最近、焙煎の記事を投稿してませんでしたが、特に変わり映えしないので投稿してませんでした笑
久々に投稿したのは焙煎前に豆を洗ってみたと言う話です。
以前から、豆を洗うと言うスタイルがあるのは知ってましたが、◯◯メソッドと言う様なものまである様ですね。
ただ、豆を洗う事って「正直、どうなん?」と思ってました。
豆を洗う立場の人から良く聞くのは「生豆は汚い」と言う話で、洗う事で綺麗になる。と言う話です。
現地の水もそれ程綺麗で無ければ、輸送の為に利用する農薬?の類も使われてるケースもあるそうで、それは確かにそうかもしれませんね。
只、それって、そう言う条件で(それを洗わずにそのまま焙煎)これまで長いこと飲まれて来た訳で、だからどうなん?と思ってましたし、そんなもんが多少洗ったくらいで落ちる?豆にも染み込んでるやろ。とも思ってました。
良く「安いウインナーには◯◯が使われいる」とか今の食品って、事細かく見れば何も食べられない様な状況ですから、今さら珈琲程度気にしてどうすると思ってました笑
では何故洗ってみようと思ったか?と言えば「焙煎の仕上がりが良い」と言う発言を読んだからです。
これには「ほう」と思いました。
自家焙煎で、特に自分が使っている「手網」の様なオープンな状態だと一定の空間内で閉鎖的に焙煎出来る業務用の焙煎機(手鍋もそれに類するでしょう)と違って、加熱ムラ=焙煎ムラができやすいんですよね。
これは直火の場合は尚更ですが、私がやっている溶岩プレートによる遠赤外線によるものでも溶岩プレートの温度が完全に均一では無いので同様に発生し、自分はこれを低減させる為、ヒートガンを併用して、豆の状態によってスポットで加熱していました。
ただ、洗う事で豆が濡れた状態であれば「もしかすると?」と言う理由が何となく思い浮かんだからです。
で、早速、今回の焙煎で生豆を洗ってみました。
豆はこの2種類で、各200g焙煎しました。

上記の方法では50度で洗うと言う事でしたが、疑り深い自分はやはり「どうなん?温度なんてそこまでこだわる必要あるん?」と思い、まあ、水道は冷たいので給湯器でお湯にして、一応、ポットで沸かしたお湯を差して多少温度を上げて洗いましたが、そこまで意義を感じなかったので几帳面にはやってません。
初めて洗うと、確かに、1回目は何が出ているのかは分かりませんが緑色の液体になりました笑
問題は、写真は既に3回目くらいのものですが、要するにチャフが結構出てると言う事です。
かなりのチャフが浮いてますが、洗う事で、相当のチャフが外れます。
自分はその程度でチャフが落ちるとは思っておらず、これは予想外。百聞は一見に如かずで、それなら!と、ゴシゴシ、米を研ぐ要領で洗ってチャフを落としました。
あまりお湯に漬けるのは良くないだろう(焙煎時間が長くなる)と何となく思ったので、洗ったらすぐにザルに入れて、再びお湯をボールに入れて洗う。と言う事を繰り返し、お湯に漬ける時間は出来るだけ短くしました。
で、大抵、チャフが落ちるまで何度か洗った後、布巾に豆を広げて、茶巾絞りにしてモミモミして水分を軽く落としました。
洗う人の場合、水分をかなり落とす=乾かす人が居るそうですが、今回「焙煎の仕上がり」が良いと予想した重要要素が「水分」なので、この状態ですぐに焙煎開始しました。
別にこれを行う時に、上のサイトを読んでた訳では無いのですが、上のサイトにも「水蒸気焙煎」と言う項目があり『洗った豆を濡れたまま焙煎します。蒸すことによって豆の芯まで熱が加わり精製時に浸み込んだ現地の水を抜くことができます。豆内部の生焼けが無くなり、表面を焦がさず燻さず焙煎できます。』と書かれてありました。
但し、これは「果たしてどうなん?」と相変わらず疑り深い自分は思ってしまいました笑。
特に『蒸すことによって豆の芯まで熱が加わり精製時に浸み込んだ現地の水を抜くことができる』と言うのは「どうなん?」の極みです。
いや、結果として加熱により水蒸気は出るけど、水蒸気で焙煎している訳じゃないよね笑
但し、洗って、チャフを落とし、濡れたまま焙煎するのは、特に焙煎の仕上がりに効果があると考えています。
例えば、自分の場合は遠赤外線で加熱していて、豆の周りに水分がある為、熱伝導率の良さで豆の内部へ熱が早く均等に伝わっているだけで、その過程で、熱を伝えた水が気体となって蒸発をしているだけです。
一番のポイントは「空気と水との熱伝導率」の違いです。
キャンプで濡れた軍手で飯盒の柄を掴むと火傷するので乾いた軍手を使うと言われてますが乾いた軍手を使うのは水と空気の熱伝導率の違いで、水は熱を伝えやすい媒体です。
洗う事によって、生豆の外側にあるチャフ=シルバースキンが落ちて、豆そのものに熱が伝わりやすくなると同時に、豆が濡れる事で、より豆全体に熱が伝わりやすく、且つ、水分によって豆全体が均等に早く加熱される筈で、これは物理の法則であって間違いないでしょう。
私の今までの方法ですと、乾煎りですから、豆の大きさの違いや生豆そのものの水分含有量の違いによって早い段階から焦げる豆もあって、焙煎ムラが出てしまっていました。
只、これはこのオープンな部分加熱的な方法では仕方ない事だと思ってましたが「仕上がりが良い」と言う話を読んで、チャフを外して洗い、水分を含ませる事で、加熱が均等になるのでは?と思ってやってみたのです。
大成功!
