中山道を下り、この辺りは風情あふれる宿場群が各所に多く軒を連ねている。
日照時間の余裕があるうちに名古屋に入ってしまおうかと思ったが、せっかくなので雰囲気だけでも持って帰ろうと思い、宿場群の一つである馬籠宿に道を逸れた。
単車を停めて街道の入口に立つと、かなり急な登り坂が道をくねらせて続いているようだった。
真ん中に1メートル幅の石の平板が敷いてあり、その両脇に川砂利や玉石が不規則にごつごつコンクリートの中に埋め込まれている。
両側には陽に焼けた古い木の板が貼られた木造民宿の立派なものから質素なものまでが並び観光客が行き交う。
水車や餅屋、土産物屋などもあるが、気持ちが急いていたのと元々早足なのが相成り、半ば駆け足で見晴らし台まで一気に登り、下ってきた。
まだ文明の利器がない頃はこの宿場も旅装夫や商人や浪人、修行僧なんかが行き交い、宿の女将やらがもてなす活気に溢れていたのだろうな。
そんな想像の中に早足で悪路を駆け上る自分の姿を重ね、その時代の中で妙に違和感ない姿に吹き出し、なんだか嬉しくなった。