チェロへ続いてコントラバスも交換しました。
実はコントラバスに関しては大失敗笑
何が大失敗かと言うと、以前テールピースを自分で交換した時のテンションの掛け方を確認せずにこんな感じだろう(写真)の様にしたら、あっと言う間に魂柱が倒れてしまいました笑
正しくは?こちら
まあ、倒れても自分はコントラバス用の魂柱フォークを持っていて、魂柱を自分で調整したりしていたので特に気にせず作業を継続。
先ず、確認したかったのは、これは4弦コントラバスを想定した物なので、5度調弦用のC線が末端のリングへ通るか?と言う事で、取り敢えず全ての弦を取り外す前にC線だけ外して確認しました。
写真の様にちゃんと孔に通る様なので残りの弦を全て取り外しました。
駒を外したついでに駒やアジャスターもストリングクリーナーで綺麗に掃除しました。
取り敢えず、弦を全てのリングへ通してある程度テンションを掛けたら魂柱フォークで魂柱の立て直しをしました。
チェロ以上の小さな楽器と違って、魂柱が何処に立っている必要があるのかと言う原理を含めた(例えば楽器がどうやって鳴るか)、ある程度基本の位置が理解出来ていれば、然程違いは無いと言うのが自分の考えです。
簡単に言えば、低い弦は楽器をヘッドから見た時に回転方向へ捩れる事で発音し、高い弦は垂直(ヘッドとテールピース方向)へ振動する事によって発音するので、魂柱は水平方向は中心より高い弦の側、垂直方向は駒より下へ立てます。
後は、楽器の鳴りに依って調整するので、凡その位置へ立てれば後はコンコンと叩いてズラして微調整です。
今回のワイヤーテールピースの様に通常のテールピースと異なる場合は楽器職人も殆ど経験が無いので自分でやる方がゆっくり時間を掛けて確認しながら調整出来て良いです。
マービンの説明書でも通常は一番低い弦を短いワイヤーへ繋ぐ様に書かれてますが、これは好みによって変えても良いとも書かれています。
チェロの場合は一般的な張り方にしていますが、これは弦の太さ(質量)の差がコントラバス程無い為で、何処へ繋いでもそれ程差が無いと思われた為です。
一方、コントラバスに関しては弦の太さの差がチェロよりも大きく、これによって駒から下の長さが影響すると考えて、幾つか繋直した結果、5度調弦でマービンのワイヤーテールピースを使う場合はこの様な接続が良いだろうと考えました。
基本は駒から下の長さが長い程サスティーンが効いて音が柔らかくなりますが反応が遅くなり、長さが短くなる程、その効果が少なくなりますが反応は良くなります。
C線は太くて反応が悪くなりやすいので、G線よりも短め、同様にD線もA線よりも短めにしました。
コントラバスのペグを回すのは面倒なので、このWittnerのファインチューンペグ用のハンドルを使いましたが「アルトベンリー」と言う様なふざけた名前でコントラバス用も販売しています。
実際にオーケストラで弾いてみた「感触」は非常に良かったです。
音も伸びが良い感じで、ウッカリすると8分音符が4分音符になりそうになるので左手のミュートが必要となります。
自分の場合は特に5度調弦なので、一番低い弦はC線と太く、前から反応が気になっていて、この弦にはスピロコアのライトテンションを張っていましたが、C線の上の方を弾く場合も少なくないので、これが弾きやすいのは嬉しいです。
ちなみに、現在、低い2本のG、Cは専用弦で、上のAはエバのソロ弦、Dはオブリガートのオケ弦と言うセッティングにしていますが、書いている様にワイヤーテールピースの長さもこの弦のバランスを揃える為、一般的な繋ぎ方と変えています。
このC線やG線の反応が非常に良くなって右手の負荷も軽く楽になりました。
ジャーマンではあまり気にならないのですが、フレンチを使うとチェロと違って弦が太いので、チェロと同じ持ち方をしている時は手応えや反応の違いが気になるので、可能な限り軽い方が良いです。
但し、手応えが軽くなって反応も良くなった分、相反しますが、何か音に重さが無い感じがします。
この「重さ」は長年コントラバスを弾いて来た、身体に伝わる振動や恐らく出ているであろう音の感じの印象です。
チェロと違ってコントラバスの場合、音にはならない様な低周波の振動の様な物も音の要素で、恐らく、テールピースの重さがある程度のこの要素の一つになっていたのかもしれません。
弾いてて「ブン」と言う「ン」の部分の「箱が鳴ってる感」が物足りないんですよね。
これ、ボディが無いエレキベースが存在するのと同じで、ジャズの様にピックアップで拾ってアンプで再生する分には全く気にならない所だと思いますが、生音のクラシックの場合は気になる所で、恐らく、オケのコントラバス奏者が全員このワイヤーテールピースにしたらスカスカの低音になるかもしれません笑
これがチェロの場合だとコントラバスよりボディも小さく、寧ろテールピースが無い方がプラスになる様で、C線の振動だけでも充分楽器が鳴ってくれて、今回、コントラバス用とチェロ用の2つを手に入れてみましたが、チェロの方が印象が良かったです。
まあ、コントラバスの場合、ソロは弾きませんので「音」よりも弾きやすさを優先しようかと思います。
恐らく、コントラバス用だけ買っていたらチェロは買わなかったかもしれないので同時に購入して先にチェロを交換してよかったと思います。