっしゃいます。
よくよくお話を伺うと、医療関係の仕事をされているのではなく、
仕事をしていて疲れが少ない靴を探されているのです。
ということは、
そのお客様が欲しいのはナースシューズという「物」ではなく、
快適に働きたいと言う「こと」なのです。
そうなるとお勧めする靴は全く違うものになることがあるのです。
同様に、
特定のブランドの靴を探されている方がいらっしゃいます。
多いのがドイツ製のウォーキングシューズです。
「お宅ではドイツのF社の靴を扱っていますか」
「G社の靴は売っていますか」
という問い合わせがかなりあります。
これも同様の理由で、
別の靴をお勧めすることがあります。
また「歩きやすいウォーキングシューズをちょうだい」と言う方も多いのですが、
よくよくお話を伺うと、
実はご自身の足が悪いためにヒールのある靴を諦めてそう言っているだけで、
本当はヒールのあるお洒落な靴で快適に歩きたかったりします。
お客様が「これちょうだい」と言う靴を販売するのはとっても楽なことです。
接客に時間がかかりませんし、
クレームになることもありません。
お客様の「本当のご要望」を探り、
プロとして良いものをご提案するのは時間もかかります。
万が一足に合わなかった場合はこちらの責任ですのでクレームにもなります。
ただ、うまく行った時のお客様の満足度が違います。
一歩堂の存在意義って何なんだ?
と考えることがあるのですが、
まさにこれではないかと思うのです。
商売としては非効率だし、急成長も望めませんが、
粘り強く、お客様に対応することで
心から喜んでいただける商品やサービスを提供することが、
一歩堂のような小さな店の生きる道ではないかと、、、
今日は朝から真面目に考えてしまいました。