チェロの弦を洗ってみました。
実は弦を洗うのは初めてでは無く、チェロを始めてすぐの2014年に弦を洗ったのですが、この時は別の理由でした。
当時使ってた松脂のマジックロジンと言う松脂が弦に付着して、それがヌルヌルして弓が滑ると言う現象が発生した為です。
コントラバスで言うカールソンを塗り過ぎて滑ると言う現象ですが、その後、この松脂を使わなくなってから、そう言う現象が出なくなったので、塗り過ぎや季節とは関係が無かった様です。
洗ってみると松脂が落ちる他、音色も良くなったので、洗うのは効果があるのは知ってましたが、今回は弦の再生、リボーンです。
今張ってるEVOKEは昨年の7月に買ったので、未だ充分使える印象ですが、新しかった時はGCの下の2本は、スピロのタングステン弦が新しい時に似たもう少し金属的な響き(明るい音)がしてましたし、ADに関しても良いか悪いかはともかく長いサスティンがありました。
今は、上のサスティンも下の金属的な響きも無く、良く言えば落ち着いた音色となっていますが、悪く言えば、上は固い音、下はボケた音と言っても良いでしょう笑
8ヶ月と言うのは、自分の交換サイクルからすると長いと言えば長いので、以前なら交換してたのですが、最近の弦の高騰は見過ごせない価格ですし、もう少し長寿命化出来れば言う事はありません。
まあ、ダメなら交換するつもで、昨日、下2本を先に洗ってみて確認した後、結果に満足でしたので、上2本を洗いました。
下2本を先に洗ったのは新しい時と時間が経過した時の音色の差が大きいからですが、前回、中性洗剤で洗った方法を止めて、今回は鉱物由来でもあるセスキ酸ソーダを使ってみました。
セスキを使ったのは油汚れや手垢等に効果がある為ですが、これを小さじ1杯程を水に溶かして沸騰させた物で洗ってみました。
正確には沸騰ではなく、沸騰直前くらいまでで火を止めているので90〜℃くらいでしょう。
セスキは温度が高い方が効果があるそうですが、このくらいでも充分でしょうし、弦を手に持って洗うので沸騰していると湯気で熱いからです笑
洗う場合も、巻線が濡れるとほつれる為、巻線にお湯が浸らない様に巻線部分をテープで巻いて、その部分を持って金属部分を湯に付けて洗いました。
とは言っても多少、巻線は濡れるので、乾いて張った最後にほつれた巻線に薄く透明のボンドをちょっと塗布してまとめてます。
セスキを溶かしたお湯で洗った後は、一旦水洗いして、最後にストリングクリーナーで、弓が当たる部分に付着している柔らかくなった松脂等を綺麗に落として、巻線が乾くまで外で干しました。
自分が今手持ちだったのはストリングクリーナーはこれですが、単なるクリーナーですね。
特に良い悪いよりも安かったから使ってます。
下2本を戻してみて、新しい時の状態に戻ったのが確認できたので、上2本を外して同様に洗いましたが、細い弦は軽くて重量が無いので、ちょっと洗うのは手こずったものの、こちらも洗って装着してみた結果は満足の行くものでした。
全体的に新しい頃の輝かしい音色が戻って来ましたし、上2本のサスティンも長くなりました。
明らかに張って8ヶ月経過した音じゃないと思います。
この後、何処まで使用できるか分かりませんが、やって損は無かった様です。
ちなみに、セスキは金属によっては弱い物があり、アルミには腐食性があるので、チェロのEVOKEはアルミ巻線を使ってない事を事前に確認しました。
以上、良い子の皆さんは真似しない様に笑
但し、毎回、外して洗うのも面倒なので、今回、これを手に入れました。
以前から、こちらは使ってたのですが、今回手に入れたのは弦の寿命を伸ばすのが目的のものです。
DR ストリングケアリキッド STRING LIFE
DRStringsというエレキギター等の弦を作っているメーカーが出している弦の劣化を低減するリキッドポリマーで、エレキギターの世界ではそれなりに知られている様です。
まあ、チェロの弦と言っても、スティール弦の場合、エレキギターの弦と構造や材質はそれ程違いは無いので、同じ様な効果があるのでは無いかと思います。
説明には
「ストリングライフは、ノンシリコンのストリングケアリキッドです。
弦を工場出荷時のポリマーコーティングされた状態に保ち、錆び、汚れなどによる劣化を防ぎます。
通常のストリングメンテナンスリキッドがオイルなどで水分を遮断するのに対して、ストリングライフは不均衡電位に対し負の電荷を与えることでサビの発生を効果的に防止します。
使用後、約24時間で付着している錆びや汚れを浮かせ、その下でナノポリマーが分子レベルで結合、錆びや汚れを除去し再発生を効果的に防ぐため、古い弦の磁力への反応を高める効果も期待できます。 」
とあります。
「磁力(ピックアップでしょう)への反応を高める」と言うのがエレキギターの弦用らしいですね笑
それにしても原理がイマイチわかりません。
最近、1日に数回は必ず利用するchatGPT(自分はチャッピーと呼んでますが)へ問い合わせしてみました。
※chatGPTに関しては又別の機会にするとして
チャッピーに尋ねてみたら、こんな説明が返ってきました。
自分
「DR ストリングケアリキッド STRING LIFEの説明の中で『不均衡電位に対し負の電荷を与えることでサビの発生を効果的に防止します』とあるんだけど、もう少し、この原理を分かりやすく説明できる?」
チャッピー(chatGPT)
「DR ストリングケアリキッド STRING LIFE」がどのようにしてギターの弦のサビを防ぐのかを科学的に説明している部分ですね。もう少し分かりやすく説明すると、以下のようになります。
1. サビ(酸化)の発生メカニズム
金属(ギターの弦)に水分や空気中の酸素が触れると、電子が奪われることで酸化(=サビ)が起こります。
特に、弦の表面には部分的に電位の不均衡(=電気的な偏り)が生じることがあります。この不均衡があると、電子が抜けやすくなり、結果としてサビやすくなります。
2. 負の電荷を与えるとは?
