私がHARIOのSwitchを選んだ理由 | iPhone De Blog

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iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

先日、こちらの記事で紹介している藤居醸造さんの奥様が扱ってらっしゃったクレバードリッパー=浸漬法の珈琲。

 

未だ試作中で扱いに慣れてないレベルなのに、自分がホテルでハンドドリップで淹れたものよりも明らかに美味しかったので非常に興味を持ちました。

 


この「浸漬法」と言われる抽出方法に関する説明は私よりももっと専門的なサイトを見て頂くとして、自分が見たクレバードリッパーとHARIOのSwitchの2つがどうやら2強の様で、それぞれにファンが居る様ですが、自分は頂いたV60フィルターが大量にある事や自分が珈琲をスタートしたセットがHARIOのこれ

 

 

その後も、電動ミル含めて従来の器具がHARIOで統一されている事やその他の点を考慮してHARIOのSwitchを選びました。

※その他の点が本題ですが笑それは後述します。

 

 

初めてのガラスのドリッパーはしっかりした厚みと美しいデザインが良いですね。

 

ちなみに、このSwitchは容量が200mlと360mlの2種類があります。

 

200は02型、360は03型のペーパー使う様に書かれていて、自分の在庫は02型だったので、最初は200を選びましたが、これだと出来上がり量が少ない為、360にしました。

 

恐らくフィルターに関しては出来上がり量が少なければ02でも良い筈で「大は小を兼ねる」筈?

 

03型のフィルターは付属していましたが、比べてみると結構大きさが違うんですね。

 

 

このSwitchはガラスのドリッパー本体と下のシリコンの土台の2つで構成されていますが、この本体は一般的に販売されているドリッパーと同じ物だそうです。

 

その為、仮に使用中に破損したと言う事があっても、ドリッパーを買えば使える様ですし、小さいサイズのドリッパーを手に入れて交換すると言う事も可能です。

 

 

ちなみに360に02型を入れるとこんな感じです。

 

03型はこれなので、やはり大きさがかなり違う様ですね。

 

これまで使っていた樹脂製ドリッパーは02型なので一回り小さいですね。

 

実際に使われている方や詳しい方は既にご存知ですが、抽出部分の構造は何れも下部に栓となる物があって、それを操作してドリッパー本体に溜まった珈琲を本体に溜めて、その後抽出すると言う操作を行います。

 

この部分の構造に関しては、クレバーがドリッパー本体含めて全て一体となっているのに対してHARIOは別構造となっていて、その他、クレバーは樹脂製で蓋付きに対して、HARIOはガラス製で蓋無しとなっている点が異なります。

使用している人や比較レビューでは一体型なので洗浄はSwitchの方が楽そうだとありましたが、確かに本体を取り外す事が出来ますし、下のシリコン部分も洗えます。

 

恐らく、珈琲の味に関して影響するのは、ドリッパーそのものの形状(クレバーはフィルターが台形、HARIOは円錐)と材質、蓋があるか無いかと言う点だと思います。

 

台形の方がお湯と接しやすいと言ってる人が居ましたが、半ば浮いている様な状態なので、この点は円錐と大して変わらないんじゃないの?と私は思いましたし、どちらかと言うと抽出している状態の方が影響すかもしれません。

 

先日見たクレバーは結構落ちるのに時間が掛かってましたが穴が小さいんでしょうか。HARIOのは穴が1穴で大きい為、ドーっと言う感じで流れていきます。

その為、クレバーは抽出の時間が浸漬している時間+αで影響しているかもしれませんね。

 

色々レビューを見る限りは、先ず、台形か円錐かと言う構造に関しては好みによるものが大きいと思いますし、特にバリスタになりたいと思ってる訳でも無く、個人で楽しむレベルで、既にHARIOの味に慣れているのでそこは気にならないとして、材質と蓋があるか無いかと言うのは気になる点です。

 

当然ですが、お湯に長く豆が浸っている浸漬法ではお湯の温度はかなり重要な問題でしょうから、これが数分の間に変化しやすいと言うのは再現性の上で欠点と言えるでしょうし、客に一定の再現性で珈琲を提供する必要があるバリスタにとっては尚更だと思います。

 

動画やウエブサイトで情報を提供している人達はプロのバリスタや珈琲を提供している店の方が多い様ですが、その目線で行けば、投入するお湯の温度の低下をあまり気にする事なく、一定のクオリティで提供できるクレバードリッパーが優れているとなると思われます。

 

特にHARIOの場合は蓋も無ければ、ガラス製ですのでお湯を入れればすぐに温度が下がるのは当然です。

 

只、私の様な個人で美味しい珈琲を楽しみたいと言うレベルであれば、本体は何せHARIOのノーマルのドリッパーです。

 

このドリッパーに浸漬機能が付属したものと考えると、これまでの透過法の使い方もできれば、浸漬法でも使え、そのハイブリッドも出来ると言う点が、如何にも、手作りのアマチュアっぽい雰囲気で好ましく感じますし、使い方によっては再現性の高いクレバーのクオリティを越える様な珈琲も飲めるかもしれません。

 

この辺りはプロオーケストラとアマチュアオーケストラの違いに似ているなぁと思います。

 

