みなさんこんにちは。
前回の投稿では胃ろう手術のための入院までいきさつや、手術をごねたこと、入院準備のことを綴りました。
今回は胃ろう手術のための入院と手術から退院までの様子を綴ります。
胃ろうの手術はおなかに穴をあけて胃にPEGと呼ばれる器具を取り付ける手術です。
このPEGを通じてチューブを接続し直接胃に栄養剤や薬などを注入できるようにするためのものです。
手術そのものは20分もしないで終わってしまうものですが、その前後3日間の絶食が必要だったり、
術後の痛みなど手術内容からは想像できないくらいつらいものでした。
今日はその胃ろう手術と入院の様子を日記と共に綴っていきます。
9/15
いよいよ胃ろう造設の入院 手術は翌日からだが前日の11時に入院する
放射線治療による副作用で食事の経口摂取ができなくなることに備えてほとんどの人が胃ろうを作るらしい
この手術は入院は8泊9日、痛み、絶飲絶食、費用なども結構な負担の入院
荷物も多かったため病院へは妻に送ってもらった
10:30に入院手続きを済ませて入院病棟のナースセンターへ向かう。事務の女性に入院の部屋を案内され荷物をおろす
追加費用の発生しない4人部屋だがカーテンで仕切られているため音以外のプライバシーは保たれている
この日は入院とは別にMRIを撮り、夕方からS先生の問診&処置を受ける
前半戦の抗がん剤治療でどのくらい鼻の奥の原発部の腫瘍が小さくなったかをファイバースコープで観察し撮影していく
原発部はだいぶ縮小しているとのことだった
今日撮ったMRIと治療前の比較写真も見せてもらい説明を受けた
首のしこりの大きさはまだあるが、がん細胞はかなり死滅しており、死滅したがん細胞がリンパ節から除去されないためしこりは残っている状況
見た目はっきりと両写真の違いがわかる 前半戦の抗がん剤治療の効果が出ていることが本当にうれしかった
その後手術前の最後の夕飯。4日先まで食事できないことにビビりながらも最初の病院食を平らげる
翌日の手術に備えて横になっていたがなかなか眠りにつけなかった
9/16 胃ろう手術当日
予定通り8時半に内視鏡センターで受付を済まして胃ろう手術の順番を待った まもなく手術室に呼ばれる
手術室には3名おり、手術を行う医師、助手、看護師といった感じ
点滴で麻酔なのか睡眠薬なのかをいらられ、喉の麻酔は直接霧状に吹きかける 程なくして喉周辺の感覚がなくなってきた
口に内視鏡を通す輪っかをくわえた状態で横向きに寝る
なんということかその後1分ほどで寝てしまいそれ以降のことを全く覚えていない
(後で聞いた話だが、ほんの10秒くらいで意識を失って眠ってしまう点滴薬だそうです、おそろしい)
いつ眠りに落ちたのか全く覚えておらず、次の記憶は自室のベッドに運ばれて転がされたようなおぼろげな薄い記憶
手術が終わったのかなんなのか、全くわからないままに身を委ねた
目が覚め気がつけば自室のベッドだったので無事に手術は終わったのだろう
手術の時間が10分-20分ほどと聞いているので手術室から1時間せず自室のベッドに搬送され戻ってきたんだろう
その後の24時間がきつかった、痛みが波のように襲来する 痛みのないポイントを探そうにも体が動かせない
本当にきつい24時間だった、痛みを伴う不自由な地獄とはこのことだろう
この日ばかりはひたすら痛みに耐えて、ただただ時間をやり過ごす
できれば寝て早くこの最悪の時間が経過してほしいと念じていた24時間だった
9/17 手術翌日
痛みはやや緩和されるものの、おしっこ出ない、出さないと管入れると若い看護師に脅される
ベッドの上で体を傾け尿瓶に自分のイチモツをいれて尿意を待つがこんな体勢では全く出る気配もなく諦めムード
ベッド上からの排泄は諦め、痛みに悶えながらベッド横の床に立ち上がる
そして尿瓶に挿入し促すも、開けた穴でお腹が痛く腹筋に力を入れるなど排出を促すことができない
やっとの思いで300ccくらいだろうか尿瓶に勢いなく回収をすることができた
絶飲絶食のためもう2日も口から水分を補給しておらず水分は点滴経由だけなので尿量はこんなものなんだろう
手術後2日目は痛みこそ昨日ほどではないにしてもベッド上で安静に過ごす 夜にはやっとトイレで排尿をすることができた
あまりに喉が渇いたんで持ち込んでいたアクエリアスのゼリーを2個飲んでしまった
9/18 術後3日目
痛みのないポイントを見つけることができたのか、痛みが軽減したのか痛みへの恐怖感がなくなった
歩いてトイレにもガンガン行けるようになった
昼食時にラコールという半固形の栄養剤を胃ろう経由で入れてみる訓練をする
胃に直接入れるので食べた感じはしないしもちろん味もしないので変な感じである
絶食3日目ということもあり、ちょっと調子に乗って1階の売店に行きジョア、ヤクルト、グミ2種類、ぷっちょ、ハイチュウなど買い込んで食べてしまった
胃ろう経由で栄養剤も入れているんだしいいっしょ的なノリで。
胃ろうには術後しばらくの間はドレナージという管がついていて外に胃液だか体液を排出する仕組みになっているのだが、何か食べるとドレナージ袋に食べたものもたまることを知らずにグミを食べてしまった
