一平乃介のブログ -32ページ目

自分の中でいつの間にか目指していた目的地である京都の地を、向かってくる台風よりも早く踏み、捕まる前に踵を翻し余裕綽々で先行してやろうと企み従兄宅を出発。

がしかし21号線前方の空はどんより重い雲に覆われている。通り雨位なら乗り切って走るつもりでいたのだが、次第に強烈になる雨足と、周囲車両のしぶきによる視界不良に真上の雲の中から響く放電と轟音に危険を感じ、ドラッグストアの屋根の下にて一時待避。

トイレでぐっしょり濡れた服を着替えるが下着を忘れた事に気付く。
だがこの際、また濡れて着替える事になるのなら最初から二枚も履く必要がないことに気付く。
旅装は機能的でシンプルがいい。

中山道を下り、この辺りは風情あふれる宿場群が各所に多く軒を連ねている。
日照時間の余裕があるうちに名古屋に入ってしまおうかと思ったが、せっかくなので雰囲気だけでも持って帰ろうと思い、宿場群の一つである馬籠宿に道を逸れた。
単車を停めて街道の入口に立つと、かなり急な登り坂が道をくねらせて続いているようだった。
真ん中に1メートル幅の石の平板が敷いてあり、その両脇に川砂利や玉石が不規則にごつごつコンクリートの中に埋め込まれている。
両側には陽に焼けた古い木の板が貼られた木造民宿の立派なものから質素なものまでが並び観光客が行き交う。
水車や餅屋、土産物屋などもあるが、気持ちが急いていたのと元々早足なのが相成り、半ば駆け足で見晴らし台まで一気に登り、下ってきた。

まだ文明の利器がない頃はこの宿場も旅装夫や商人や浪人、修行僧なんかが行き交い、宿の女将やらがもてなす活気に溢れていたのだろうな。
そんな想像の中に早足で悪路を駆け上る自分の姿を重ね、その時代の中で妙に違和感ない姿に吹き出し、なんだか嬉しくなった。




ちょうど昼に東京をでて、走ったり200キロ弱。
只今長野は伊那に来ております。
夜の始まりにやっと野営地を見つけ、急いでテントを張り食糧を調達。
ようやく落ち着いて晩酌中です。
隣には蝉がいる。触れても逃げる様子がない。最近なんとなく、ごく普段鳥や虫との距離感が近くなった気がしてる。
人間の角が取れたとか?
感覚のウェイトが変わったとか?

一人で部屋でテレビを見ている事よりも斜め前の光に寄ってくる蛾や蝉や蟻の活動が孤独の慰めになると感じる。









iPhoneからの投稿