プロは常に一定のクオリティを出しますが、アマチュアは時として、その曲の中でプロオーケストラを越える様な感動を「偶然」生み出す事も少なくありません。

 

自身で手間が掛かる溶岩プレートを使った焙煎をしている自分にとっては、使い方によって、二度と飲めないんじゃないか?と言う様な美味しい珈琲が飲めるかもしれない、Switchの方が面白い器具だと思いました。

 

ただ、そうは言うものの温度が下がると、飲んでいる珈琲の温度変化による味の変化を楽しめませんので、取り敢えず、浸漬法及び透過法に関わらずドリッパーがガラス製なのでお湯で温めるのは「お約束」とする必要があります。

 

まあ、この手間に関しても予熱の必要が無いクレバーはプロに好まれるのでは無いでしょうか。

 

但し、一般的な透過法と違って、お湯が溜められる構造となっているSwitchはこの様に一旦栓を閉めてお湯を入れて、ドリッパーを温めた後、それを下に落としサーバーを温め、その後、そのお湯をカップへ入れると言う流れにすれば全ての器具を温める事ができますので、ドリッパーをしっかり温める事ができます。

※私、ペーパー臭的ものはあるのか無いのか分かりませんし、お金を取って人に出すのでも無く、お湯ももったいないので一度のお湯で全て温め様と思います。

 

 

少なくともガラスと言うのは一度温めると体積もあるので比較的温かい状態を保ちますし、やってみた感じではこれで充分そうです。

 

ちなみに、どうしても蓋が欲しい方はPYREXのガラス容器の蓋がジャストサイズで使えます。

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当然ですが、上にお湯が入ってても下に落ちてない絵が不思議です笑

 

Switchを押すとあっと言う間に気持ちよく下へ落ちて行きました。

 

HARIOの説明書では中細挽きを36gで440mlのお湯を投入すると出来上がりは360mlとあります。

 

豆がお湯を吸収するからだと思いますが、この比率は普段自分がHARIOの器具で珈琲を淹れている量と同じですね。

 

自分は基本、12:1で淹れているので、豆の量が10gと分かりやすい一杯分の出来上がり量を120gで淹れています。

 

この場合、経験上2割程が豆に吸収される様ですので、140〜150gのお湯を1杯に使用していますが、上記の浸漬法でもこれに従いました。

 

 

今回、初回テストで、先日手に入れた阿蘇高森の黒柴コーヒーさんの豆を使ってみました

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少ない量(02型ペーパー)でもちゃんと抽出できましたし、やはりハンドドリップで飲むよりも豆のキャラクターが良く出てきます。

 

ハンドドリップだとやや弱い(マイルドな)キャラクターがしっかり出た印象です。

 

その後、バーベキューコンロのWeberで焙煎した在庫のミャンマー のマイクロロットを飲んでみました。

こちらは炭火で焙煎し比較的中深煎の深煎に近い仕上がりにしました。

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何れもキャラクターが前面に出たのですが、正直、美味しい珈琲を飲むにはキャラクタが「出過ぎ」と言う印象でした。

酸味のある黒柴さんの豆はもう少しマイルドな方が好みですし、炭焼した物は炭火で焦げた味まで出てる様で、如何にも「炭焼珈琲です!」と言う味で、こちらももう少しマイルドな方が好みですね。

 

標準的な2分程度の浸漬でこれだけ強烈ですから、クレバーの様に4分も浸漬する器具であれば、浅煎りとかの方が合うのかもしれませんね。

 

私は業界の事は全く知りませんが、珈琲の師匠が浅煎りがブームとチラッと言ってた様な記憶もありますし、浸漬法と浅煎りは相性が良いのかもしれません。

 

と言う事で、ここからがHARIOSwitchの真骨頂ですが、ハイブリッドで使ってみました。

 

量的な物は一切変えずに、お湯を半分、浸漬時間を半分の1分にしてお湯を落とし、その後は残りのお湯で透過法でドリップすると言う方法をやってみましたが、明らかにこちらの方がバランスが良くなり美味しい(好み)と思いました。

 

 

その後、師匠から「『46メソッド』なるものがあるからそれを参考にしてみては」と言う事で動画を紹介して頂き、観てみましたが、投入するお湯を40%、60%に分けて入れると言う方法の様で、この方曰く「最初の40%で味が決まる」と言う様な事を言われていました。

と言う事であれば、このハイブリッド方式で豆の挽き具合、浸漬するお湯の量(温度)や時間を調整すると同じ豆でも様々な味が楽しめそうです。

 

人の好みは千差万別ですし、Facebookの知人には「朝とかはザーッと淹れた(アメリカン)」ものが飲みたいけど、夜とかはもう少し濃い物が飲みたい」とコメントしてる人もいましたが、このSwitchを使えば、朝は透過法、夜は豆の種類や好みによって透過法やハイブリッドで淹れると言う様に、同じ器具と同じ豆で簡単にそれが出来ます。

 

又、師匠は「自分が焙煎した豆を評価する為もあって浸漬法のクレバーを使っている」と言われてましたが、自分も焙煎をしているので、そう言う方法でも使えます。

私がこのHARIOのSwitchを選んだのはその辺りの自由度が理由ですね。