08/26 野上詩織&比護慧子 デュオリサイタル~夏送りの調べ~ | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

ピアノ:野上詩織さん
ソプラノ:比護慧子さん

中央高校の同級生で、現在は別々の大学ですが、音楽を学ばれているお二人の演奏会。このリサイタルが発表になったときから楽しみにしていました。

もちろん、応援しているお二人ということもありますけど、と~っても素敵な演奏会だったと思います。

開場時間ちょうどくらいに会場のスタジオスガマタさんへ。当然ですけど現時点では席はどこでも選び放題。ということで2列目を確保。
ただ...しばらく座ってましたけど「やっぱり最前列で観よう」と思いなおして、最前へ(笑)。

開演までプログラムに記載されている挨拶文などを読みますけど、お二人ともご自身の言葉で率直な文章で非常に好感が持てますね。
特に今日の共演者に対する思いが丁寧に表現されているのが特に素敵だな、と。

そんななか定刻になり、まずは野上さんのソロ。
ピンクで非常に清楚でかわいいドレスですね。まさにお嬢様的な感じ。

普段はどちらかというと天真爛漫というか素直なお人柄ですけど、雰囲気ががらりと変わりますね。素敵です。

演奏の方も全体的にが~っと畳み掛けるような演奏ではなく、しっとりと語りかけるような演奏。選曲もそういう曲がメインとなっています。

個人的には普段は勢いがあって派手な演奏を好みますけど、今日はこういうのもいいな~と。

 

野上さんも結構緊張が見えて、曲間のトークでもかなり早口な感じでしたけど、そんなのも「がんばれ~」です。

今日の演奏曲の中でも、特にショパンのノクターンの1番とボロディンの小組曲が特にしんみりといいな~、と。

ちょっと(というかかなり?)誤解を招く書き方かもしれませんが、おそらくまったく同じ演奏だったとしても演奏者が男性だったり(汗)、知らない人だったらここまで感じるものはないと思うんですよね。

 

私はやっぱり「音」ももちろん大切ですけど、「人」を観に行っているんだな~、なんて改めて感じてしまいました。それが「冷静な目&耳ではなく、単なる「贔屓目」ではないか」といわれれば、うなずくしかありませんね(笑)。

休憩後は比護さんのソプラノに伴奏に野上さん。
比護さんは薄緑のドレス。うっとりするような美しさですね。そして野上さんは伴奏ということもあり黒のドレスにきがえています。大人っぽいですね。

比護さんはプロフィールによると既に本番経験も豊富のようですし、来月には大学でのオペラもあるようですし、さらに「店内演奏」もやられているそうです。


そういうこともあるのでしょうけど、トークでの話し方、立ち居振る舞いなどが非常に堂々としているというか落ち着いていて、上品ですね。

ご本人は決して大柄なほうではないと思うのですが、非常に大きく見えますね。

ただ、それにもまして、歌声が素晴らしいですね。
私が比護さんの歌声を聴いたのは、高校卒業時のコンチェルトさんでの野上さんのインストアライブ以来です。


そのときから素晴らしかったですけど、どうしても「高校生のなのにすごいな~」という部分もなくはなかったと思うのですが、今日の演奏は歌いだしの安定感とか声量とかお見事としかいいようがありません。

 

現時点でも素晴らしいソプラノ歌手になったな~、という印象ですが、まだまだ大学生。特に声楽は年齢を重ねることによって声が出来上がっていく部分も大きいと思いますし、今後ますますどうなっていくんだろう、というのが楽しみですね。

オペラの超有名曲も素晴らしかったですが、特に印象的だったのはロッセリーニの「運命の歌」。

比護さんが図書館で調べ物をしていたときに偶然見つけた曲で、一般的にはまったく知られていない曲(だと思われる)だそうですが、いい曲ですねぇ。

 

また、この曲のときには椅子に座って、本を読んでいるような雰囲気での演奏、そして、さりげなくカーテンが開けられるという演出も。

リサイタルにこういう曲を含めるというのもなかなかできないと思うのですが、いいです。この曲は今後においても比護さんのリサイタルにおける代表曲になるのかな? なんてそんなことも予感させますね。

最後は日本歌曲のメドレー形式の「ふるさとの四季」。日本の童謡などが歌われる場合、あまりにも朗々と歌われすぎて歌詞がわかりにくかったりすることもありますけど、比護さんのはオペラのときとまた印象が変わって随分としっとりと歌詞もはっきりと聴きやすく心地よいです。こちらも素晴らしかった。


ぶっちゃけると、後半は野上さんのピアノがちょっとハラハラするような場面もなくはないのですが(汗)、そんなのに動じることなくお二人でフォローし合って見事な公演をつくり上げるのがまたいいな~、なんて思ってしまうんですよね。
(この辺は我ながら完全に「ひいき目」(笑)が過ぎるとは思うのですが、そう感じてしまうので許してください。。。)


アンコールは椿姫の「乾杯の歌」で晴れやかに締め。まさしく、お二人の未来に「乾杯!!」です。

演奏会後もしばらく余韻にひたっていたくなる、そんないい演奏会でした。

(スタジオスガマタ 500円)