08/27 [演劇] 二日月~暗闇の次は光~ | いぽぽぽぱんぱのブログ

いぽぽぽぱんぱのブログ

主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

正直、事前情報は仕入れていなかったのですが、ちょうど 8/11 のAPRICOT公演で北区文化会館に行ったときに、この公演のチラシを受け取り、女の子が座長で主役というようなところにも興味を引かれました。

またこの事業は北区が主体となって、地産地消型の文化創造をするという思いで開催されるそうです。なかなか素敵な取り組みですよね。

そして、土日の2日間4公演のうち、既に整理券配布終了している公演もあるということで、せっかくなので見てみようということで日曜昼公演の整理券を入手。

ただ、出演者全員がオーディションで選出ということですし、どんな雰囲気、クオリティになるのか予想はつきませんでした。

 


開場ちょっと前に北区文化会館へ。会館周辺および内部には絵画が飾られていました。さら~っと眺めつつ開場待ちの列に並びますが、結構大勢並んでいますね。

入場し、さらっと確認すると最前で通路に面しているという私好みの席が空いているので確保。いただいたプログラムを眺めていると、会館周りの絵画は障がい者による作品なんですね。なるほど。
また、そもそも「二日月」という今回の演目が「障がい者」に関するものなんだということにようやく気づきます。

そして、満席の中開演となりました。

で、予定ではまあ普通に1回観たら帰ろうとは思っていたのですが、観たらなかなか素晴らしく、確認したら夜の部はまだ空きがある(日曜夜ということもあると思いますが)ということで、結局夜の部も続けてみてしまいました。それくらいよかったです。

以下、感想などをつれづれに。


キャストには大人も含まれていますけど、全体的な雰囲気というか演出はAPRICOTに似たものがあるな、と。

 

・ストーリーに直接関係するわけではないですが、舞台を非常に豊かにする「少女隊」が含まれていたり(前回のAPRICOT「小公女」でいう「プリンセス」とか「ドールズ」)

 

・歌というかコーラスがうまく組み込まれていたり(APRICOTはアンサンブルだったり出演者自体が歌っていますけど、今回は4名の専門のコーラス隊という違いはありますけど)

 

・ピアノやチェロの生演奏で盛り上げていたり

 

・大道具というか小道具は極力少なく、立方体の箱をいくつかうまく組み合わせて使う感じだったり、、、

・プログラムをよく観たら、脚本とか演出指導はAPRICOTを手がけている笹部さんですし、演出もAPRICOTのOBさんなんですね。それも納得です。

私はAPRICOTは好きですから、なんの問題もなくスムーズに受け入れられましたけど、APRICOTを観たことがない人は結構新鮮なのでは? とも思いました。

 

また、それは観客側だけなく、出演者の皆さんも同じなのかな、と。キャストはすべてオーディションということですから、演劇は始めての人だったり経験者もいらっしゃるとは思うのですが、皆さん新鮮だったのでは? と思います。


まずは何をおいても座長で主役の「杏」役の子。
凄い存在感というか、演技力というか、観客の目を奪いますね。
公演時間1時間半、ほぼ出ずっぱりで膨大なセリフに演技、ものすごいです。

子供らしく非常に早口でまくし立てるような口調の場面が多いですが、言葉がつぶれずに聞き取りやすい発声もお見事です。
もちろん、早口なだけあって時折噛むこともありますけど、それすら子供らしくってリアリティがあるように思えてしまいます。

また、セリフも、通常の「会話」だったり、自分の内面の心理状態だったり、さらにはナレーションというかト書き?的な内容まで、この辺もいろいろ表現しわけるというのも大変だと思うんですけどねぇ。

さらには走っている姿がまたかわいいというか、子供らしく一心に駆けている感じが素敵です。

さすが「座長」です。本当にオーディションで選ばれたのか信じられませんね。経験者をスカウトしてきたのでは? と思ってしまいますね(笑)。


杏ちゃん以外のキャストも皆さん本当に生き生きしています。真由ちゃんの元気さも本当に素晴らしいですし、パパさん、ママさんも迫真の演技ですし、春菜ちゃんの優等生っぷりも、ナオト君の無邪気っぷりも、藤枝くんの明るさも素敵ですね。

また、明確な「役」としてだけでなく、ところどころアプリコットの「アンサンブル」(ほど大きな動きはないですが)的に、時折出演者のみなさんで全体の雰囲気、空気感を盛り上げるかのようにステージ上に出演されるのもいい演出だな、と。


この公演でも「少女隊」の4名はとってもいい役割を果たしていますよね。時折のセリフなどタイミングが合わせるのもなかなか大変だと思いますし、姿勢も綺麗だし、衣装も仕草もとってもかわいらしい。特にボックスに腰掛けるときにスカートをちょっと持ち上げてから座るあたりが形式美というのもありますけど、とってもキュートです。


コーラス隊の4名も、非常に澄んだ歌声でハーモニーも美しいです。
(終演後にお伺いしたところ、合唱部だったりAPRICOTのOGだったりらしいですが)、合唱とはまた違って、非常にストレートな歌声で、言葉が非常に聞き取りやすいのもさすがですね。
通常の合唱とはまた歌い方も全然ちがうと思うのですけどねぇ。

また、立ち上がる、座る、ときおり舞台の方を向く、という動作がまた非常に美しいです。

ただそれらはコーラス隊という役割もあるとは思いますが、舞台正面を見据えて、あくまで無表情というか淡々とされるのがまた逆に印象的です。


またコーラスのメンバの中に見覚えのある方がいらっしゃってちょっとびっくり。APRICOTでは赤毛のアンなどで主役を演じており、非常に記憶に残っていた方です。アプリコット卒業後お見かけするのは初めて。

 

本公演でコーラス隊として出演の他にも、演出助手としても参加していらっしゃるのですね(そしてメインの演出はお姉さんだそうで、、、なんだかすごい演劇姉妹ですね)

 

また終演後、ちょっとお声がけして年末のブログに書いた中央短期大学のCMの件を確認したら、やっぱりご本人だそうで。すっきりしました(笑)。


ピアノとチェロの生演奏も非常に効果的でしたね。特に、チェロのピチカートによる演奏が印象に残っています。


カーテンコールというかアンコールでは出演者での合唱があるのもいいですね。この辺もアプリコットっぽい感じです。
また、夜の公演では2日間4公演のラストということで耐え切れず涙を見せるキャストさんも。半年間一生懸命やった証ですよね。いい光景ですし、こっちもうるうるきてしまいますね。


終演後にいち早くロビーに出てきて「ありがとうございました!!」としてくれて、その後、いろいろ皆さんで交流がされているのもいい光景だし、アプリコットぽいですね。
でも、こういう素敵な習慣(笑)はどんどん取り入れてって欲しいですね。

主役で座長の「杏」ちゃん役の子とかの泣き笑いの表情もと~っても素敵でした。


一応、今回の劇団も「二日月劇団」ということで、正式に継続が決まっているわけではないようですけど、観客の入りもよかったように思いますし、ぜひ継続していって欲しいですね。
個人的には「杏」ちゃんとか「真由」ちゃんの演技はぜひどこかでまた観てみたいな~。。。

(北区文化会館 無料 ですが、お気持ちを木戸銭として投入)