「負の電荷を与える」とは、簡単に言うと、電子を補給してあげることです。
STRING LIFEは、弦の表面に薄い保護膜を形成し、そこにマイナスの電荷を帯びた成分が含まれていると考えられます。これによって、弦から電子が奪われるのを防ぎ、酸化(サビ)の進行を抑えるわけです。
3. まとめ
金属は電子を失うと酸化(サビ)する
STRING LIFEは弦に負の電荷(電子)を供給し、電子が抜けるのを防ぐ
その結果、サビの発生が抑えられる
つまり、STRING LIFEは「弦の電子を守ることで、サビを防ぐコーティング剤」と考えると分かりやすいですね!
追加で不明点を質問しました
自分
「そのマイナスの電化を帯びた成分って何だろう?弦を傷めないのかな?」
チャッピー(chatGPT)
マイナスの電荷を帯びた成分については、メーカーが具体的な成分を公開していないので推測になりますが、一般的に考えられるのは以下のようなものです。
1. 考えられる成分
(1) 帯電性のある保護ポリマー
- シリコーン系ポリマーやフッ素系ポリマー(例:テフロン系)などは、金属表面に薄い膜を作り、電荷を帯びる性質があります。
- これらのポリマーは絶縁性が高く、弦を直接傷めることはほぼありません。むしろ摩擦を減らし、弦の寿命を延ばす効果が期待できます。
(2) 陰イオン系の防錆剤(腐食抑制剤)
- 金属の酸化を抑えるために使われる「陰イオン系防錆剤」(例:リン酸塩、亜硝酸塩など)も候補になります。
- これらは金属表面に吸着し、酸素や水との反応を防ぐ働きをします。
- ただし、ギターの弦に適用される場合は、できるだけ音や手触りに影響が少ない成分が使われていると考えられます。
(3) 電子供給型の抗酸化剤
- 一部の防錆剤には、金属の電子を奪われにくくする「抗酸化成分」が含まれていることがあります。
- これにより、弦の電子が安定し、サビに強くなる可能性があります。
2. 弦を傷めないのか?
基本的に、ギターの弦向けに作られている製品なので、弦を傷める成分は含まれていないと考えてよいでしょう。
むしろ、弦の摩擦を減らして寿命を延ばす効果が期待できます。
ただし、**「塗布後にベタつく」**と感じる場合は、余分な成分を拭き取ることで快適に使用できるはずです。
また、コーティング弦(Elixirなど)との相性は製品によるので、注意が必要です。
結論
-
おそらくポリマー系成分や防錆剤が使われている
-
弦を傷めるどころか、むしろ保護する目的で設計されている
-
ただし、使用感には個人差があるので、試しながら調整するとよい
もし実際に使ってみて違和感があれば、乾拭きで調整するといいですね!
以上ですが、なるほど。つまり、オイル系の様に空気と接触させないで防錆する訳では無さそうです。
YouTubeでも比較動画が上がってましたが、かなり効果がある様で、今から気温も上がり汗もかきやすくなれば、湿度も高くなる季節ですので、これを使えば良い状態が長続きするのでは無いかな?と期待してます。
まあ、クラシックの世界の人は、こう言う物を使うのは抵抗がある人は多いんでしょうけど、元々が中学校のアコギから始まり高校でエレベ、大学でコントラバスと来てるので、感覚的に抵抗が無いんですよね。
その為、全く気にしておらず、コントラバスの頃から、フィンガーイーズ、チェロでもFAST-FRET等を使ってました。
これらはどちらかと言うと弦の保護よりもフィンガリングがスムーズになるアイテムで、特にフィンガーイーズはコントラバスで重宝しました。