ワイヤーテールピースにはテールピース状のベルクロ(マジックテープ)が付属しています。
これが無い方が弦は良く振動しますが、振動し過ぎてリングと他の弦のワイヤーが接触してノイズを発生したりします。
これはそれを防ぐ為の物で、このベルクロは必須ですね。
マービンのサイトではこのベルクロをカットしてデザインしたユーザーの写真もアップされていますが、これをカットすると制振効果が減るので、自分はそのまま使って、写真の様にデコってみました♪
コントラバスはオーケストラでしか弾かないので賑やかで良いだろうと、ネットで小さなワッペンを探して張ってみましたが、女性には好評でした笑
チェロの方はベルクロの幅も狭いですし、ソロを弾く事もありますので、シンプルに渋く?金糸で縫った猫のシルエットのワッペンを張りました。
楽器の持つポテンシャルはパーツを変えたからと言って変わる訳ではありません(例えば、ストラディバリウスの様な音が出る等)が、その楽器のポテンシャルを最大限に発揮すると言うのは大切だと思いますし、自分の使用しているパーツは全てそう言う思想のパーツばかりですね。
エンドピンストッパーとしてステージの上でも何処でも常時使用している「奏」にしても、エンドピンの8mmのアルフェコにしても楽器の振動を可能な限り楽器から外に逃さないコンセプトのパーツで、(この楽器ではあまり必要ありませんが)クレンツのウルフキラーも弦に取り付ける物では無く、ボディに張り付けるタイプにして弦に負荷を与えず、振動が逃げるアジャスターを使わない為、ペグもWittnerのファインチューンペグへ交換し、ワイヤーテールピースによって弦の振動を駒を介して楽器に伝えると言う様に、振動系をシンプルに構成して楽器の最大限のポテンシャルを発揮すると言う様に考えています。
従来だと軽いテールピース(プラスティク、柘植等)を使ってカーボン等の軽い=音響インピーダンスが高いエンドピンを使って同様の効果を上げていたのと方向性は同じですが、それを究極にした様な状態です。
ワイヤーテールピースに交換してみて、振動が非常に自然となって弓の感触がそのまま音になっている印象です。
まあ、コントラバスだと弦が太いのでそこまで微妙な感覚が掴めるのか不明ですが笑、例えば、40で24拍等と言う非常にゆっくりの開放弦のロングトーンをやっていると、テールピースがあった時は、途中で「スティック」と言う振動不具合(弓が止まったりカスレたりする)によるビビリがあったのですが、これが殆ど無くなりました。
弾いてる途中もそうですが、40で24拍だと比較的駒近くで弾かないと弓が持たないので、駒近くで弾き始めると、ガガガと言う感じで弓が飛んですぐに弦が振動し始めない現象も同様で、ワイヤーテールピースにしてからこれが殆ど無くなり、立ち上がりから直ぐに弦が振動するので、立ち上がりが早くスムーズな音の出だしとなります。
理由として考えられるのは「スティック」はテールピースの持つ固有振動特性と弦の振動との不調(恐らく、弦の振動が微妙に変わった場合、ある程度質量と振動特性があるテールピースの振動の追従が慣性の法則によって遅れて、これがぶつかって弦の振動を邪魔する現象があると思われる)によって発生するのでは無いかと思っていますが、このテールピースが無くなる為、駒近くのpp等の弦の微妙な振動を制御しやすくなるのだろうと思います。
これはff等で弦の振動が大きい場合は分かりませんが、ゆっくりの弓等ではわかりやすいのだと思います。
この手のゆっくりのロングトーンの練習はその様な弓のコントロールを身に着ける為にあると思いますが、プロであればこのテクニックが身に着いていても、アマチュアだと当たり前にやると時間が掛かる物が楽に出来る様になるのは有り難いです。
ちなみに、コントラバスの場合はこのテールピースの影響が振動として良い効果がある様で、箱の響きと言う事では物足りなく感じると言うのはこちらへ書いています。