絶食のつらさを和らげることはできたものの、においから看護師にバレてしまい、傷口に対する悪影響から看護師さんにきつく叱られ、即刻先生に報告された
昼も断続的に寝ているせいか夜は眠れず睡眠薬をもらうもあまり効果なし 寝不足の感覚で朝を迎える
4日目から朝食出ると聞いているが食事の許可はおりるだろうか
9/19 術後4日目
朝を迎え、手術後まる3日(72時間)が経過 朝食は目の前まで来たが下げられた まだ先生が来てなくての判断が出ないとの
先生来ないなら判断無理なんだから最初から言ってくれよという感じで立腹
結局朝食は許可が出ず食べられなかった。
いよいよ3日ぶりに昼食を食べることができた 売店で買っておいた桃屋のごはんですよ!と3種のふりかけセットがオプション おかず少なくてもなんとかなる 咳き込んだ時の胃ろうの痛みが激しい
便意を感じたのでチャレンジし、少ないものの成功
9/20 術後5日目
敬老の日ということで3連休 病院内を散策するも外来がないため静か
昨晩と同じ睡眠薬をもらうも全く効果なし 明け方まで眠れず 1時、5時と痛みで目を覚ます
朝食後また寝てしまった ご飯は完食 お通じは今日も成功 夜は眠れず睡眠薬マイスリーをもらう
9/21 術後6日目
2時ごろ眠れて8時半に起床 10時からの顧客向けプレゼンに備える
入院棟4階の電話コーナーのWi-Fiは安定しており無事に1時間のプレゼンを完了 明日の別のプレゼンもこの場所でやろう
明日の血液検査の数値を見て問題なければ23日退院と言うことでS先生から説明受ける お通じは今日も成功
内視鏡科先生(胃ろう手術やった先生)の回診の際に、胃ろう部分の痛みは3点留めの仮縫い部分が引っ張られて痛むことが判明
胃ろうの中心部分の痛みではなかった 明日内視鏡の先生に処置をお願いすることになった
明日はいよいよ胃ろう造設入院の最終日
血液の数値に異常がなく予定通り退院できますように 今晩もマイスリーもらって寝よう
9/22 術後7日目
マイスリー服用による睡眠の質も改善し、痛みも最も少ない日となった
会社のチーム部のミーティング、某顧客向けプレゼン、上司との1on1など入院病棟内テレワークをフル稼働
仕事休まず入院してる、テレワーク入院だよと看護師に説明するとみんな驚き感心してくれる
3食とも完食して体重も63.5Kgまで回復
今後使う胃ろうでの栄養指導を受けた
積極的に胃ろうは使ってくが、嚥下機能の維持のためにも口からの摂取も努力していく必要がありそうだ
胃ろうの胃側はバルーンで固定する仕組みになっているがバルーンを満たしている蒸留水の交換手順のレクチャーを看護師さんから受けて実践 今後1wに一回やる作業 うがい薬も処方してもらった
9/23 術後8日目(退院当日)
良く寝られていい睡眠だった 痛みも全くなく、気づけば寝る姿勢も自然に横に変えていたりしていた
同じく上咽頭がんで1週早く入院していたいずみんさんも今日が退院なので朝食が配膳させるまでの時間でよもや話をした
お互い良くなってリハビリが進んだらゴルフに行こうと約束した
徐々に身支度や退院の準備を進めていく 10時には看護師からお呼びがかかり退院となるはず
無事に退院となり1W過ごした部屋に展開した荷物類をキャリーケースにしまっていく
次の放射線治療と抗がん剤は28日開始ということでS先生とも会話 10時に母親にクルマで迎えに来てもらった
たかだか8日間の入院生活だったが、胃ろう手術の痛さやその後のベッド生活での不自由さ、手術前後4日にわたる絶食もありとても長く感じた やはり入院はできればしないで終わりたい その後実家の家でゆっくり過ごした
9/24-27
退院後のこの間は胃ろうの痛みをコントロールしながら家で過ごしていた。最後の抗がん剤治療から3週間の時間が空いたため顔のニキビ状のざ瘡はだいぶ良くなってきている。
抗がん剤が身体から確実に抜けているということだが、これによってがん細胞が再活性化しないか心配になる。
胃ろうの痛みも時間の経過とともに癒えてきた。
入院中は自動リクライニングがないと体を起こせなかったし、くしゃみや咳払いでも患部が傷んだがこれもそこまでではなくなったのが嬉しい。
ただ退院して1週間経つが、開けた穴から滲出液と化膿した膿が頻繁に出るため胃ろうに巻きつけているガーゼを頻繁に取り替えている。
味覚は50%くらい戻ってきた。甘味はよく感じるが塩気と旨味はとても弱い。
そんなところまで回復して明日からシスプラチン+放射線がスタート
放射線の副作用でまたすぐに味覚がなくなり、唾液も出なくなり。。。束の間の口からの食事の期間ということなのだろう。
長文になりましたが、お読みいただきありがとうございました。
これから胃ろうの手術をする人に入院前後のイメージを持って頂きやすくするため、入院中につけていた日記全文を掲載させて頂きました。
たかだか胃ろうの造設手術でしたが8泊9日、その間不自由で本当につらい入院でした。
ただ、この時つくった胃ろうにこんなにも頼りきり、こんな長く使うことになるとは思ってもみませんでした。
まさに今に至るまでその後半年以上大活躍することになります。
次回以降の放射線治療の部で綴っていきますが、放射線の後遺症は半端じゃないのです。