★共通項:意思の疎通(理解)はどの様にされるか。
過去にあった経験や知識と比較して、自分なりに解釈するものを認識、その情報が正しい或いは共通認識されるものを理解と呼ぶ。
★音声認識:知識と育成
スマートフォンに搭載されている音声認識、使っている人は多くないかもしれないが、実はスゴイ技術が使われている。
例えば、「しょうじょう」という単語。
症状、賞状、商状など、同音の言葉が多数ある場合、前後の言葉で認識する。
ただ、知識を与えないと理解してくれば場合も多い。
例えば、東京を「トウキョウ」や「トーキョー」など人によって発音が違う単語、なげるを「捨てる」と理解する方言など、複雑な言葉は、予め認識させておくことができる。(iPhoneのSiriのみかもしれない)
育った環境によって性格、人格を形成していく人と、知恵を与えていって相互理解を深めていく音声認識。
子育ての様に、諦めずに教えていけば「理解してくれないし…」「扱い方がわからない…」そんな状況を越えられたら、きっと愛すべき機能になるのかもしれない。
★文章理解:単語を繋ぐ
単語だけでなく、文章で意味を理解してもらうには、更に難しいものになる。
「東京の天気は?」なら大丈夫でも、「明日、東京の天気は?」になると3つの単語が絡み合うと…
「あす、とうきょう」→「あすと、きょう」
『明日と今日の天気は?』に間違って認識されてしまったりもする。
「私」といえば自身を指すけれど、「私の家」といえば住んでる場所を指すし、「私の家の冷蔵庫」といえば家電を指すし、「私の家の冷蔵庫を買った店」だとお店が主体になる。
人間はそんな構造を自然に理解するが、機械にとっては文章の意味を理解することは、とても難しい。
★会話:シンプルに明確に
例えば、あなたが道で「すみません。怪しいものではないんですが…」などと知らない人が話しかけてきたら、それだけでスゴく怪しく感じませんか?
「すみません。ここを探しているんですが…」とシンプルに話しかけたほうが、質問の意味をすぐに理解できるし、知っていれば親切に教えてあげる事でしょう。
普段の会話でも、余計な一言を加えてしまい、相手に誤解されてしまうことが度々起きる。
だからといって、単語だけでコミュニケーションをとるのは少し悲しい。
「めし!」「ふろ!」「ねる!」の3つの単語で家庭内の会話を済ませてしまえたのは、遠い昔の話なのだろう。
話を戻すと、単語で話すだけでなく、シンプルな文章にすることが大切。
音声認識で、番号を知りたいときに「〇〇、電話」だと場合によっては、いきなり電話をかけてしまうこともある。
しかし、「〇〇の電話番号」と話しかければ、番号が表示される。
すぐに通話をしたい場合は「〇〇に電話」と言えばいい。
「東京都内で家電が安いところ」なんて話しかけ方は要注意。
人間は量販店の名前を挙げたりするが、コンピュータはユーザーが知りたい「ところ」が「地域」を指すのか「ショップ」を意味するのかを推測するのが苦手なようだ。
気が付かずにあいまいな指示を出してしまうことがよくある。
指示が曖昧だと機械は答えに行き詰まる。
★段階を経て:接続詞をうまく使う
接続詞「の」「に」「を」等を使うのは、1回に1個か2個がベスト。
内容が複雑になる場合は、
「Webで検索」→「何を検索しますか?」→「◯◯のWEBサイト」
と2つのフレーズにわけると、一気にスムーズになる。
「あれを処理してから、次にこれをやって、終わったらそれを処理して…」
なんて一度に全て言われたら、人間も理解は難しいもの。
段階を経て、「今はあれを処理」「終わったなら次はこれを処理して」
と言われたら、明確に伝わるし、混乱を招くこともないだろう。
★応用
意外に知られていないのは、音声認識機能に事前に登録しておける幅の広さ。
「私のことは〇〇と呼んでください」
「〇〇を兄弟/父/母として登録してください」
などは音声入力で登録できるほか、アドレス帳に住所を登録しておけば、
「自宅に着いたら「◯◯さんに電話をかける」を覚えておいて」等でリマインダーを作成できる(iPhoneのSiriの場合で、Androidは知りません)。
★まとめ★
1.「知りたい、教えてほしい」「してもらう事」を明確にする。
2. 事前に教えておける情報を伝えておく。
3. 伝える時は、わかりやすく、シンプルに。
こうしたスマートフォンの音声入力のルールを「面倒くさいなぁ」と感じる人も多くいるかもしれない。
しかし、「シンプルで明確な指示を出す」という心がけは、ビジネスやプレゼンテーションではとても大切。
なんで通じてないんだ?と思う場面もあるかもしれないが、本当は指示の出し方が曖昧である事も多い。
相手を怒らせるようなストレートな表現も避けるべきだけれど、あまり遠回しな言い方もビジネスでも人間関係でも上手くいかない。
そしてこれが最も重要な事。
4. 「忙しいところ、すみません」「ありがとう」と一言添えることも忘れずに。