これまで焙煎初期で、これだけ豆が均等に白くなるのは初めてでした。
仕上がりも、今までに比べるとかなり均等に仕上がっています。
今回は敢えて加熱が難しい中煎りで仕上げたかったのですが予定通りでした。
自家焙煎で難しいのは浅煎り〜中煎りで、深く煎るのは単に長くして焦がせば良いだけですので簡単で、誰でも真っ黒な豆で苦い珈琲は焙煎できるのですが、中煎りくらいの仕上がりは温度管理が難しい自家焙煎では中々難しく、特に手網の直火等となると一層難しくなります。
「手鍋」の場合は多少マシですが、何せあの重たい鍋を常時振るのは私には無理笑
自分の方法だと基本は溶岩プレートに載せた状態ですし、ヒートガンを併用すると加熱の時間も調整出来ます。
但し、楽な反面、揺する時間が少ないと言う事はチャフが豆の表面に残りやすいと言う事で、素晴らしいのが焙煎後に豆に残るチャフが全くない事です。
そう言う意味でも仕上がりが綺麗で、チャフは珈琲の味には関係無い部分ですから、それだけでも美味しくなってる筈ですね。
最近は、焙煎する時は200gを1バッチとして2〜3バッチ焙煎しますが、1バッチめは従来の方法通り加熱して、2バッチ目は少し工夫をしました。
変更したのは初期の加熱方法です。
今までの方法は、溶岩プレートの加熱のみで乾煎り、初期加熱を行い、ゆっくり豆を加熱して豆の温度が50度を越えてからヒートガンで加熱して100度まで加温していたのですが、やはり水分が含まれているので水分が蒸発しながら表面温度が50度まで上がるのに時間が掛かる様でした。
豆を洗うと香りが抜けやすいと言う様な話が出てきますが、別に洗って水で香りが抜けるのではありませんし、そもそも豆の香りと言うのはメイラード反応で生まれるものなので、初期加熱の水蒸気で抜ける事も恐らく無いでしょう。
そこで、2バッチめは溶岩プレートに載せるとすぐにヒートガンで加熱をして100度まで一気に持って行きました。
今までの乾煎り状態で、これをやると豆の個体差で焙煎ムラが激しかったのですが、驚く程綺麗な状態で100度まで上がりました。
水分によって均等に加熱されたと言う事でしょう。
一気に綺麗に100度まで上げられたので、結果的に、トータルの焙煎時間も短縮出来て言う事無しでした。
一番驚いたのが焙煎後のチャフの少なさ。
今までだと2バッチ焙煎するとチャフはこんなものではありません。
そりゃ洗ってあれだけチャフが落ちたらこの程度になるでしょう。
その上、思わぬ副産物が部屋で焙煎の臭いがしない事。
焙煎していると煙がモウモウと出るんですよね。
自分はダクティングをしているので、それでも家の中に充満する事は少ないのですが、焙煎直後に冷却用の網に広げて冷却開始暫くは、やはり煙が出るので、結局それが部屋に広がります。
大抵、数日は臭いが取れないのに、今回、その臭いが殆どしません。
何故?と思いましたが、要するに、あの煙や焙煎時の臭いって殆どはチャフが燃える臭いで、それが少なければ当然臭いも少なくなると言う事でしょう。
味ですが、今回、中煎りで普段よりやや浅めに仕上げたので、円やかで飲みやすい仕上がりでした。
クリアな印象もあるのは洗った事で、チャフを含めた不要な要素が低減されているからだろうと思います。
但し、その中に味の深み等も含まれていて、この豆の持つ本来の美味しさがしっかり出たのでは無いかと思いますし、今回の焙煎は成功でした。
ちなみに、最近はHARIOのSwitchを使って仕上り量の半分のお湯を投入して1分間浸漬させ、その間に木製のマドラーで撹拌。その後、栓を開いてサーバーへ落とすと同時に撹拌して豆が付着したマドラーを洗う様にマドラーにお湯を掛けて残りの量を差して規定量の仕上りにしています。
要するにハイブリッドですね。

まあ、上記のサイトで言われる様な衛生面や健康面の効果は自分は分かりません。
只、ほんの僅かの手間で、これだけ目に見えて良い事尽くめなら「焙煎前には豆を洗う」一択だと思いましたし、自分の焙煎のルーティンに加える事としました。
日々の焙煎量が多い自家焙煎店等は採算上難しいかもしれませんが、自分や家族が飲む為に焙煎をやっていて工賃等のコストが無視できる人なら、絶対洗う方が良いと思いました。